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想いの詩(仮題)

雨の冷たさに

作者: 浮き雲

雨の中を歩くのは好きです。特に、この頃の冷たい雨は格別です。

歩いていると雑念が削ぎ落されて、思考が単純化していきます。そういうときに思う事柄や人が、大切なものなのではなかろうかと思います。




夕べを待たず降りだした 雨が記憶を湿らせて


浮かべる、きみの横顔は 寂しそうでもありました




濡れて歩けば、僕の肩 染み入る秋は冷たくて


浮かべる、きみの泣き顔は いまも近くにありました




日々、踏み拉く落ち葉さえ 濡れれば、足にまといつく


未練が、僕と重なって ふと、おかしくもありました




雨は、幸い風もなく いっそ、静かに降りました


僕は、冷たい雨の気を 深く吸っては吐きました




降りだす雨は、世界から 僕を切り取り、奪います


僕は、世界のつながりを きみの記憶に探します




きみをなくして、現実の 世界は、少し色褪せて


記憶のきみや背景に 負けるようにも思います




雨のリズムは感傷を こころに、いつか刻みます


僕は、何処に生きるかと ふと、柄になく思います




きみの記憶に生きるほど 枯れたわけでもありません


きみの記憶を捨てるほど 生きてみたくもありません




それでも、雨は冷たくて




雨に降られて、行くのなら きみのもとへと思います


暮秋の雨の冷たさに きみを探して迷います。




夏のいろんな匂いを惹起する雨よりも、内側になにも含まない、単純で厳しい初冬の雨が好きです。

ちなみに、暮秋と初冬で迷って、本文中は暮秋に変更し、あとがきには初冬と書きました。

季節の変わり目の中でも、秋から冬のそれは、掴みどころがなく探しにくいように思います。

雪国なら初雪なのでしょうか。ここいらの感覚ですと、初雪の頃は、もう冬の盛りです。

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