殺人ウサギ、疑問を持つ
レッドが戻ってきてから二ヶ月が経った頃に、王様がまた遠征に行くことになった。
今回の遠征は前回よりも長くなるらしいけど、レッドは遠征せずに済むらしいので私は内心飛び跳ねたくなるくらい喜んだ。
「今回の遠征では陛下が長く国を離れることになるから、その分防衛やらなんやらで忙しくなる……だから帰りが遅くなったり帰ってこれない日もある……すまないが、世話をかける」
「それはだいじょうぶ……ところでなんだけど」
「ん? なんだ?」
帰ってこない日があるかもしれないという話にちょっと落ち込みつつも、少し気になったことがあったので聞いて見ることにした。
「王様って、そんなに長く国を離れてだいじょうぶなの?」
「……本当のことを言うと実はそんなに大丈夫じゃないんだが……こればかりは仕方がない。今回の遠征の討伐対象は同盟国に住み着いたドラゴンだ……とても強いドラゴンだから、陛下の聖剣以外では太刀打ちできないんだ」
陛下の聖剣、多分私のお腹を切ったあのすごく綺麗で立派な剣のことなんだろうなと思いつつ、もう一つ聞いてみる。
「ふーん……別の人が聖剣使うのはダメなの?」
「無理だ。あの聖剣は竜の血を引く陛下にしか御せない」
「そうなの? ……ってか王様って、竜の亜人だったの?」
「……結構有名な話なんだが、知らなかったのか」
「うん」
だって王様のこととかどうでも良かったし、だからそんな顔しないでよ。




