42軒目:何方か不審者に出会った際の護身術を教えて下さい。
戦闘回です。戦闘……してるか?
某年六月二十八日
然しマズいですねぇ……スーツを着用してる上に、チノパンなんていうピチピチファッションだと、正直武器なんて取り出せないんですよねぇ……伊月君が居るんで迂闊にロボロボしくはなれませんし……
「そーですよ、私の最新作のナイフとフォークを使えば良いじゃないですかーってアホですかっ!? こんなもんで戦えるわけないでしょうがバーカバーカッ!」
瞬時に手首から出現させたそれらをコンクリートに叩きつけます。
「何してるんですかシロさんっ! 見つかったらどうするんですかっ!?」
「大丈夫ですよー。大通りが真横とはいえ、こーんな路地裏誰も確認しないですって。」
「だからなんでそんなフラグみたいな事を言うんですか……あ。」
「あ……?」
肩にポンと手が置かれる。
「ゼハー、ゼハー……やっと追いついたぜ……」
OH……工事業者括弧笑いのおっちゃん方ではありませんかー……
「お、お久しぶりでーす。オルワァッ!」
「あしげっ!?」「ハガッッ…………!!?」
瞬時に鳩尾に鉄拳、肘での金的を食らわせます。
「ゲホッ……ま、待て、少しは話をだなっ……!?」
おや、威力が足りなかったのか、鳩尾を殴られたおっちゃんは耐えてしまいましたね。
仕方ありません……
「不意打ちしてしまったのは申し訳ありませんが肩をポンと叩かれた分で私もビックリしましたからおあいこですねぇっ! そしてこれはこれから私がされるであろう酷い事の分ッ!!」
「ォ゛ァ゛ッッッッ…………!!!!」
今度は力を込めて捻りを加えた蹴りを、容赦無く男性の急所に狙い撃ちます。声にならない叫びを上げながら相手は死ぬっ。いや、気絶しただけですけど。
「さあ、行きましょうか伊月君! どうしたんですか? 下腹部を抑えて……」
「ひえっ! いぇっ、何でもないですっ!!」
……何故声が裏返って?
*(ショッキングバイオレンスタイムッ!)
「ふぃー……まさかこの完璧美少女である私の隠密行動がバレるとは。敵は、中々の手足れの様ですね!」
「いや完ッ全にシロさんの不手際でしたよ。そもそも、この人達限りなく怪しいだけで実際は僕達には何もしてませんし、ここまでやらなくても……」
「道路を不法に占拠している時点で犯罪者なんですが? そもそも、殴った時の衝撃からして……ハム。」
歯で謎のおっちゃんの服に切り込みを入れ、一気に破く。
「わぁっ!? な、何してるんですかぁっ!! って、それって……」
「伊月君もテレビとか映画でなら見た事はあるでしょう。」
「防弾、ベスト……?」
「正確には耐衝撃性に優れたボディアーマーって所でしょうか。はてさて、一体全体何でそんなものを着込んでいるのやら。」
「……コスプレイベント、とか?」
「一般人が立ち入り禁止の? 随分過激派なミリタリーパーティーですね。」
「い、言ってみただけですッ!」
……はてさて、どうしましょうかね。まさかここまでゴテゴテのテロリストとは思いませんでしたから、改めて私の武装が貧弱すぎな事が浮き彫りになって笑えてくるんですが?
「ウケる〜!」
「……どうしたんですか急に?」
伊月君が訝しげな目線を送ってくる。
「……言ってみただけです。」
いや、うん。スイマセンでした。
出来るだけバカっぽく振る舞って明るい雰囲気にしたかったんです。私が普段、聡明過ぎるのが逆に仇となってしまいましたね?
「さて、伊月君。この危機的状況で、これからどこまでのハプニングなら許容出来ますか? 私はガリガリ君のあたり棒までです。」
「許容量小さいですねっ!? ……もうここまできたらシロさんが宇宙人って言われても驚きませんよ僕は。」
はぁーん? 言いましたね?
