7軒目:誰か正しい番頭のやり方を教えてやってくれ。
タイトルに(切実)って付けたかったです。七話です。
※注意,注釈
・本編でキャラクターが歩きスマホをしておりますが、歩きスマホは危険です。自分一人の被害で済むなら幾らでもやっていいので、人に迷惑をかけない程度に留めましょう。
・本編で登場する『ロボット三原則』とはアイザック・アシモフさんが著作の中で提示したロボットを人間が制御するための法則的なヤツです。詳しいことは作者もわかんないんで省きますが、
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはいけない。また、人間に危害が加わっているのを静観してはならない。
第二条:ロボットは第一条に違反しない限りで人間の命令に従わなくてはならない。
第三条:ロボットは第一条、第二条に違反しない限りで自らを護らなくてはならない。
みたいなヤツです多分。まあ、間違ってたら親切な方が感想欄で訂正してくれるかも……?
H29.7.16:本文を修正させて頂きました。
H29.12.9:本文を修正させて頂きました。
H29.12.17:本文を修正させて頂きました。
某年六月二日
段々と景色を黒く染めていく夕暮れの中、銀髪ロボと銭湯に向かいながら僕は一人頭を悩ませていた。
Q.有須川 恵曰く、仙台 零人が行っているという『善人を演じるフリをする』という行動とは一体何でしょう。仙台 零人が理解できるよう説明しなさい。
A.全くもって理解りません。
わかるかぁ! 何だこの超難問!?
有須川さんは人の真理を突くのが上手い。それで事実を言いまくっては人を混乱に陥れる人だ。……尤も、彼女にそんな気は全く無いのだが。だからこそ彼女は悪質だ。
話が少し脱線したが、要するに今回の有須川さんの言葉も恐らくは何らかの意味があって、それは間違ってはいないのだろうと思う。まあ、その意味が全然理解らないのだが。
……落ち着いて考えてみよう。『善人』というのは、今の僕の性格のことだろう。
で、『演じるフリをする』? この部分が全く理解できない。このキャラは『演じている』のであって、『演じるフリ』をしているわけでは無いと思うのだが……
駄目だな、やっぱりこういう読解とかそういうものは苦手だ。答えが不確定な部分が多いし、決まった正答例というものが無い。
考えるのは、苦手だ。
……止めた! 今考えても碌な答えが出ない気がする。
問題を先送りにするのはあまり気持ちの良い事じゃないけども、間違うよりマシだ。先送りにして解決できるのならその方が良い……と、思う。
少なくとも今は目の前の問題と向き合おう。そう思い僕は隣を歩きながらスマホゲームをしているシロに声を掛ける。
「……歩きスマホは良くないよ。」
「大丈夫です、トラック位なら吹き飛ばせます。」
ゲームに集中しているのか、シロは画面から目を話さずに片手間に答えてきた。
「凄いね!? ……いや吹き飛ばしたら駄目だからね!?」
何でぶつかる前提なんだ……
シロは僕のツッコミを聞くとスマホこら目を外してこちらを向き、ヤレヤレといった風に大袈裟に首を振った。え、何で僕が聞き分けのない子供みたいな感じになってるの?
「仕方ないですね、私の『第三の眼』を使うとしましょう。」
「……厨二病?」
「違います。……何故私を可哀想な子を眺めるような目で見てるんでしょうか? キレますよ?」
それはご勘弁だ、暴力はいけない。……今更だけど何でロボット三原則がプログラムに入ってないんだ……
「……コレですよ。」
そう言ってシロは、自分の前髪を右手でかきあげた。
白い額、その中央部には直径一・五センチ程度のカメラが取り付けてあった。
……何でそんな所に付いてるの? そして君の人間味がどんどん薄れていくね。いや、人間味なんて最初から有って無いような物だけどさぁ……
「まあ、前髪に隠れている上にカメラの精度が低いので使い道ゼロですが。」
「意味ないねぇ!? そして、何で今出したの!?」
「変態さんの顔を見たら存在を思い出しました。」
「それは僕が役に立たないって言いたいのかな!?」
「失礼、変態さんは役に立たないのではなく害を与えてくるのでより悪質でしたね。」
「酷っ!?」
悪びれもなく言ってくる所が地味に精神を削ってくるよ……何で僕はロボに詰られてるの?
