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いじめられっ子は英雄になりたい

やっと長かった午前の授業が終わり学生のオアシスである昼休みの時間……俺にとっては地獄だけどな。


姉ちゃん特製の弁当を食べていたら急に頭を捕まれ白ご飯に顔を押し付けられた。周りから失笑、嘲笑が起こる。きたか…


「よォ!俺様が来てやったぜ!早速だが…体育館裏集合な。」


地獄の時間、スタートだ。




◇◆◇




ぐっ…いってぇ……流石にこいつらやりすぎだろ。

さっき食った物が出てきやがった…


「うおっw見ろよこいつ吐いてるぜw」


「きったねぇw」


現在進行形で俺はクラスメイトの佐久間 勇人(さくま ゆうと)兵藤 健二(ひょうどう けんじ)にいじめ、いや痛めつけられている。なんでかって?知らねぇよ。はぁ…なに自問自答してんだか。


「きゃぁ〜きったなぁいw」


「それ以上近づいたら菌が移るわ」


このバカ女ども、胡桃沢 有栖(くるみざわ ありす)神咲 瑠花(かんざき るか)のせいでおちおち考え事もできねぇ…。


自分のことながらこの暴行はいつまで続くんだ?ってかホントになんでこんな事になったんだっけ…




◇◆◇




半年前はよかった。こいつらはみんな新人類ーースキル所有者ーーでこんな俺も実は新人類。まだスキル未発現だけど。


こいつらは同じ新人類同士でつるむために俺もグループに入れようと思ったんだろうな。まぁよかったのもホントに最初だけ。悲劇の始まりはそれからたったの1週間後だった。


「はぁ?スキル未発現?なんだよそれ…」


「てかキモイと思ってたんだよねぇ。なにそれコミュ障ってやつ?w」


目に見えて露骨に態度が変わった。男性陣が豹変したのに対し、女性陣はまだマシだった。でも日に日に態度は変わっていき最後はあのざま。


今じゃパシリは当たり前。当然のように俺の金を使われる。最近は昼休みに殴る蹴るの暴行も始めやがった。


しかも俺がオタクということがバレて今ではクラスも巻き込んでの笑いもの。オタクの何が悪い!コミュ障で何が悪い!


はぁ…何が悪かったのかなぁ…


俺みたいなやつは…英雄になれねぇのかなぁ…




◇◆◇




なんて痛みを紛らわすように昔のことを思い出していたらいきなり信じられないことを言いはじめた。


「オレらはなぁダンジョン探索者の資格を得たんだよ!てなわけで初ダンジョン探索にお前も荷物持ちとして!ついてこいよなぁ!!」


冗談じゃない!確かに一般人でもダンジョンには入れるけど、ただの高校生の俺が入るなんて!もし何かあったら…!俺が抗議を言う前に佐久間達が被せる。


「アァん!?ついてこないわけないよなぁ!?友達だもんなぁ!!てか俺がいるのに危険なわけねぇだろぉがよぉ!!」


「今日の放課後に校門前で集合よ。せいぜい逃げないように」


「逃げたら逃げたで笑いものだぜぇ!ぎゃははは!」


「ほんとにありそうだからうけるぅ〜w」


そしてあいつらは言いたいことやりたいことやってスッキリしたのか立ち去っていった。


…どうしよう。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 一見、また鈍感系の主人公かなと思いましたが、欲望に忠実で良いかとw 閑話でいじめてた女の子の話はじまってますが、勘違いしてたとしても、手のひら返しが酷いので、ちょっと妹に攻められるぐらいは…
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