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風紀委員の幼馴染と俺  作者: にやり
7/8

7 暴走


「え?ホントにあの高宮さんが?うそでしょ?」


「そうだよね、信じられない!」


「学校でそんな事してたのかよ、風紀委員のくせに」



ザワついた生徒たちを横目に、美月は壇上へと向かう。


美月?何を言うつもりだ?


いや、考えてる暇はねえ!


美月の後を追わないと!!



「今更何を言っても無駄だよ」


「そうですか」



マイクが拾わない程度の小声で、川中と言葉を交わす美月。


堂々としているようで、小刻みに震えている。


くそっ!俺に何が出来る?


いや、何も出来なくても。


美月の傍に。




「皆さんにお話ししたい事があります!私は今日をもって風紀委員を辞めさせて頂きます!!」



「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」



「先ほど、生徒会長が提示した写真は昨日撮られたものです!!」



「ホントだったんだ……」


「えー?信じらんなーい」



「私は風紀委員には相応しくないでしょう。ですが!!!誓って私達は、不純異性交遊などしておりません!!!!」



「どーなんだろーねー?」


「さあ?そんなの本人達しかわからねえんじゃね?」


「まあ、あの写真だけだったら、ただ抱き合ってるだけだしねえ」



「今まで隠しておりましたが、私は佐古君とお付き合いしております!!」



み、美月……?




「お互いの両親も了承済みです!!交際を始めてもう三年経ちます!!ですから、風紀委員には初めから向いていなかったのです!!」


「お、おい、美月、いいのか?」


「いいんだ、秀哉と別れるくらいなら、いっそ全部吐き出してみようと思ったんだ」


「……わかった」




「うへぇ、あのお堅そうな風紀委員さんがねえ……?」


「ほんと、見た目キツそうだけど、彼氏いたんだ……」




「私は!!皆が思っているような、堅物でもないし、しっかり者でもないし、鬼の風紀委員でもないんです!!私は……ただの臆病な、一人の女生徒なんです!!」




「……って言ってるけど、やっぱ怖えよな、目つきとか……」


「確かにな……」




「そんな弱い私を、この!!佐古秀哉君は!!ずっと守ってくれました!!ずっと……そばで……」


「美月……」




「え?あの鬼の風紀委員が泣いてる……?」


「あ、なんか、目つきが……」




そう、俺と二人きりの時の美月は……。




「なんか、可愛くない?風紀委員さん」


「ホント!凄く優しい目をしてるよ?」


「ね!二人、お似合いじゃない?」


「いいなー!憧れちゃうなー!」




「私は!!!そんな秀哉を……。秀哉の事が大好きです!!!」


「え?おい、美月……?」




「キャー!素敵!!!」


「全校生徒の前で、愛の告白?!!凄い凄い!!」


「おー!!やれやれー!!」




お、おい、ちょっとこれは……。


ど、どうするつもりなんだ?美月?!




「大好きだ!!!秀哉!!!!」


「えっ、ちょっうむっ」




「キャー!!!キス!!キスしてる!!!」


「おー!!!!いいぞ!!!」


「やー、なんかホントお似合いの二人だねー」




ちょ、待て!美月!!!


バッ!!!


力づくで美月を引きはがした。



「お、おい、美月!!不純異性交遊疑われてんのに、なにしうむっ」


「んーーーーーーーーーっ」



ま、またかよ!!!おい!!美月!!!


ち、力つええって!!!


美月!!!




こうして全校集会は、収拾がつかなくなり、教師が解散を指示して、みんな各々の教室に戻っていった。





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