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ミーヤは隊長に褒められたい!

よろしくお願いします。

 ミーヤはいくつかの魔法部隊を転々としていた。配属された先では、大抵使い物にならないと、雑用ばかりやらされていた。


 家にいた時もドジばかりなので、褒められることが少なかった。

 だから、いつも褒められたいと思っていた。褒められている人が羨ましかった。



 新しい配属先でボスにあった時は、体も大きいし声も大きいので、なんて怖い隊長の元に配属されてしまったのだろうと、怯えた。


 でも、ボスはその見た目に反して、理不尽なことは言わなかった。

 その、きりりとした眉の下にある瞳も実は優しいことに、しばらくしてから気がついた。




 そしてこの新しい部隊での仕事は、何というか、楽だった。


 決して楽な戦況にばかりやられているわけではない。その名の通り激戦区を担当していたし、振られる仕事は鬼のようにあった。でも、自分に合った仕事が振られていると感じた。


 これまでの配属先では、苦手な分野をわけのわからないまま押し付けられて、できなければ怒られる。質問しても怒られる。できていても怒られる。そんな状態だった。


 もはや何が正しいかわからない状態のまま、危険な地域で放置されるものだから、泣きながら、心身共に消耗しながら仕事をこなしていた。


 懸命に取り組まなかったわけではなかった。自分なりに課題を見つけて克服して、部隊に貢献できるよう頑張ったが、次第に空回りだと気が付き、気持ちも沈み、うなだれる日々が続いていた。





 しかし、新しい配属先は、自分の長所を活かせる場所をボスが見つけてくれた。自分でも、周りを見渡す余裕ができてきた。さらに、新しい仕事を自分でも見つけられた。


 他の隊員も、ミーヤと同じようだった。皆自信があり、余裕があり、他の隊員を気遣うことも多かった。


 部隊がうまく回っているのは、ボスのおかげだとミーヤは思った。




 でも、ボスは普段特に何もしない。

 隊が見渡せる場所で、太い腕を組んだまま、目力の強い瞳でみんなを見渡しているだけだった。


「ボス、働いてくださいよ〜、」とよく隊員が軽口を叩いていた。


「お前らを見守るのが俺の仕事だ。」と返すので、

「子守じゃないですか〜。こんな保父さん嫌ですよ。」といわれ、みんなで笑っていた。


 他の部隊では隊長にこんな軽口を言ったら、文字通り殴り飛ばされているので、ミーヤは最初驚いた。隊長はあまり気にしていないようだった。この隊長の人柄のおかげで部隊の雰囲気は朗らかだった。


 でもきっと、何かあったら後ろに控えていてくれる絶対的存在のボスがいるからこそ、隊員たちにこんなに余裕があるということに、皆気がついていた。


 そして、自分に合った仕事内容と、明るい雰囲気のこの部隊に配属されたことをとても幸運だと思うようになった。






 人は欲深いもので、その環境になれてきたミーヤは、ある希望を持つようになった。

 それは、誰かに褒められたい。特に、ボスに褒められたいということだった。


 何をやらせても人より劣り、ずっと怒られてきたミーヤ。

 そのため、自己肯定感が低く、そして承認欲求は強かった。


 そんな自分が、成果を残せる!人の役に立てる!

 そんな状況に置かれたとき、誰かに褒められたいという気持ちがふつふつ湧いてきた。


 そして部隊では、裏方だが出来のいい武器の補給と修復をしてくれるミーヤは、ちゃんと認められていた。時にはちゃんと褒めてもらっていた。


 小柄なミーヤは隊員たちに子供のように頭をグリグリ撫でられるが、それでも嬉しかった。



 でも、ボスはなかなか褒めない。


「うまくできました! 」と敢えて報告に行っても、「おう。」としか言わない。




 ミーヤはボスに褒めてもらうためにとても頑張った。

 いつもの十倍は頑張った。

 いつか、その大きな手で頭をなでてもらいたい。優しい瞳で見つめて欲しい。笑いかけてもらいたい。


 そう思いながら。

読んでいただきありがとうございます。

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