082話 帝国難民来たる。
この作品を選んで、お読みで頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
ウルキシア王国へ帝国難民の受入れの書簡を送ってから3週間が経ち、王都レティナシアでも帝国難民の受入態勢を整い、現在隣国のラティアシア王国を経由して後三日で到着するとの連絡が届ていた。
「いよいよ、後三日で帝国難民が来るのか、オディナス受入れの人員は大丈夫なのか」
アトラス公王は最後の確認を宰相のオディナスに確認をする。
「はい、人員については文官を10人程当てる予定です。後はリソナとミーヤにも手伝って貰います」
宰相のオディナスは出来得る限りでの受入態勢を整え、婚約者のリソナとミーヤにも助力して貰い今の段階で万全な体制を整えた心算である。
「そうか、如何せん初めての事だからな、万全を期した心算でも何が起こるか想像がつかないだよな」
アトラス公王は流石に初めての事なのでどこまでやれば万全なのか見当もつかない手探り状態であった。
「そうですね、ましてや新興国ですからね、文官達も若いので正直言ってベテランの文官がもう少し欲しいところではあります」
宰相のオディナスも内心では物凄く不安に感じており、出たとこ勝負な面が大きいかった。
「まぁ、確かに人材不足であるのは拭い捨てられないが、まぁ、我々で何とか踏ん張るしかないだろ」
アトラス公王もどうにも出来ないものもあるとして、今が踏ん張りところだと覚悟を決めて取り掛かるしかないと考えていた。
「あっ、そうだ東の街道の整備を終わっているのか」
アトラス公王は思い出したかのようにオディナスに確認する。
「はい、一応分かりやすく森の入口に看板を建てましたから分かるとは思いますが、念のために当日は騎士を4名ほど派遣して待機させます」
軍務総括のユリシスが当日に騎士を派遣する事をアトラス公王に伝える。
「東側にもいずれは街道の入口に砦を建てなければならない」
アトラス公王はまだまだ為さねばならぬことが多いなと実感する。
「そうですね、今は砦を建てる予算が出せませんからね」
宰相のオディナスも国作りをする上で為すべき事が山積していると痛感する。
王都レティナシアの人口はおよそ8千人を超えたあたりで、ダンジョンに挑む目的で来ている冒険者の数はおよそパーティ数で百組くらいで総勢で5百人程度で推移して多少の増減はあるが比較的に落ち着いている。
宿屋が今では60軒を超える勢いで開業し冒険者達が主に宿泊しており、神殿の方にも創世教教会の深々な信者達が巡礼地として白亜の美しい女神像を見に来る信者が増加しているのもあり宿屋が繁盛している。
私達チーム・レミリの領地では野菜畑の他にブドウ園とオレンジ園とナシ園と果物が栽培されて、その中でもブドウ園が一番広く面積を広げて酒類工房でワインの生産を始めて2ヶ月が経過する。
最初に出荷した赤ワインをクリジア商会の店舗で販売を始めると売れ行きは上々であり、いずれはこの国の名産になれば良いなと考えている。
それと私が定期的にスパイダーシルクの生地をクリジア商会に卸しているので、それもまた高額な金額で周辺国の王侯貴族達が噂を聞きつけて購入してくれるので、かなり商会の売上に貢献しており税収が鰻登りでもある。
最近では綿生地とスパイダーシルクの混合でお洒落で高級感のある下着類と肌着等もクリジア商会で販売を始めると、冒険者の女性達に人気で良く買い求めてくる。
古代都市を復活した時に酒類工房と服飾工房と魔道具工房とが在ったので、設備的にも優れている工房なので従者を雇い入れ、体制を整えて徐々に各工房の活用を始めている。
私は今日の予定で工房の稼働状況をエリザと二人で見て周り、工房の稼働率としては半分行くかどうかと言うところで明らかに人材不足が生じているのが現状である。
