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あおの道 ／ 風の声
【あおの道】
路地裏
ここだけ空気が青っぽい
時々冒険に来るの
異世界みたいな
洞窟みたいな
心が躍る場所
わきに垂れ下がる緑の植物
触れると柔らかい
かわいらしくて頬が緩む
緑の壁がずーっと続いていくような
この景色
癒される
わくわくする
両脇の植物達が、上からの風に揺れた
見上げれば青
空から降る黄色い太陽の光が、時折ちらちらとわたし達を照らす
「きれいね」
さわさわと揺れる彼らも喜んでいるみたい
決めた
もう少しここにいよう
＊
【風の声】
忘れていたの
優しい風の声
たくましい風の声
さらわれてしまいそうな、くすぐったいような
あなたの感触
水面を揺らしやってきたあなた
木々の間をやってきたあなた
わたしは土の上に立ち、あなた達はそこにいた
こんなに空が青かったのを、こんなに森が生きていたのを
初めて知った気がした
風も川も森も空も、わたしも
生きていた
ここにずっと
昔からずっと
世界を駆け巡りわたしの前に現れた尊い風
あなたのおかげで、やっと気付いた
