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石投げて異世界最強  作者: 胃腸炎P
1/2

こんなスキルに負けて悔しくないの?

 気が付けば、俺はツルハシを握っていた。体はへとへとでもうツルハシを持ち上げることすらできない。

「休憩にしようや、監視もこの時間には来やしねえ。それに何もとれりゃしねえよ、こんな洞窟じゃ」

 自分を加えて三人。そこで作業をしていたようだった。ドワーフが一人、ゴブリンが一人。

 目をこすってもう一度見てみる。そこにいた。120cmの人間くらいなら見かけたことはある。でも目の前には緑の肌で歯がとがっていて、鼻が長くて、髪がなくてーー。 

 俺はそこで意識をなくした。


 夢に出てきたのはいつかの記憶。あの日はキャッチボールをしていた。学校が終わって受験勉強に嫌気がさした連中で、集まってた。

 みんなグれた顔しててだらだらしてた。そんな中、俺はマンガで見た変化球を試したくて、いつもと違う握りで投げてた。

 その投球がどんなに飛んで行ったのか誰も見ていなかった。とりあえずボールを探すこととなって、茂みに入ったがそこから先はよく覚えていない。


 意識が急にはっきりした。水をかけられたのだ。

「おめえ、なにぐったりしてんだよお」

 今度は豚が二足歩行だ。オークってやつか。ピンクっぽい肌に肥満体系、おまけに股間が盛り上がって、酸っぱい汗の匂いをさせている。

 意識がはっきりして状況がわかってきた。

 俺は洞窟を掘るように命じられていて、どうやらここを仕切っている豚に叱られているようだ。

 「なんとかいでよお、ふうっぐ」

 周囲にある者は、ふるびたツルハシに、石ころばかりの箱、掘ってきた洞窟も石の壁にぶちあたったらしい。何もでる気配はなさそうだ。

 「どこみてんだよお、ふっぐ」

 空気がうすくて、じめじめしている。これは変なものが見えていなくても意識が飛びそうなものだ。ホコリもすごい。ここまで労働環境が悪いなら他の仕事をしたいものである。

 「水ぶっかけるブラックぶりだもんな」

 「はなしぃ、ぎげってんだよお」

 《脳なしパンチLv1 発動》

 次の瞬間、俺の体は土と石でできた壁に吹き飛ばされた。

 「かっは」

 ふらふらと体を起こす。何が起こったのかよくわからない。

 そこに親切か、スマホの画面みたいな、説明書きが区中に表示された。

 「《脳なしパンチ》頭の悪さからくりだす迷いないパンチ。初動C、威力D」

 …いや、そんな説明されてもわかんねえし。いてえし。オークの顔なんか目がぱっちりしてて、やたらきめえし。

 「チッ殺す」

 そこに転がっているツルハシを豚に振り下ろにいく。

 しかし、豚は距離を詰めてきた。俺の振り下ろしたツルハシの木の部分を腕で受け止める。

 俺は届かないツルハシの先を見て、何が起こったのかポカーンとしていた矢先、下から衝撃が走った。

豚のアッパーだった。機敏なフットワーク。

 《重心歩》体重があれば習得可。短距離移動術D。《脳なしパンチ》。

 「このやろう」

 頭にきたが、これをどうにかできそうもない。

 ツルハシは折れてしまった。うでっぷしにも自信がないし、体も細い。

 「クソが」

 石ころの入った箱にひっかかってさらにこけた。

 もう石を投げるくらいしか方法はないのか。

 「ふっげえ、おまえ、おでのいうごとぎがねえから、さげげ」

 豚が洞窟の奥まで吹き飛ばされた、俺のところまで近寄ってくる。

 俺が口から血が垂れて、肩と背中ジンジンと痛い。

 ただ、どうせやるならと俺は姿勢を正した。

 俺、高校球児だったし。高校ではエースだったし。地区大会初戦敗退ですけど。

 《重心歩》発動。

 カウンター《手投擲石:ストレート》。

 「ふげえぇ、ふげえぇ!!」

 石は豚の頭をかすって飛んで行った。豚は噴出した血にあわてている。

 「ケンカもしたことねえのかこいつは、よ」

 続けて何度も石を投げ続ける。脂肪が多いからか、なかなか大きなダメージを与えられてはいないものの、豚は泣き声を続けてのたうち回る。

 「ふぴぎい、おぼえでろよお」

 泣きわめきながら豚が走っていく。俺はそこに崩れ落ちてまた眠った。

処女作になります。投稿ペースは不定期です。小説書くリハビリみたいなものなので、構想とかも甘くて、、、。ちょっとでもおもしろいって思ってもらえたらうれしいです。

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