41話──救出会議
「ゼット様、お時間よろしいでしょうか」
「ビリーブさん!?」
確信が持てないことを報告するわけにもいかず、一人で町を歩き回って、セイジの手掛かりを探していた日。
ゼットが探し求めていた存在に限りなく近いであろう人物に出会った。
出会ったというより、会いに来てくれたと言った方が正しいか。
「俺も話したいことがあったんです!」
「それはそれは……。場所を移させていただいてもよろしいでしょうか」
「もちろんです。すぐにでも行きましょう」
それからビリーブさんの後を追っていくと、平凡な民家の前で止まった。
「この中に集まっている方々は、信用できる者のみでございます。また、グリント家の現当主である、リドリー・ウェル・グリント様もおりますので」
「え……!?」
「ですので、どうか失礼の無いようお願いいたします」
「……やっぱ帰っても」
「お願いいたします」
「……はい。わかりました」
なんでこんなことに。
まさかアリス・グリント様だけでなく、リドリー・ウェル・グリント様とも話をすることになるなんて。
いや、まだわからない。俺は直接話をしないかも。というかその方が可能性高い。絶対に。
「うぅ……」
家の中に入り、ビリーブさんに先を歩くように促されたけど、それは断固拒否した。
せめてその背中を見て安心感を感じながら進みたいのだ。
「それではゼット様、お入り下さい」
「俺、貴族に対する言葉遣いとかわからないんですけど」
「ご安心ください。この場は非公式の、隠匿される会合でございます。更には、あらゆる無礼を許すと、リドリー様より伺っております」
「それは良かった!とはなりませんよ……。でも、腹は括りました。ということでお先どうぞ」
腹は括れても、先に行く勇気は出ないものだ。中に入る分の勇気しか作れなかった。
ビリーブさんはドアを四回叩くと、
「ビリーブです。ゼット様をお連れしました」
中にいる誰かへそう告げた。
方々と言っていたから、リドリー・ウェル・グリント様以外にもいるはず。凄い人じゃないと良いけど……
『入りたまえ』
部屋の中から、重厚感溢れる声が聞こえた。
少し怖い。
「失礼致します」
「し、失礼します……」
恐る恐る部屋の中に入ると、
「君がゼット君か」
さっき入室を許可していた声と一緒の人が真正面に座っていた。
それから左右に分かれて、一人ずつ座っていて、部屋の中には計三人いた。全員もれなく男だ。
それに、右に座ってる人には見覚えがあった。
俺より三十センチは慎重が高くて、オーガみたいな身体の人。
「ギルマス?」
それは俺とセイジが仕事を貰っている冒険者ギルドのマスターをやっている人だった。ギルドのマスターだからギルマスだ。
この呼び名は俺が勝手に言ってるものじゃなく、ギルマス自身が会う人みんなにギルマスと呼べって言ってて俺もそう呼ぶように言われたからギルマスと呼んでる。
ギルマスと呼ばないとクビにするなんて脅すのだからタチが悪い。
「ようゼット。最近調子はどうだ?」
「えっと、おかげさまでそこそこって感じです。この前Bになりましたし」
「それはもちろん知ってるぜ。で、女はできたのか?」
「からかわないでくださいよギルマス……」
「すまんすまん。でも少し気は楽になっただろ?」
「……なりましたけど、それ言っちゃうと逆効果になりますって。……えっと、俺はどこに座ればいいですか?」
「ではゼット様はそちらへお座り下さい」
「ありがとうございますビリーブさん。し、失礼します……」
右側の、ギルマスの隣にそーっと腰掛ける。
ビリーブさんは俺の正面だ。
「それでは全員集まったという事でね、早速始めさせていただこうかなと思います。あまり時間も掛けれないのでね、手早く簡潔に情報共有並びに解決策を出せればと思いますよ」
ビリーブさんの隣に座る人が司会となり、会議が始まった。
「では、まずは簡潔に自己紹介でもしましょか。そこのゼット君が戸惑っていますしね」
思い付いたばかりでまだ構成練ってる最中なので更新は遅いですが、評価ブクマ感想で速度バフが付くので良ければお願いします!
ちょっとでも続きが気になれば!是非!!




