25話 死
「本気ならこれくらい対処してくれよ!」
奴が血弾を大量に飛ばしながら距離を詰め血で赤黒く染まった拳で殴りかかってくる。
俺は血弾を全て最低限の動きで避け、拳が当たるギリギリで腕ごと剣で切り落とした。
「ぐあ!?」
怯んだ隙に奴の肩を剣で突き刺し、頬を裏拳で殴打し腹を思い切り蹴ろうとするも左腕で防がれる。だがそこから更に足に力を込めて奴を吹き飛ばす。
そして俺は追撃で生成した大量の武器を全て最高速で飛ばす。
「ぐっ、この!」
奴はその大半を血刃や血弾で破壊する、しかし破壊された武器の破片は全て拳銃に姿を変え奴を蜂の巣にする。
「ぐあああっ!!」
「ふっ!」
俺は蜂の巣になった奴を壁まで殴り飛ばし肩に突き刺さった剣を爆散させた。また奴は観客の血を使い再生する。
「おいおい強すぎだろ!て言うか良いのか?このまま俺を傷付ければ観客がどんどん死ぬぞ。」
「知るか、観客が全員死ねばお前はもう回復しなくなるだろ?」
「!?...くっくっくっ、なるほど、お前も俺と一緒で性根が完全に腐りきってる訳だ!なら、俺も本気でいこうかな!!」
奴の魔力出力が上がり、高速で距離を詰め殴りかかってくる、それを俺は腕でガードするが凄まじい衝撃によろめく、力を込めて振り払おうとすると腕に激痛が走る。
「っ!?」
急いで距離を取り、腕を見ると血刃が2本刺さっていた。
奴が大量の血弾を飛ばしながら近付いてくる、俺は刺さっている血刃を破壊し血弾を避けながら距離を詰め奴の首目掛けて斬りかかる、が当然避けられる。
「何回同じ動きすんだよ?!」
「お前が死ぬまでだが?」
俺は奴が剣を避けたところで体を捻り頭を蹴り地面に叩き付ける。そのまま足を振り上げ奴の頭を潰そうとするがギリギリのところで足を掴まれる。
「くっ!」
奴は俺の足を掴んだまま高く飛び上がり、地面目掛けて俺を投げつけ視界が埋まる程の血弾や血刃を空中から飛ばしてくる。
俺はそれを当たりそうなものだけ風の刃で破壊したが...。
(ヤバい、ミスった。)
魔力の温存の為に破壊しなかった血刃や血弾が強固な鎖に形を変え俺の手足を縛り付ける。しかも鎖の内側からトゲが生えてきて俺の手足を貫くし、魔力を上手く放出出来ん。
「ぐっ...う。」
「さて、楽しかったけどこれ以上何かされても面倒だ、じゃあな。」
奴は大量の観客の血を使い、巨大な槍に作りそれを飛ばしてくる。
(このままだと死ぬな、どうするか?)
俺は槍が当たる直前で肉体全体の強化を解きその魔力を右腕に集中させ右の鎖だけ引きちぎり槍を殴り破壊する、すると凄まじい量の血が会場に撒き散らされる。
そしてその血の中から飛び出してきた俺を奴は血液と魔力で強化した腕で貫き殺す、という「一瞬の幻覚」を見せ俺は全ての鎖を手足が千切れそうになりながら無理矢理破壊し奴の背後に瞬間移動して強化している右手に剣を生成し奴を貫く。
「がはっ!?」
「死ねっ。」
更に剣の刀身から大量の刃を生やし奴を内側から串刺しにし剣ごと地面に投げつけそれが地面に衝突するより先に大量の雷や炎で追撃し最後に魔力の奔流を照射する。
「はぁはぁふぅ、...よし。」
俺は地上に降り最早原型すら残っているか解らないであろう奴を確認しようとするが...。
「は?」
「あーーーもう解った。」
全身の皮膚は爛れ腕は皮一枚で繋がっている奴が起き上がってきた。
「こうすりゃいいんだろ!?こうすりゃよう!!」
奴は今生き残っている全ての観客から血を吸収し全回復した、...だけならよかったのだが。
「おーやってみるもんだな、力がめちゃくちゃ漲ってくる、さて、どうする?元々強いのに最強になっちまった訳だが。」
かなりまずい。
(今の俺では恐らく...っ!?)
奴があり得ない程の速度で近づき殴りかかってくる。
俺はギリギリで反応し右腕で防ぐが骨が簡単に折れて足が少し地面に沈む。
「あーオモロイ!!なぁ!!!」
奴の蹴りが腹に直撃する。
「がっ...あ。」
俺は血を吐きながら飛ばされ壁を何枚か突き破り選手の控え室のようなところでようやく着地する。
奴がまた距離を詰めてくる、俺も敢えて奴に突っ込み、接触直前で体勢を下げ、足を払い転倒させ大斧を生成し本気で振り下ろすが右腕で防がれる、ここまでは想定していたが...。
奴は腕から少し出血しただけで全く決定打になっていない。
「おいおい、もっと本気でこいよ!!」
奴は俺の腕を掴み床に叩き付けた。
(あっこれは。)
俺は腕を掴んだまま顔を踏まれ腕を引きちぎられ顔を踏み潰され.................死んだ。




