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目の前に突然超絶美人が現れたけど…

『嗚呼、神よ!』


その時俺は初めて神を崇めた。

神なんて居ない説を常に掲げていた俺だが、その時だけは神を崇め、讃えるしかなかった。

この腐った世界で腐った女子共を眺め、二次元へと逃避した俺にとっては、あまりにも刺激の強い出会いだった。

そう、何を隠そうものか!

今目の前には超絶美人がいる‼︎

夢だの馬鹿だのどうとでも言うといい!

これは紛れもない事実!

誰がなんと言おうと揺るがない事実っ‼︎


『嗚呼、神よ!』


俺は再び神に祈りを捧げる。

そして深呼吸をして心を落ち着け、目の前にいる美人さんに声をかけようとして…


「(ってメッチャ見つめられてるぅぅ‼︎)」


何故だろう、何故だろうか。

まさかっ⁉︎いきなり一目惚れ⁉︎

いやいや待て待て、そんな急にある訳がない。

でもやっぱりこっち見てるよな。

まさかのいきなり恋愛フラグ来た?来ちゃった⁉︎


「(ま、まぁとにかく落ち着いて。何か話しかけないとな)」


そうだ、いくら目の前に超絶美人がいた所でなんの接点も持てなければ意味がないのだ。

袖触れ合うも多生の縁と言うが、その縁は物にしてこそ意味があるのだ。

しかしなんて話しかければいいのやら。

女子と話す機会なんてまず無かったし、ましてやこんな超絶美人さんと出会ったことすらないぞ。

つーか大事なこと気づいたけど、俺コミュ障じゃん⁉︎

そう思い悩んでいるときだった。


「おい」


「は、はぃい⁉︎」


美人さんから話しかられた。

しかし長いコミュ障歴のせいか、若干上ずった声で返事をしてしまったマヌケな俺。

っていきなりこれはマズいんじゃないか?

もしかしてコミュ障ってことばれたかな?

因みに第一声が「おい」だったことには触れない。

相手も緊張しているのかもしれな……


「おいゴミ、これは一体どういうことか説明しろ。じゃなきゃ殺す」


……………………嗚呼…神よ…

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