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異世界転生1日目、恋人ができました。人生懸けて幸せにします 一章:完  作者: 成田楽


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36話──偶然の実2

「なにを?」


「さっきの子、アリス・グリント様だよな?」


「グリント?」


「マジで言ってる?」


 セイジには、ゼットの言ってること、言いたいことがわからない。


「あの子のことはアリスって名前しか知らないな。アリス・グリントって名前だったのか。でもなんでお前は知ってるんだ?知り合いか?それに様ってなんだ?」


「……そう言えばセイジ、稀人だったね」


 ものすごく呆れ顔のゼット。


「まず、この町の名前は?」


「……なんだっけ?」


「グリントだ」


「グリントか」


「この町の領主様の名前は?」


「……?」


「グリントだ!つまり!?」


「……いやまさか」


「そのまさかなんだよ!」


 それからゼットは、自分の声の大きさにハッとしてセイジに近づいて話す。


「お前は領主様の娘と付き合ってるってことだ」


「……それってマズいのか?」


「……はぁ。そんなにバカだとは。普通平民と貴族がそういう関係になるなんておかしいだろって。身分差考えてよ」


「俺の故郷、貴族とか平民とか、そういうの無かったんだよね」


「……なるほど。ってならないよ!」


「知らなかったんだから仕方ない」


「じゃあ仮に仕方ないとするよ?で、それを知った今はどう思うの?」


 ゼットの質問はセイジの人生の命運をかけるようなものだった。


 しかし、初めからその答えは決まっていた。


「なんとも思わない。アリスが貴族だからなんだよ。俺が平民で稀人だからなんだよ。俺にとってはどうでもいい話だ」


 セイジは、人生をアリスへ捧げた。


 たとえアリスが受け取ってくれなくとも、他人に否定されようとも、生き方を変えるつもりは無い。


「理想だけじゃ生きてけないよ?」


「理想を叶えるために生きてんだよ」


「普通に考えて貴族と結婚するなんて不可能だよ?」


「俺はこの世界の常識を知らないんでな、不可能とか知ったこっちゃない」


「……はぁ」


 セイジの頑固たる言葉に、ゼットは真剣な雰囲気を解いた。


「セイジがそこまで言うなら、もう俺はただ応援するよ……それで、まだ聞きたいことは山ほどあるんだけど……貴族だって知らなかったんだよね?」


「そうだけど、それがどうしたんだ?」


「そこが一番問題なんだよ。さっきの反応的にも間違いないだろし……あーマジでごめんね。絶対俺から言うべきじゃなかった……」


 本当に申し訳なさそうにするゼット。反省が感じらせるその姿勢に、セイジは一体全体どうなっているんだと不安になる。


 そして、ゼットの口から出た言葉は、セイジの不安を増大させたのだった。


「アリス・グリント様は、セイジに貴族だって知らせたくなかったんだと思う。普通なら俺みたいな反応をするはずなのに、セイジはなんとも思ってないように話しかけた。だからアリス・グリント様もセイジが自分のことを貴族だって知らないんだってわかってたんだと思う。貴族だってことがバレたらきっと距離を取られるかもって思われてたんじゃないかな」


「……」


「仮にセイジは貴族だろうが関係ないって思ってても、アリス・グリント様の不安は消えないと思うよ。もし俺がアリス・グリント様の立場だったら、セイジに気にしないって言ったとしても心の中では気遣ってるかもって考えるし、知られる前と同じ関係でいられるとは思わないからね」


「……そうか」


「さてここで、とっても優しい親友のゼット様はセイジに特段の配慮をしてあげましょう。いますぐ後を追うのです。そして、誤解を解いて、今まで通りの関係でいられるよう頑張りなさい。わかったか?」


「でもゼットとの約束も……」


「俺は今日セイジと冒険できないことより、セイジとアリス・グリント様の関係性が崩れてセイジが落ち込むことの方が嫌だ。セイジはアリス・グリント様のことが好きなんでしょ?恥ずかしがらずに正直に答えて」


「……好きだよ。ゼットとアリスどっちかしか救えない状況になったら、迷わずにアリスを選ぶくらいには」


「……そっか」


 落ち込んでしまっただろうか、とセイジは心配する。


 正直の答えてとは言われたが、だからいって本当に本心を伝える必要は無かったかもしれない。アリスへ想いを伝えつつ、ゼットも気遣う言い方をすべきだったかもと。


「……うん。わかった」


「ゼット……」


「それでいい!!それでこそセイジだ!男だ!」


 セイジが本心から伝えてしまった、アリスを優先するという言葉を気にせずそれどころか夢が叶ったかのように喜びを感じているゼット。


「ほら行ってこい!!どうなったかは宿に帰ったからめちゃくちゃ詳しく聞かせてもらうから、とにかく今を逃すな!」


「……ありがとうゼット。じゃあ行ってくるよ」


 アリスが走り去ってしまった方へ足を動かす。


「急げー頑張れーー!」


 セイジの背後から、ゼットの応援が届いた。


 親友の意味、価値がひしひしと感じられた。

思い付いたばかりでまだ構成練ってる最中なので更新は遅いですが、評価ブクマ感想で速度バフが付くので良ければお願いします!




ちょっとでも続きが気になれば!是非!!

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