17話 ルスカ 後編
「くっ!」
「ほらほら、避けてばかりじゃオレに攻撃できないぞ!!」
ルスカの連撃をなんとか紙一重で避けていくが、ルスカの言う通り回避ばかりでは攻撃できないし、なんなら攻撃する隙がない。
(なら...。)
「おらぁ!」
俺はルスカの連撃を大きく距離を取りながら回避し小さめの爆弾を大量に生成し投げつけた。
「食らうわけないだろ!!」
案の定ルスカは爆弾の爆発を回避することなく全て受ける、
当然、爆発でルスカがダメージをくらわないことは分かっている。
「だが。」
「!!」
爆発によって生じた炎の全ては槍のように尖り、ルスカに襲いかかる。それと同時に俺はルスカを何重にも重ねた結界で閉じ込めた。
「ん?」
「ここ。」
ルスカと結界にぶつかり続けた大量の炎の槍は結界の魔力を吸収し破壊力を増してルスカに命中する。
ルスカに命中しなかった炎の槍は地面に直撃し爆発し瓦礫を巻き上げる。
「なるほど、お前はそういえば使える物は何でも使うんだったな。」
「まぁ、そうしないと絶対勝てないからな。」
俺は瓦礫を自分の周りに魔力を込めて浮遊させる。そしてそれをルスカに向けて放つ。
「芸のない奴だ。」
ルスカは瓦礫を砕こうと殴ろうとするが、俺は瓦礫を操作しルスカの後頭部にぶつける。ルスカはほんの少しバランスを崩し、それと同時に砕けた瓦礫はルスカの目に纏わりつく。
「うわっ!?」
「ふん!」
俺はルスカの顎を掬い上げ地面に叩き付ける。そのまま大斧を生成してルスカの腹に振り下ろした。
「まぁ食らわんよな。」
大斧はルスカに直撃した。俺はそのまま地面に叩き付けずルスカごと大斧を投げ飛ばす、ルスカは場外に出るより先に斧を掴み俺に投げ返してきた。俺はそれを蹴り壊す。
ルスカは何事もない様に歩いて来た。
「そういえばルーク、「あれ」は使わないのか?」
「「あれ」は周りへの被害がでかいから使えない。」
「そっか、「あれ」使えばもっと楽しめるのに...なっ!」
ルスカは今までより素早く距離を詰めて殴りかかってくる。俺はそれを回避して剣を生成して反撃しようとするが。ルスカは剣を持っている方の腕を掴んできた。
「くそっ!」
俺はなんとか抜け出そうとするが、あり得ない位の力で掴まれているせいでびくともしない。...そして。
「ほい!」
俺はぼろ雑巾のように何度も地面に叩き付けられる。
「がっ...ぐっ。」
意識が消えそうになる。
(まず..い。)
俺は意識が消えるギリギリの所で体を一瞬だけ透過させて抜け出した。
「くっ、うっ、...殺す気か。」
「いやいや、お前その程度じゃ死なないだろ。」
俺はぼろぼろになった体を治しながら、ルスカに一つ提案した。
「ルスカ、このままやったらお前が100パーセント勝つ、でもそれじゃあお前も面白くないだろ?」
「まあな、確かにこれじゃあスリルが足りないな。」
「だろ?だから一つ頼みがある。」
「なんだ?」
「一発だけ、完全無防備で俺の攻撃を食らってほしい。「とっておき」があるんだ。」
「そんな事か、ならいいぞ。こい!!」
俺はさっき生成した巨大なハンマーをもう一度造り出し、腕と脚に込められるだけの魔力を込める。
(チャンスは一度、これを逃せば敗けだ。)
俺は完全棒立ちのルスカに向けてハンマーを薙ぎ払うようにフルスイングした。ハンマーが直撃したルスカは場外付近まで飛ばされる。
「うおっとっと、よし!一発だっ...え?」
俺はルスカに向けてハンマーを思い切り投げつけた、ルスカはハンマーを受け止め。だがその反動で場外ギリギリまでのけ反る。
ルスカがハンマーを退けた時、ハンマーの後ろから俺が顔に跳び蹴りを食らわせた。
「なに!?」
ルスカがこれまでに無いほど大きく体勢を崩す、俺はルスカの顎を下拳でから突き上げ、浮いた所で魔力を脚に集中させルスカの顔面を蹴りそのまま場外に叩き付けた。
「し...勝負あり!!!!」
審判の声が会場に響き渡った。
俺は魔力の使いすぎでふらつき地面に膝を付く。
それと同時にルスカが起き上がる、もちろん無傷で。
「いやー、負けたか。ははは!」
ルスカが満足げに笑いながら魔法で転送された。
俺は控え室でルスカとの戦いを思い返していた。
(今回はほぼ非の打ち所がない位の最適解を打ち続けたが、相変わらず異常だな。まともにやりあったら絶対勝てなかった。)
「「あれ」を使ってもよかったかもしれんな。」
(まぁ「あれ」を使ったところでルスカに効くかは分からんが。)
俺は気持ちを切り替えて、体を休めながら決勝に備えることにした。




