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異世界転生1日目、恋人ができました。人生懸けて幸せにします 一章:完  作者: 成田楽


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25話──恋人と2

「そういえば、ここ最近甘い物とか食べたことなかったな」


「セージさん。それは人生損してますよ」


「損しちゃってるかー」


「甘い物は食べると幸せにありますし、集中力もあがるらしいですよ?食べ過ぎは良くないですけど……」


「アリスは結構頻繁に食べてるの?」


「そ、そうですね。一日……一回は必ず……でも私、太ってないですから!」


 それだけは譲れませんっ!という頑固たる表情のアリス。


 しかしセイジは、アリスが太ってるとか、一瞬たりとも思ったことない。


「俺はアリスが太ってても気にしないよ」


「それはっ……そう言ってもらえると嬉しい、ですけど……でもそういうことじゃないです!」


「太ってないって。全然太ってない。それどころかもう少し栄養摂ってもいいんじゃないかって思うくらいだよ」


 これはお世辞ではない本音だった。


「それに、子供の頃は少しふくよかなくらいの方が健康的だし、成長期は沢山食べた方が良いんじゃないかな」


「そうですか……?」


「そうだって。無理に食べろってわけじゃないからそこは勘違いしてほしくないんだけど、でも我慢してるなら……どうしたアリス?」


 なにやら悩んでいる面持ちのアリス。


 セイジは、なにかアリスの地雷を踏んでしまったかと心配になる。大丈夫だろうか……と。


「……セージさんは」


「うん」


「お……」


「お?」


 次に、意を決して顔を上げたアリスの口から出てきた言葉は、セイジの思考を容易く停止させた。


「大きな胸の方が、好き……ですか?」


「──」


 なんでそういう話になったんだ?と、セイジは固まった思考に残った僅かな隙間で思った。


「え、っと」


「お、おしりとかも大きい方が好きですか?」


「……」


 ここで一つ。暴露しよう。


 セイジは童貞である。


 この世界でも、元の世界でも、経験はゼロ。一度だけ恋人はいたが、キスすらも済ませたことがない。


 そんなセイジにとって、好きな子から胸が好きか、おしりが好きかと聞かれて動揺しないはずがない。


「……!?」


 遅れてアリスの言葉を理解する。


 なんと受け答えするのが正解なんだと、精一杯考えるが、動揺したセイジの思考がまとまることはない。


「えっと……俺はアリスが一番好きだよ?」


 それは逃げの言葉だった。だが、確かな本音だった。


「さっき言ったように、アリスが太っても痩せてても、今くらいの体付きでも成長しても、俺はアリスだから好きなんだ」


「ですけど──」


 動揺して焦ったセイジは、アリスの言葉を遮ってまでも言葉を連ねる。


「ただ、ガリガリに痩せ細るのは駄目だよ。本当に心配になるから、その場合はめちゃめちゃ甘やかして食べさせまくるから」


「っ……それはそれで気になりますけど、今は納得してあげますっ」


「それは良かったよ。でももう一回言うけど、アリスのことを好きなのは本当だよ。遊びなんかじゃない。心の底から愛してる」


「わ、わかりましたから!もう言わなくてもいいですっ!」


「そう?」


 わかってくれてよかったよセイジは思う。


 こういう、自分の想いを隠すことなく伝えることこそが円満に繋がるのだと、生二は考える。


 ただ、今のアリスの反応はとても可愛いが、これ以上言うと怒らせてしまいそうな予感がしたため、セイジはこの話題を止めることにした。


「アリスは趣味みたいなものある?」


「趣味ですか?うーん……すぐに思いつけるものはないですね」


「そうなの?読書とか、ハンドメイドとか、運動とかなんでも、とにかく興味がある物事は?」


「ないですね。ずっと勉強ばかりでしたから」


「べ、勉強ばかり……!」


 一体アリスの家庭環境はどうなっているのだとセイジは思った。それが普通のことなのか、それともアリスの家が特殊なのか。


「あっ、でも一応ありました!」


 胸の前で手を合わせて笑みを浮かべるアリス。


「なになに」


「魔術の特訓ですっ!」


「へー魔術か。そういえば俺とアリスの出会いも、アリスのあの魔術から始まったよね」


 セイジは、バブベアーの首と胴体が離れていたあの光景を思い出しながら話す。


「じゃああの時は魔術の特訓で森に来てたの?」


「実は……はい」


「なにその言い方。やましいことでもあるのかー?」


「家族に秘密でやってて……秘密ですよっ」


「もちろん。それでアリスに嫌われたりしたら後悔だけじゃ済まないからね。ちなみにアリスのあの魔術ってさ、世間的にはどれくらい強いの?」


「えっと、ウィンドカッターのことですか?」


「そうそれ。俺、情けないことに魔術が使えないからわからないんだよね」


「あの魔術は、風の魔術の中だと比較的簡単な部類だと思いますよ。風を生み出す、エアーという魔術が一番簡単なもので、エアコンプレスという空気を集める魔術が次に覚えるものですね。他にもそのエアコンプレスで集めて固めた空気を飛ばして攻撃するウィンドバレットという魔術があるのですが、そのウィンドカッターはそのウィンドバレットを応用した魔術なんです。風の魔術は直接的な攻撃に向いてないものが多いので、ウィンドカッターのような切ることのできる魔術は早めに覚える人が多いんです」


「早め……なるほどねー」


「でもですよ、ウィンドカッターは大きさと速さと形をそのままに遠くまで飛ばすのが難しいんです。なのでその力加減が大変で、使う事だけは簡単なんですけど極めるまでが長くて、そんなところが奥深くて面白いんですよっ!」


 魔術のことになると饒舌になったアリス。好きと言って差し支えないだろう。


 ちなみにセイジが引くことはない。好きなこと、興味を持っていることを知れて嬉しいからだ。


 ただ、残念だと思うこともある。それは、


「俺も魔術が使えたらなぁ……」


 魔術が使えないせいで、アリスの話に乗れないところだった。


「セージさんは魔術使えないんですか?」


「そうなんだよね。何回も試したんだけど全然形にならなくて……」


「誰にでも得意不得意はありますから」


「でも他の人が言うには必ず一つは得意属性の魔術があるらしいじゃん?」


「確かにそうですね。じゃあセージさんがまだ試していない属性があるんじゃないですか?」


「一応結構強い人に指南してもらったことはあってね、その時に全部の属性の魔術の詠唱を試したはずなんだ」


「うーん……不思議ですね。あ!あそこですよ!」


 話しているうちにレストに到着。


 一階建ての、綺麗な木製の店だった。落ち着きのある雰囲気で、女性が好きそうな感じだ。


 セイジは一人だと来れないような店だなと思いつつ、慣れているように店に入っていくアリスの後に続いた。

思い付いたばかりでまだ構成練ってる最中なので更新は遅いですが、評価ブクマ感想で速度バフが付くので良ければお願いします!




ちょっとでも続きが気になれば!是非!!

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