と、溜め息を吐いていたら目的地に着いたみたいだ。
僕は結露して濡れている銭湯の扉に手を掛け……『結露』?
結露:夏場に冷たい飲み物を入れたコップの表面に水が付いたり、冬場に窓に水滴が付いてたりするアレ。
つまり、この扉の中はそこそこ冷えているという事だ。
昼間は二九度というそこそこの気温だったが、今は二度位は下がっている。それなのに扉は雨が当たったかのようにびしょ濡れ……
帰っていいかな? 面倒事の予感しかしないんだけど。
「何をしているんですか変態さん。早く入って下さい。」
あ、コレ強制イベント直行ですか?
僕の立ち往生に堪り兼ねたのか、シロが扉を開ける。
「チョッ!?」
瞬間、鳥肌が立つ程の冷気が僕らを包み込む。
番台に立っていた黒く蠢く巨大な物体を見た僕らは……
そっと扉を閉めた。
……番台に、ペンギンが居た。
「落ち着きましょう変態さん。アレはマスターではなく、もしかしたら時空間が歪んで扉の向こうが南極と繋がってしまった可能性が「君こそ落ち着こうか。誠に残念ながらその可能性は無いし、アレは恐らく……いや、間違いなく先輩だ。」…………」
僕が可能性を否定するとシロは頭をを抱えた。
いや、気持ちはわかるよ。あんなのが自分の持ち主だってなったら複雑だよね、うん。
シロに少し同情しながら、僕は勢い良く扉を開けた。
そこに居たのは巻き髭を生やしたペンギンの着ぐるみを着た何者か(どう考えても先輩)だった。
着ぐるみのモチーフはどっかのアニメキャラかな? 正直、知識欲が強い僕でも興味が湧かない。
後、着ぐるみを着る為か知らないが寒い。クーラーと扇風機がフル稼働で生身だと凍えそうだ。
あ、着ぐるみ(先輩?)がコッチに気付いた。
「あ、センくんいらっしゃ……わ、我こそは孤高の釣り師、セりゅフォンス・アードクりゅ・ペンガリヲンであーる!」
何か言い出した。後、噛んで言えてない。
……そろそろ突っ込んでもいいかな?
「ばっかじゃねえの!? 二十歳にもなって何やってんだアンタ!? セルフォンス・アードクル・ペンガリヲンだか何だか知らないけどコッチは散々ロボに振り回されて疲れてんだ! 冷房ガンガン効かせて自分で営業妨害してんじゃねぇよ! つかそんなデカい私物を仕事に持ち込めるんだったらコッチのロボをどうにかしろぉおーーーっ!!」
……あ、言ってから気付いたけどコレ先輩ガン泣きパターンじゃ!? どうする零人、どうフォローする!?
そう思い、恐る恐る先輩の方を見る。
「うぅ……練習したのに噛んじゃった…………」
…………
「話を、聞けぇーー!!!」
まだ僕ら以外の客が居ない銭湯に、僕の絶叫が轟く。
…………ていうか練習してこのクオリティなのかよ!?
どうも、前書きが長くなったので後書きは短くしたいと思ってる残機1LIFE0です。(読み飛ばしましょう)
感想、苦情、最近の愚痴、もっと早く更新しろ等のお言葉、金返せ等の身に覚えが無いお言葉、この小説読んだら銭湯の番頭さんが着ぐるみ着て出迎えてくれた!等のご報告は感想欄にてお待ちしております。今なら抽選でペンガリヲン1/100スケールフィギュアをプレゼント!(嘘)超要らない……
ふーかの次回☆予告!
楓花「センくん、次回の【誰銭】は?」
零人「僕に聞かないで下さい。ていうか略称はそれで決定なんですか?」
楓花「作者も使ってるから多分おーけーなのだよ! 読者さんが考えてくれるなら別だけど!」
零人「サラッとコメント貰おうとするのやめてください。それで一件もコメント来なかったら作者のやる気が尽きます。」
楓花「で、次回の【誰銭】は〜?」
零人「……恐らく銭湯回です。僕が疲れます。」
内容は変更しません。(断言)「ちょっとぉ!?」