「そうですか。じゃあ、今から見ることは驚かずに秘密にしといて下さいね?」
「へ? 何を……」
いやぁ、いつもすみませんね京也さん。
「はい、G−RIF−十七っと。」
パァンッと破裂音が鳴り、私の偽りの皮膚を突き破るように銃身が姿を表す。
「……実は私、アンドロイドなんですよ」
「……は?」
瞬間、伊月君の動きが止まる。
瞳には混乱と恐怖が入り混じり、体は少し震えているようにも見える。
「……はい、今驚きましたねーっ! 伊月君、アウトーッ!」
「いやいやいやいや、え? いやいやいやいやいや! そんなバラエティ番組みたいなノリでカミングアウトするもんですか普通!?」
「残念ですね。私、普通じゃないんですよ。なんたって……」
――その出来損ないの体で、穢れた腕で、醜い心で、本当に貴女わたしは完全であると言えますか?――
「……なんたって人外ですからね私はぁ!」
「理由になってるようでなってないですよ!?」
「っ……いやーなってない、ですかね?」
まさか、そこをツッコまれるとは思ってもいませんでした。
幸いにも、私の表情筋モジュールは誤作動を起こさなかった様で、伊月君が何かに気付く様子はありませんでしたが……それでも。
「そうですよ! 僕の家は明太子っていう猫を飼ってるんですけど……」
「待って下さい、明太子?」
「はい。僕はもっと無難な名前が良いって言ったんですけどねぇ……」
そう言った伊月君の目は死んでいました。
一体、『明太子』の過去に何があったんでしょう。
「ま、まあ名前は兎も角として……普段は全然近寄ってこないマイペースな感じなんですけど、僕が落ち込んでる時とかには頭に乗ってくるんですよ。御飯をあげても、ジッとそこに居座ってきて……」
「へえ、間が悪い猫ですね。」
「そうなんですよ! でも、僕には『元気を出せ』って言ってるように感じるんですよ。言葉はわからないけれど、気持ちは伝わっているようなそんな気がして……」
……何だか、伊月君の言いたい事がわかったような気がした。
「人であらずとも人の気持ちは理解出来る、と?」
「そうですよ! こうだって話し合いが出来るシロさんなら尚更! だからこう、もっとカミングアウトするにしても場をわきまえて、タイミングってものがですね?」
「伊月君。」
「な、何ですか?」
グイッと私が顔を近づけると、伊月君はやはり困惑した表情を見せましたが、先程よりも恐怖は薄れているように感じました。
「……ツッコミの説明をするなんて、漫才師としてどうなんですか。」
「僕、漫才師じゃないですよ!?」
「何を言っているんですか、人は生まれながらに漫才師なんですよ。そう、世は大漫才ジダァイ……」
「ダメだこの人の言ってることが何一つ理解出来ないっ!」
「ドント・シィンク・フィーーールッ!」
「僕知ってますよ、それ自分で説明を放棄した人の発言ですよね!?」
「フッ、感のいい奴ですね。貴様には死んでもらうーピチューンッ!」
「ぐわー、って何でですかっ! ていうか折角右手が銃になってるんですからそっちを僕に向ければ良いのに何故左手の人差し指を向けてるんですか!?」
「何言ってるんですか伊月君、銃なんて一般人に向けたら危ないでしょう?」
「今現在進行形で右腕が危ない人が何か言ってる!?」
「ハッハッハ、一体何処にそんな危険人物が?」
等と、とてもユーモアのあるジョークを言いながらキョロキョロと周りを見渡すと――ライダースーツに見を包んだ、不自然な程に長い銀髪の女がこちらに向かって来ていた。
「ワーオ、見るからに怪しい人物ハケーンッ!」
「いやだからシロさんが一番怪しい人ですって……」
未だに状況が理解出来ていない伊月君が
「何なんですか伊月君は! ニブチンですかラノベ主人公ですかハーレムの主ですか!? 何でそう肝心な時にお約束ぅを踏み抜いて――「御機嫌如何でしょうか?」――ッ! ……最高でしたよ。貴方が来るまでは。」
絶対に伊月君から目を離してはならない。夢の中だけの存在だった筈の女が今、殺意を隠そうともせずに目の前に居るのだから。
どうも皆さんこんにちはこんばんわ。はじめましての方ははじめまして、そうじゃない方は更新遅れて本当に申し訳御座いませんでした。「遅いってレベルじゃねぇぞ!?」でお馴染み残機1LIFE0です!(直しなさい)
先日、この作品を全然更新していなかったのでリハビリに短編でも書こうかと思ったのですが、レビュー件数以外の全て、この作品を越えられて結構落ち込みました!(日間総合短編4位でした!) 何でやねんッ!!!!
まあ私も書きたかった題材なので続編も考えているのですが、あくまでこの作品優先で更新させていただきます! 絶対です! たとえ向こうがジャンル別1位を取ろうとも!(多分それは不可能ですけど!)
それはそうと、最近誰銭であまり漫才を書けていないので筆が結構止まるんですがどうすればいいでしょうか……いや、良い漫才を書くために必要な作業なんですけども……寧ろストーリーなんて最終回の為の下準備みたいな、ポ○モンでいうストーリーはチュートリアル的な……
まあそんなテキトーな感じで今後も進んでいく気がしないでもないです! それでは皆様また次回ッ!
次回予告
京也「SSが無いだと!?」
有須川「次回予告がSSなんじゃあないかい?」
京也「いやいやいやいやいや、次回予告は次回予告だろ。そんな次回予告で茶番劇場みたいな事なんて俺らはやってねぇよ」
有須川「僕の幼馴染は節穴だった……いや、今更だったね」
京也「うぉっいどういう意味だいっ!」
有須川「別に。鈍感でヘタレなモテ男は悲惨な末路を辿るよって事さ。」
京也「うっせ。後、俺はヘタレではあるけど鈍感じゃあない……と、思いたいんだが?」
有須川「やれやれ、これは重症だね……さて、次回の誰銭は零人編に戻ったり戻らなかったりするらしいよ。次回も読んでくれると嬉しいね。」
京也「ねえ、俺鈍感じゃないよね!? ねぇ恵さぁん!?」
内容は予告なく変更になることがあります!




