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晴明、異世界に転生させられる
その部屋は何も無いどころか物で溢れかえっていた、床や棚には足の踏み場、手の置き場すら無いほど本や各種の武器や謎の液体が入った瓶が所狭しとと並んでいた。
そんな部屋の中心にお世辞にもきれいとは言えない仮着ぬを纏い無造作に伸ばした髪を後で纏めた1人の青年が、二冊の本を広げながらペンを走らせていた。
室内にはペンの音と青年の呼吸音だけが聞こえていたが突如その音を掻き消すようなノック音と大声が聞こえてきた。
「おい、晴明よそろそろ出てこんかい!?」
「そうじゃよお主いったい何百年とじ込もっとる気じゃあ」
「そうよ、それは私の十八番よ!!」
「いや、それはどうなのよ?」