反逆のショートカット
私は音楽が好きだ。
メロディに合わせて身体を動かすのが好きだ。
ギターをかき鳴らしながら気持ちよく歌いきるのが好きだ。
ステージでそれをやるために機械を運ぶのは重労働だが、それだって音楽をするための必要工程。私にとっては何てこと無い。
今度やる音楽イベントのリーフレットが作られた。
何でも全員長髪で揃えてイベントをするらしい。
だが、私は全員が長髪なんて味がないと思った。右へ習えで右へ習っても面白い訳じゃないんだから、個性があったっていいはずだ。
だから、当日いきなりショートカットで行ってやったのだ。
マネージャーや他のメンバーからの怒りは買ったがライブは続行。思いきり音楽を弾ませてやった。
すると意外にもこれが大受け。音楽が良いだけでなく、観客にとっては全員が長髪だと聞いていた中で一人だけショートカットなのが目を引いたようだ。
結果私は面白い奴だと評価を受け、ソロでデビューすることになった。
世の中何が起こるのか分からないね。