Chapter 1
*この物語はフィクションです*
ただ、今、身も心も疲れきっているあなたが
少しでも、現実ってそんなに捨てたもんじゃないなって思ってくれたらうれしいです。
完結まで、お付き合いください。
社会人になって、もう5年たつがこんなにも家のドアを開くのが億劫に感じられ始めたのはいつからだろう。
なんでもそうだが、始めてすぐというのは希望だとか夢だとかに溢れているのだ。
あんなに面倒で仕方なかった大学だって、入るために必死に勉強をした。
入ってすぐは、これからの新しい生活、初めて親元を離れての一人暮らしに無性にわくわくしたものだった。
「めんどくさ・・・。」
朝起きてからまだ数時間しか経っていないのに、もうこれで何度目だろう。
ちょっと多すぎやしないかと思う。
目が覚めて、手の届くところにマルボロが無かったときに一回・・・えぇ〜っと、その後に・・
「めんどくさ。」
数えるのも面倒になったのでそこでやめた。まったく、なんだこの生活。
フッと誰に向けるともなく乾いた笑いが漏れた。
まさか家の前でずっとそうしているわけにもいかないので、僕は会社に向けて出発した。
今日は金曜日。今日を終えれば、休みだ。早く終わらせて帰りたい・・・と思うが
金曜の夜に素直に帰れるほうが少ないのが現実だ。たぶん・・いや、高確率で飲みに誘われるんだろうな・・・。
・・・・あぁ〜、めんどくさ・・・・
今度は口に出さずに心でつぶやいた。
>>つづく
次回をお楽しみに。
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おまちしてます。