葵とさくら
「この景色が1番似合うのってきっと私たちだよ!」
眩しいぐらいの笑顔で青空と桜を指さしてさくらは嬉しそうに言った。
「も〜さくら毎年それ言ってるよ」
私は呆れた振りをしてさくらに答えた。本当は春が来る度にさくらのその言葉を期待している癖に。
「だって葵とまたこうやって今年もこの景色を一緒に見れたのが嬉しいんだもん!」
きっと私が男だったらさくらの隣にいたら頭がパンクしてしまうだろうと思いながらさくらのほっぺを掴む。
「さくらはずるいね。」
私はさくらの事が好きだ。これが恋愛感情としての好きなのかは自分でもよく分かってない。ただ誰にも盗られたくない。そんな自己中心的な考えをしてしまう自分が私は嫌いだ。
「おーいさくらー!おまたせ!」
その声が聞こえた瞬間私の手からさくらの顔は離れていた。
「あ!大智くん!!もー遅いよー!!」
一瞬さくらが犬に見えてしまうぐらいはしゃぎながら私の隣を離れていった。自分よりもその男にしっぽを振っているさくらに嫌悪感を抱いてしまった。
「葵またね!!」
幸せそうな笑顔を浮かべながら一生懸命手を振っているさくらを見て最低な事を考えている自分が恥ずかしくなった。さくらが幸せでいてくれるならなんだっていいじゃないかと自分に言い聞かせて無言で手を振り返した。それが今の私の精一杯だった。さくらと私は親友だ。それ以下でもそれ以上でもない。きっとこの世界が漫画だったらこの気持ちを打ち明けても支えてくれる友人がいたり、さくらが自分のものになるんだろうなと子供っぽい考えを頭の中でしてしまう。私にはさくら以外心を許せる人なんて存在しない。でもさくらはそうじゃない。分かっていても考える度に胸が痛くなる。きっとさくらに恋愛感情がある訳では無いと思う。ただ自分がさくらの存在を特別に思っているようにさくらにとって特別な人になりたい。またそんな考えをしてしまっている自分に呆れてしまう。こんな事さくらにバレてしまったら来年の春にはもうあの言葉は聞けなくなってしまう。その方が何倍も辛い。
桜の木の下でそんな事をずっと考えていると桜の花びらが私の肩に舞い落ちた。慰められた気がした。さくらに今抱きしめられたらどれだけ救われるんだろう。さくらは私が悩んでいる時にそばにいてくれた事がない。私は嫌われるのが怖くて素直にそばにいてとさくらに言えた事がない。でも私はさくらが暗い顔をしているのがわかった瞬間ずっとさくらのそばにいる。頼まれていなくても何も話してくれなくてもさくらがまた眩しいぐらいの笑顔ができるようになるまでずっとずっと隣にいる。考えてしまうと自分が辛くなってしまうのに自分とさくらの気持ちの大きさの違いに涙が出てしまった。
「ねぇ」
いきなり声をかけられて驚きながら振り返った。
ただのJKがひまつぶしで書いた作品なので暖かい目で見守ってやってください^_−☆




