22話 裏闘技場 前編
「え?おっさん?」
顔を上げて声のする方を見るとそこには受付のおっさんではなく、赤黒い髪をした男が豪華な椅子に座っていた。
「いや、あれは...。」
回収対象の能力を持っている転生者だ。
(交渉するのも面倒だ...。)
男が口を開く。
「早速ですがあなたには...。」
俺は話を無視して斧を生成し高速で飛び上がり、奴目掛けて振り下ろす...が。あまりにも硬い結界で弾かれた。
「ちっ。」
「皆様ご安心ください。観客席周辺は結界で守られているので絶対安全です!さて、気を取り直して、今からあなたにはリングに入ってきた人全てを殺してもらいます!以上です、頑張って下さい!!」
男が言い終えると殺気立って武器を持った大量の人がリングに入って襲いかかってきた。
(なるほど、どっちにしても殺さないと奴と接触すら出来ないだろう、殺さないとように手加減しなくていい分楽だ)
「...100人くらいか。」
俺は剣を2本生成し集団の前まで走っていった。
「いくら強くても一斉にかかればあいつは何も出来ないはずだ。殺せー!!」
まず何人かの敵が走ってきた。
(武器は、槍、斧、剣、金属棒...まあ問題はない。)
俺は立ち止まりわざと囲まれた。
すると斧と剣が両端から同時に斬りかかってくる、それを俺は少しジャンプして回避し槍を持っている方の顔目掛けて剣を突き刺しそのまま死体を斧と剣を持っている方に投げてぶつけ、怯ました隙に高速で近づき一気に切り裂いた。
金属棒を持った奴が襲いかかってくる、俺は奴の足を払い倒れ込む寸前に、飛んできた数本のボウガンのボルトを姿勢を低くして回避してそのまま腹を切った。
(まだまだいるな。めんどくさい、時間もあんまり無いし。)
「気にするな!!一斉にかかれ!!こいつを殺せば大金が手に入るんだぞ!!!」
後ろの方から聞こえた声に合わせて近接武器を持った奴は一斉にかかってきた。俺は武器を回避しながら集団の中心に行き魔力を少し貯めて...。
「ふん。」
自分を中心に広範囲低威力の魔力を爆発させた。
(これで全滅かな。...ん?)
「うっ...ぐぅ...。」
(生き残りがいたか。)
息も絶え絶えで片腕が無くなり地面に這いつくばっている。
「嫌 だ...死にたく ない...やめて くれ。」
俺は生き残りの頭に剣を突き刺した。会場が少しざわめく。
「おめでとうございます!では次からは一人ずつです。どうやらこの方はあなたに会いたかったらしいですよ。」
一人リングに入ってきた。
「こいつは...。」
闘技場で最初に戦った氷使いの女性だこんなことにいたのか...だが、様子がおかしい。
「本気で 戦え 殺す お前を。」
(狂った?いや、にしてはしっかり剣を構えている...まあいいか。)
女性は氷塊を大量に飛ばしてそれと一緒に走ってきた。
俺は氷塊を全て避けて高速で近づき女性の腕を掴もうとするが後方に避けられる。
(どうゆう訳か知らんが闘技場で戦った時より格段に魔力量が増えて身体能力が上がっている、だが。)
俺はまた高速で近づき顔を掴み、地面に思い切り叩き付けて首から上を粉砕した。
「ほら、叩き付けてやったぞ。」
会場のざわめきが大きくなり自然と何言ってるか聞き取れるようになる。
「なんだあいつ...。」
「女をあんな残酷に殺せるのか...。」
「さすがベジタボーだ!このくらい余裕だろ!」
「屑だ...。」
「人間じゃない...。」
なんか聞いたことある声が聞こえたけどまあいいか。
「で、まだ続くんだ?いつになったらお前と戦えるんだ。」
「次の相手を殺せたらです。次のこの方は私のとっておきです、正直それまでの者には期待してなかったので...。」
おそらく奴が言うには最後の敵がリングに入ってきた。
「...お前は。」
「よう、久しぶりだな一週間前のクエスト以来か?」
あの時俺のクエストを邪魔してきた奴だ。顔まで気にして見てなかったが...。
「転生者。」
回収対象では無いからあまり強くはないはずだが、さっきの戦いのこともあるし...。
「さて、始めようか。」
俺は危険を感じ身構えた。