ある程度はクリジア商会にも人材を派遣して貰っているけど流石に多くは望めないので、後は三日後に到着する帝国難民達の中に優秀な人材が居る事を期待するしかなかった。
「ねぇ、レティ、工房にも帝国難民の女性を雇い入れたら良いじゃないのかしら」
「そうね、女性ならスパイ活動する人は少ないとは思うけど、まぁ、魔道具以外の工房なら特に問題は無いわよね」
私も秘かに帝国難民の内で女性が多く働いて貰えれば助かるなと正直言って思っている。
「ところでレティ三日後には帝国避難民が到着するのよね、私達も手伝った方が良いかしら」
「うん、リソナとミーヤも手伝うみたいだし一緒に行っても問題ないでしょう、特にその日は用事も無いし、何も無ければ人材探しをしても良いと思っているわよ」
「あ~、それもそうね、邪魔しなければ良いものね、なら私達もリソナとミーヤと一緒に行きましょう」
「うん、後はアトラス公王にも念為に伝えておけば良いわよね」
「そうね、反対はされないと思うけど」
エリザはアトラス公王が私とレティが手伝う分には反対されないだろうと高を括る。
帝国難民が来る日までアトラス公王は側近と城務めの家臣達と共に協力して様々な事を想定し何か問題が生じた時でも、あらゆる対応が出来るようにと受入態勢を万全を期した。
こうして迎えて帝国難民受入れの日を迎えて、私とエリザもリソナとミーヤと共に宰相のオディナスの手伝いで東門で待機する事になった。
待つ事半時が経過して帝国難民が乗った乗合馬車が数十台と徒歩で来る難民達を向い入れて驚いた事に、女性の数が圧倒的に多く女子供と男の割合が7:3くらいで女性の割合が6割近くいた。
「あら、女性が圧倒的に多いわね、あれかしら男は徴兵された所為で少ないのかしら」
リソナが想像とは違って女性の難民の多さに驚く。
「多分、そうじゃないのかしら、それで重税を課せられたら生活が困窮するのは当り前よね」
ミーヤも女性の難民が圧倒的の多くて戸惑う。
「戦争が原因で徴兵されてたら、何だか悪い気がするわね、でも戦争だもね死をある程度は覚悟しなければならないもの、一番の原因は戦争を起こした皇帝の責任よ」
レティはプレス砲で帝国軍の兵士を死に至らせた張本人であるから、その事からは逃げる心算は無かった。
「まぁ、そんな事より人材を確保に勤めましょう。彼女達だって仕事しなければ生活が出来ないですもの」
エリザはとにかく優秀な人材を探す事に重きを置いた。
先ずは王都で受入れる500人を決めてから、残りの500人を全員乗合馬車に乗せてカーティス子爵領に向わせた。
余った乗合馬車は早々に母国に帰るために東門へ向かって走らせて立ち去って行き、まずは全員をの農園に従事して貰う事を説明してから、家族単位で家屋を割り当てる所が始めた。
それから単身者については4人一組としてグループ分けをしてから家屋の割当を行い、当面の当日分の食料と生活費として一人当たり5万ルド渡してから家屋がある場所に案内をした。
帝国難民受入れに関しては大きな混乱もなく割とスムーズに進み、今日の予定である家屋の割当までは無事に日暮れ前までに終わった。
「うん、今日の予定までは無難に終わったけど、後は難民達の生活をいかに起動に乗せるかが課題ですね」
宰相のオディナスは1日目の予定が無事に済んで安堵するが、今後のカリキュラムが上手く行くかが正念場だと感じとる。
「あぁ、そうだな、ただなここまで女性が多いとは思わなかったな、明日以降のカリキュラムを上手く進めばいいだがな」
アトラス公王もまずは1日目は無難に予定通りに行ったので一段落したなと安堵する。
私とエリザは城での職務が無い時はなるべく難民居住区に通い、人材探しをする事を決めて農園での働きぶり等も参考にして人選したいと考えた。
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