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風紀委員の幼馴染と俺  作者: にやり
5/8

5 川中と美月


昨日、部活が終わって、私が一人で見回りをしていると、昨日の朝、服装を注意した三年生三人が、部室棟の裏で屯していた。


そういえば、風紀委員の三年生から聞いた事がある。


部活を引退して、勉強に集中出来ていない生徒が、制服を着たまま学校外で喫煙をしていると。


それが今では、学校内でも喫煙する様になったらしい。


どの生徒かまではわかっていないらしいが。


もしかして、この連中が……?


声を掛けると、連中は私に暴力を振るおうとした。


その時、秀哉が助けてくれた。


やっぱり秀哉は頼りになる。


昔からそうだ。


私は剣道の腕には多少自信があるが、基本臆病なんだ。


反対に、秀哉は冷静で、いつも私を助けてくれる。


私が秀哉を好きになるのも当然なんだ。


小さい頃から、秀哉に憧れていた。


臆病な私を、いつも励まして引っ張ってくれた。


そんな秀哉から告白されて、断るはずがない。


だけど、私はやっぱり臆病で。


みんなに知られて、私の弱いところを見られるのが怖かった。


秀哉はそんな私の気持ちに気付いたんだろう。


私が付き合っているのを内緒にしようと提案すると、何の迷いもなく了承した。


甘えているな、私は。


わかってはいるんだ、でも……。




「高宮さーーーーん!!川中先輩が呼んでるよーーーー!!」



川中先輩?剣道部の元主将だった人だ。


生徒会長でもある。


何の用だろう?


次の大会の事とかだろうか?



「ふふっ、あとは片付けだけだから、行ってあげなよー」



告白か何かだと勘違いしてるな?



「お前たちが思っているような事ではないと思うぞ?」


「まあまあ、とにかく元主将を待たせちゃまずいでしょ?」


「わかったわかった、行ってくるよ」


「行ってらっしゃーい!」



まったく……。


私には秀哉が居るっていうんだ。


まあ、告白ではないだろうが……。




「やあ、遅かったね、高宮」


「あ、すいません、まだ部活中でしたので」


「ああ、いいんだ。それより大事な話があるんだよ」


「はあ、大事な話、ですか?」


「そうだ。単刀直入に言おう。僕と付き合って欲しい」


「ええ?!!」



ホントに告白だったのか……。


まあ、でも……私には秀哉がいるからな。



「申し訳ないんですけど、お断りします」


「それは……この彼が原因かい?」


「!!!!!!」



これは……私と秀哉が抱き合っている……。


昨日の!!


どうして?


どうして川中先輩がこの写真を?!!!



「あ……そ、それ」


「これかい?これはね?親切な三人組が僕にくれたんだよ」


「は……?な、何故その連中が……?」


「なんでも、君の事が気に入らないって話をしているのを偶然聞いてね?僕は彼らの弱みを知っているんだよ。ちょっとお話したら、この写真をくれたんだ」


「……そうですか。それでその写真が何だっていうんです?」


「強気だねえ。ところで、この彼は君の恋人?それともただの友達?」


「……彼氏です。なので、川中先輩とはお付き合いできません」


「まあ、そう急がずに。で、この彼、佐古君っていったかな?空手、強いんだねえ?」


「な、何が言いたいんですか?」


「今年も全国大会に出て活躍したんだって?凄いね?また大会に出られるといいけどねえ?」


「な、どういうことですか?!!」


「キミも、だよ。風紀委員さん。鬼の風紀委員ともあろう人が、学校でこれはねえ……」


「べ、別にやましい事はしてません!!」


「だとしても、だよ。告発するのが僕だったら、どうかな?」


「!!ぐっ、ひ、卑怯者……」


「堅物だと思われていた鬼の風紀委員が、こんなことしてたらスキャンダルだよねえ?空手部の彼も、庇いきれないんじゃないかな?」


「……どうしろっていうんですか」


「だから、言ってるだろう?僕と付き合ってくれって。君が入部してきてからずっと僕は君の事が好きだったんだ」


「くっ……」


「まあ、今日は彼とよく話し合って決めなよ。断ったらどうなるか、よく考えるといいよ」


「……」


そう言って、川中先輩は去って行った。


あんな人だとは思わなかった……。






「美月!!!!!」



ああ、秀哉……。


秀哉……私はどうすれば……。









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