10話 クエスト
「...。」
俺は塔がある方とは逆の方角にある森に来ていた。
「それにしても...。」
俺や冒険者みたいな戦えるやつなら比較的危険は少ないが、魔物が出るからなー、フリークエストにするには危険過ぎではないだろうか。
「...まあいいけど。」
とか考えながら森を歩いていると。
「ん...。」
人型の魔物、いわゆるゴブリンが草むらから5匹くらい姿を表して俺を囲んできた。
明らかに敵意を向けられてるな、めっちゃ威嚇してくるし。
ゴブリンを観察していると、まず1匹が後ろから掴みかかってきた。恐らく俺を捕まえている間に残りの奴らでぼこぼこにするつもりだろう。
...だが。俺はギリギリの間合いまで振り返らず、あと少しで掴まれる所で体を捻りゴブリンの首に回し蹴りを食らわした。するとゴブリンの首が折れる音と共に頭が取れて地面に落ちた。
それを見た他のゴブリンはひどく動揺した様子だったが、すぐに持ち直し戦おうとしていた。
...が、これ以上戦うのは面倒なので。俺は殺意満天の顔で思い切り睨み付けた。するとゴブリンたちは勝ち目がないと思ったのか慌てて森の奥に方に逃げていった。
さて、結構奥の方に来たと思うが、ここで一旦その薬草がどんなやつか確認しておくか。といってもそのほとんどが俺が普段から結構目にする物なので、1つを除いてそこら辺に生えてた。が、その1つがなかなか見つからない。もっと奥にあるのか?
あれから30分くらい森を歩いてかなり奥まで来た。魔物との戦闘も結構あり正直めんどくさくなってきた。そもそも見た目からして、わりとどこにでもありそうだからな。...なんならそこら辺から適当に草採って渡してもばれないんじゃないだろうか?とかふざけたこと考えていると...。
「...あ。」
あった。本当にそこら辺に生えてた。
よしよし、やっと戻れる。確か根っこは毒があるから茎から上を刈り取る感じで、これでよし。
「帰るか。」
と、来た方を引き返そうとした時。
「!!。」
突然木の上からナイフを持った男が俺を目掛けて突き立てるように落ちてきた。俺はそれをかわし距離を取った。
「何者だ。」
「お前、闘技場に参加するやつだよな。」
「答えになってない、何者だ。」
「俺も参加者なんだ。だが、開催まであと1週間あるだろ?待ちきれなくてな。」
「くだらん嘘つくな。なら何故不意打ちをした?本当は1人でも潰して自分が優勝しやすくする為だろ?」
「...。」
やつは無言でナイフを構えた。...図星か。
まあ恐らく着けて来たんだろう。これまでの戦闘を見て向かって来ると言うことは、よほどの馬鹿かそこそこ出来るのかだろう。
俺は素手で迎え撃つように構えた。




