23話──親友?2
なんでだ。
なんでなんだ?
なんでBランクにもなって、まだEランクの俺とつるんでくれているんだ?
近いランクか、同ランクの人たちと仲良くする方が利点が大きいだろうし、話も合いやすいだろう。
Fランクからの馴染み。そして同じ宿に住んでいるはいえ、無理に関わりを続けてもらわなくてもいいのに……
ゼットは本当に友としてつるんでくれているのだろうか。内心ではダルいって思っているのでは?
俺の心は、ゼットを友達だと思っている。ゼットは俺のことを友達だと、親友だと、心から思ってくれているのか?
……きっと、セイジなら仲良くやっていける……か。
「なんでって言われてもなー」
ゼットは俺の言葉を軽く受け取っているようで、散らばっているナイフを一本手に取ってゆらゆらと振っている。
「特にこれという理由は無いかな」
「無いのかよ」
「そりゃそうだろ。交友関係に深い理由なんて無いって」
理由は無い?
なにを言ってるんだこいつは。
「理由が無いならなおさらだ。俺と仲良くする意味なんて無いだろ」
「わかってないなーセイジは。友達とか親友に、理由も意味も必要無いんだよ。ただそうだって思えば、それでいいんだよ」
ゼットはわかってない。
例え理由も意味も必要無いとしても、それ以前の問題があるのだから。
「……そうか。変な質問だったな」
「もー。セイジはなにがしたいんだよ」
「別に、なにも。理由も意味も無い」
そう。
なにもないんだ。
全て途絶えている。
「とりあえず、見てて怖いからそれ置いてくれないか?」
切れ味が微妙なナイフとはいえ、目の前で不安定に持たれるとヒヤヒヤする。
「おーごめんごめん」
ゼットが素直にナイフ置いてくれたので、短剣と共に片付ける。
ナイフの刃先は布で包んで、短剣は専用の鞘に差し込む。
帰ってくる途中、歩く揺れのせいか袋の中で鞘から外れてしまっていた。
購入付属の鞘は簡易的なものだし、ここに金を使わなかった結果刃を触ってしまったりどこかで短剣を落としてしまったりしたら大変だ
自分で、固定できるように改造するか、別の鞘を買うべきなのかもしれない。
……改造は結局どこかに穴があったり、壊す危険性もあるか。
療養期間が過ぎるまでまだ時間はある。
それまでに色々揃えないとな。
でもそうなると……
「ところでゼット」
「なに?」
「金、貸してくれない?」
「えーー。俺もあんまり貯まってないんだけど」
「頼むよ。親友なんだろ?絶対返すって約束するからさ。な?」
「親友……辞めようかな」
「頼むって」
「わかったよ~。一応今日の稼ぎはなかなかだったし、少しなら渡せるぜ」
「マジで助かる!」
あぁ……
本当に、切実に、とにかく金が欲しい。
金が欲しいけど、金を稼ぐには仕事をしないといけない。
報酬の高い仕事をクリアするには自分の実力や頑張りはもちろんのことだが、装備品とかの準備だって大事。
今より、将来への投資をしないと金が増えにくいままだ。
大学みたいなものだな。
「とりあえず金貨五枚でいい?」
「多過ぎだ」
─────
「ありがとうございます」
「今後とも、当ギルドをよろしくお願いいたします」
受付に、依頼書と共に切り取ってきた部位を渡し、依頼書通りの報酬金が入っている小さな麻袋を受け取った。
「これでやっと借金生活が終わる……」
ゼットから借りていた分。金貨一枚に相当する銅貨や銀貨が集まった。
ゼットはいつまでも待つよと言ってくれているが、あまり時間が経過してしまうのは広く人間関係を壊してしまう可能性がある。これはゼットとの個人的な信用問題以上のものになる。
「夕方に借金を返すとして、ナイフの補充は……まだ大丈夫そうだな。他に今日中にやっておかないといけないことは……」
宿に帰ってから思い出してしまうとめんどくさいという気持ちになってしまう。
できる限り済ませておきたいところだ。
「そろそろポーションとかも持ちたいけど、高いんだよな。それよりは回復の魔術が使えるパーティーメンバーを探した方がいいのか?でもメンバーはな……」
「セージ!」
突然、俺を呼ぶ声がした。
それは、拙さが残る呼び方で、俺の脳を支配してくる声色で、
「え」
まさかとは思いつつも、声の主を探す。
まさか、こんなところで、こんなタイミングで?
「……アリス!?アリスじゃないか」
「お久しぶりですね。セージさん!」
思い付いたばかりでまだ構成練ってる最中なので更新は遅いですが、評価ブクマ感想で速度バフが付くので良ければお願いします!
ちょっとでも続きが気になれば!是非!!




