22話──親友?
「ってなわけで、これを買ってきた」
帰ってきたゼットに今日の収獲を見せた。
「……用事が武器の選定だったってのはわかったよ?でもさ、なんで買っちゃうの?」
「いやー店主に押し切られたね」
「金欠じゃなかった?」
「金欠だね」
「……せめてさ、メインになる武器を買うべきだっただろ。小さいナイフばっか買ってさ!」
ゼットが俺のベットに手を付き、その衝撃でナイフが跳ねた。
「うわ!あぶなっ」
「うわ!ごめん!」
予測のできない跳ね方をしているナイフ。
俺はこれ以上衝撃を加えないように急いでベットから降りた。
ゼットもすぐに離れていた。
「マジですまん!」
「ま、お互い怪我無くて良かったな。こんなんで負傷とか、馬鹿にもほどがある。で、一応メイン武器も買ってるんだぞ」
「そうなのか?」
ベットの下側から袋を取り出して漁る。
「えっと……」
「その探し方怖いな。刃物じゃないのか?」
「刃物だ。ちょっと待てよ……」
「手切らないようになー」
「わかってるって…………あった。これこれ」
袋の中から取り出したのは、ベットの上に散らばっているナイフよりも大きい物。
「えぇ……」
「なんだよその反応」
「ちっさ。そんなんそのナイフと変わらないじゃん」
「いやそれよりは大きいでしょ。短剣って呼んでもよくない?」
「いやいや、そんなんで戦えるわけないじゃん。俺の見ろよ」
「たっかい剣な?」
「……俺の剣はリーチがあるんだ」
「無視ですかい」
「リーチがあるんだ」
「……」
「リーチがあるんだ」
「……それで?」
「相手より離れたところから攻撃できるってだけで相当生存率が上がるぞ」
「うーん、それはわかってるんだけどねー」
「わかってるけどなに?」
「一応その長さの剣も振らせてもらったんだよ。でも重くてまともに振れやしない。ただ
の筋力不足ってだけなんだが……トレーニングして筋肉を付けるにも結構時間がかかる。なのにまだ持てない剣を買ったところで無駄なだけだろ?」
「確かに……でもじゃあなんでそんなに沢山ナイフを買ったんだ?」
「投擲武器だよ」
「投擲?」
これまでの経験。特にあの時のバブベアーとの戦いで俺は学んだ。
道端の砂一粒でも、使い方次第で大きく化けることに。
あの男からそういう戦い方も教えてもらってはいたが、正直マジに受けとっていなかった。
でもあれだけ効果的なら、話は別だ。
目のような柔い箇所以外に投げてもダメージを与えられるようなものを携帯すれば、戦略の幅は更に広がるだろう。
そんな考えの元、俺はナイフを複数購入した。
「そう。投げて攻撃する為のナイフ」
「そこら辺の石でよくないか?」
「石はいつでも手に入るだろ?でもナイフはすぐに手に入らない。石みたいな打撃系のダメージが通りにくい敵でも、ナイフみたいな斬撃系のダメージは効きやすいかもしれない。持ってて損は無い」
「いや、金の損が……」
「無くすことまで考えて、ちゃんと安い奴を買ってるぞ」
「……なら良いのか。いつでも投擲武器があるならリーチの長さも相当広げられるし」
「パワーは出ない。でも相手に効かないなら、わざと当てずにチラつかせるだけでも脅威だと感じてくれるだろうし、それなら石とかより効果的だろ?知能が無いと無駄だけどな」
「めっちゃちゃんと考えてるじゃんか」
「当たり前だろ?死にかけるのはあれで二度目なんだ。もう二度と繰り返したくないところだ」
「死にかけるのが二度目かぁ……死なないでよ?セイジは俺の唯一の友達なんだから」
「唯一って。お前のことだ。他に友達百人くらいいるんじゃないか?」
ゼットはかなりコミュニケーション能力に長けている。異性すらも引き込んでいたし、親しい人はかなりいるだろう。
「いるっちゃいるけど、セイジほど気を許せるかって言ったら……難しいっていうか、なんか違うんだよね」
「でもいることは確かなんだよな?」
「そうだけどそうじゃないんだって。だから……そう、親友だ」
「親友?親友がいるのか?」
「違う違う。セイジが親友なんだ。他の奴らは友達で、セイジは親友」
「俺が?」
「それなら俺の中でもしっくりくる」
「親友……」
友達ではなく、親友。
親しい、友達。
「もしかして嫌だったか?」
「……一つ聞きたい」
「なんだよ」
「なんで俺が親友なんだ?」
思い付いたばかりでまだ構成練ってる最中なので更新は遅いですが、評価ブクマ感想で速度バフが付くので良ければお願いします!
ちょっとでも続きが気になれば!是非!!




