51話──父の怒り
次の話に、入れ忘れてる三千字ほどの文章がありました、8/27。修正済み
男と豊炎が協力して神領星と戦ってるのと同時刻。
場所は、同じくグリントの街中。北部の広場。
そこには惨状が広がっていた。
三十を超える神領星の死体が転がり、どの死体も首から上が無くなった状態となっていた。
神領星にとって、儀式を完遂させることは自身の死よりも大事なこと。ここで殺されても構わない。みなそう考えていた。
しかし、段々とその思考に乱れが生じ始めていた。
仲間の悲惨な死を前に、恐怖を感じているのだ。
だが逃げない。
混乱を振りまくのであれば、どう考えても勝ち目が無いとわかった時点で数人残し、再び町中に散開して騒ぎを巻き起こすことが一番良い。
にも関わらずこの場に留まり続ける。戦いを挑むこともせず、引けた腰で化け物と対峙する。
決意ではない。
その場から一歩でも動いた者から、鮮血を噴き出して死んでいくからだ。だから逃げない。逃げられない。
「普段であれば、投降する者の命は奪わん。だが、私は非常に機嫌が悪い」
相対するのはたった一人の男。
この町で最も偉く、最も憎悪を滾らせた男。リドリー・ウェル・グリントだ。
「誰一人とて、生きて帰れると思わないことだ」
リドリーの周囲にウェールのような光が浮かび、保護膜のように包み込む。
そんな温かさのある光は、今や神領星にとっては恐怖の象徴に他ならない。
「……戦意を損失してもらえるとは、非常に助かる。確実に命中させられるからな」
男が右手を上げると、光のウェールが大きく揺れ動いた。
「うわあああああ!!」
それを見た一人の神領星の男が、耐えられずに背を向けて逃亡を図った。
するとそれを皮切りに、なんとか耐えていた者たちもリドリーから逃げようとバラバラに走り始めた。
阿鼻叫喚の嵐に包まれる広場。
だが、
「【サンクチュアリ・オブ──】」
ウェールの表面が無数に尖り、その先端が煌めいたかと思えば、
「【──ランス】」
首を失った死体が倒れていく。そのいくつかは死んだことにすら気付いていないのか、根強くこの世にしがみ付いていた。
一歩、二歩、三歩。首を失っているもの関わらず走る。
四歩、五歩、六歩。力が入らなくなり弛緩し、速度が下がり泥酔しているような進み方に。
七歩、八歩……そして、その場に全ての神領星が、確実な死体となり、広場での惨状は幕を閉じた。
「……次だ」
リドリーは次の騒ぎへ向かう。
目的はただ一つ。町の広がった神領星全員の死亡だ。
アリスの無事がわかるまで、その目で確かめるまでは、その本領を遺憾なく発揮するだろう。
「これ以上の犠牲者は増やさせない。私の町で好き勝手できると思うな」
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