23話 裏闘技場 後編
奴はナイフを持って素早く距離を詰め斬りつけてくる。
「付き合ってられるか。」
俺はそれを手で弾き、奴の顎目掛けてハイキックをくらわせ顎を削り取る。
奴は倒れ俺は剣を生成し奴の顔面を突き刺す。
(よし、死んだ。)
「おい、終わったぞ降りてこい。」
俺は本命の転生者に呼び掛ける。
「いや、まだ終わってませんよ。」
奴がニヤリと笑う。
「なに?」
後ろを振り向くと今殺したはずの男が飛び掛かり殴ってきた。
「!?ちっ。」
咄嗟に腕で防ぐが思ったより強く少しよろめく、奴はその隙を逃さずナイフで突き刺してきた、俺はすぐに体勢を立て直しそれを横に避けてそのまま背後に回り背中を蹴飛ばす。
奴は勢い良く壁まで飛んでいきそのまま叩き付けられた。
だが奴は倒れずそのまま着地した。
奴の顔を確認すると削れた顎や貫通した跡が無くなっていた。
(再生するタイプか、少々面倒だがこのままいけば...。)
「なるほど、やはり今のままでは反応すら出来んか、ならば。」
「ん?」
奴は何かの血が入った注射器を取り出し自分の首に刺してそれを注入し始めた。
すると奴の魔力が急激に上昇し何か混じった様な気配に変わる。
「...これは。」
「これか?そうだな、これはうちのボスの能力の一部でこの血は「闘技場の破壊者」の物だ。もう少し色々混ざってるがこれ以上教える道理はねぇな。」
「あぁそう、なら本人に直接聞くことにする。」
「そんな機会はこない、何故なら今ここで死ぬからだ!!」
奴は高速で距離を詰めてナイフで斬りつけてきた、俺はそれが当たるより先に顔面を殴ろうとするがしゃがんで回避され腹をナイフで突き刺してくる。
俺は自分の腕に魔力を込め奴のナイフを持っている方の腕を掴み捻切りながら地面に叩き付け、バウンドしたところで顔面を蹴る。
奴の首から上は潰れ奴はもう一度倒れた。
俺は少し倒れたやつを観察した。
(さて、どういう感じだ?)
奴は頭を再生させて起き上がった。
(なるほど。)
「いってえ、だがこのペースだと俺は一生倒せんぞ。」
「いや、次倒れたら今度こそお前は確実に死ぬ。」
「面白い冗談だ、どうやって俺を殺すつもりだ?殺ってみろ!」
「これ程の自信、お前その能力の致命的な弱点を知らないか突かれたこと無いだろ。まぁあくまで俺視点の話だが。」
奴はもう一度注射器を取り出し首にさして注入して奴はさらにスピードを上げ距離を詰め殴りかかってきた。
俺はそれを腕で受け止めるが流石に重く骨に響く。
「ぐっ。」
「まだまだぁ!!」
俺は奴の攻撃を避けたり受け流したりした後、わざとよろめく、奴はそれを逃さず本気で蹴りを入れてきた。
俺はそれを魔力で強化した掌で受け止め手の中で爆発させた 。
「があっ!」
苦悶の声を上げ脚を失った奴はバランスを崩し倒れそうになる、俺は倒れるより速く後頭部を踵落としで砕いた。
当然奴は動かなくなった。
「よし。」
俺は潰れた首の断面に毒に付与したナイフを突き刺し再生を阻害し、首を掴み持ち上げて魔力を集中させた。
「終わりだ。」
俺は魔力の奔流を柱状に作り出し奴を完全に消し飛ばした。
奴の再生の弱点はどこを破壊されても死なないが、破壊された部位の機能は再生するまで失われること、あとついでに痛覚は普通にある。なので俺は頭を潰し意識を再生するまでは失わせ、毒ナイフを傷口に突き刺し十分な余裕を持って奴を消し飛ばした。
(まぁそれに早く気付いていればもう少し楽だったんだが。)
「おい、今度こそ降りてきて貰うぞ。」
「...素晴らしい、これは極上の血が取れそうだ!」
奴は椅子から立ち上がり結界を出てリングに飛び降りてきた。
俺は奴が結界から出た瞬間、剣を生成し奴の首目掛けて斬りかかる。
だが奴の手首から血が勢い良く出て剣の形になり弾かれた。
「ちっ。」
「なるほど、そうくるか。」
奴はさっきまでの調子に乗った表情から余裕がありなおかつ隙の無い表情に変わり口調も変わり話しかけてきた。
「おいおい、せめて合図してから斬りかかってこいよ。」
「さっきまでのふざけた口調はどうした。」
「あれはまぁ、いわゆるビジネスだ、こういう表裏のある主催兼チャンピオンみたいなの皆好きだろ、まぁいいや、やるんだろ?今から死ぬんだ先に言い残しておきたいことでもあるか?」
「死ぬ気は無いがひとつ質問がある。」
「ほぅ。」
「あの血の「闘技場の破壊者」以外の血は誰のだ?」
「あぁそんな事かあれはな...「闘技場の破壊者」の元仲間の物だ。」




