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プロローグ

20××年、日本列島に俗に言う、ダンジョンが出現したことが確認された。


日本政府はすぐさま自衛隊をダンジョンに向けて出動させた。そこで日本政府は驚愕する。なぜならダンジョン内部には日本どころかこの世界中さがしてもいないような化け物が当たり前のように闊歩していたからだ。


見たこともない生物達に戸惑いながらも最初は対話を試みようとして、人型の蛮族のような格好をした生物におそるおそる声をかけようとした。


しかしそれが無意味だとすぐに気付かされた。相手は対話どころかこちらを見た瞬間襲いかかってきた。それも知性のかけらも感じさせないおぞましい叫び声とともに。


突然の強襲にざわついていた現場は一瞬で凍りつく。なんの躊躇いもなく目の前で仲間が殺されたからだ。そこからは早かった。様子見のつもりできた自衛隊の先行部隊は最低限の装備しかしていない。次々と仲間が殺されていく中で次は自分かと皆が思った。全員が我先にと逃げ出そうとする。阿鼻叫喚の地獄絵図。なんとか命からがら逃げ帰った数人が説明した地獄は日本政府を震撼させた。


日本政府は今度こそ持てる力全てを使いダンジョンを攻めた。流石に全力を出した自衛隊は強かった。注意せよと言われた化け物は現代の武器を使うとあっさりと殺せた。そのため意外と楽勝だとそこで気を弛めてしまった。そうこの先のさらなる地獄を知らずに。


小休憩を取った自衛隊はさらに奥へ奥へと暗い洞窟のような場所を進んでいく。皆がなんだこの程度かと思い始めていたとき、異変は起きた。突然呻き出す者がちらほら現れだした。しかもまた新しい魔物が目の前から出現した。硬そうな甲羅を背負った亀のような人型の魔物。自衛隊は銃を打ってみたが甲羅で弾かれる。攻撃は通らず、増え続ける負傷者。それから数十分。部隊は全滅していた。


いつまでも帰ってこない自衛隊に日本政府は全滅したことを悟る。全軍を持っても倒せないという事実に頭を悩ませ続ける。その約半年後。日本国民に異変が現れ始めた。突然手から火が出せた、水が出たなどの報告が相次ぐ。そう。これこそがダンジョンが与えた一つ目の恩恵『職業(ジョブ)』。これには諸説あるがダンジョンから流れ出た力の奔流ーー魔素が人間に流れていったとする説が有力である。そしてこの力は子孫にも発現することが分かった。力は受け継がれる場合もあれば親とは全然違う職業が手に入ることもある。


職業は約6人に1人が所持している。職業の1人あたりの所有数は基本1人ひとつだがごく稀に2つ持ちがいる。そして2つ目の恩恵はダンジョン自体だ。ダンジョンは危険だが魔物の素材や、ボスと名付けられた魔物が落とすドロップ品やたまに置かれてある宝箱などからは空想上の産物としか言いようがないような物が入っている。これは5人の職業所有者がチームを組んでダンジョンに潜り証明されたことだ。


そして日本政府は探索者組合(ギルド)という施設を日本各地に作った。そこでダンジョン探索できるだけの力があると認められると公式の資格を得ることができる。メリットは死んでしまった時に遺族にお金が入ること、施設に売ってある探索に必要な物を買えること、そしてダンジョンで得た物を任意で売ることができる。ちなみに資格を得られなくてもダンジョンには入れる。資格が無い者はメリットが得られないことと死んでも自己責任ということだ。


このようにダンジョンを取り巻く問題が安定してきて、もはや商売の一つになるような時代で青春を謳歌する年齢に差し掛かったこの物語の主人公、時任 空斗(ときとう あきと)は有り体に言って、いじめられていた。





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