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誰か銭湯の男湯に美少女(ロボ)が居た時の正しい対処法を教えてくれ。  作者: 残機1LIFE0/全自動駄文生産ライン
誰か何かしらの違和感に気づいてしまった時の正しい対処法を教えてくれ。
42/55

31軒目:誰か正しい隠し芸の披露方法を教えてくれさいっ。

 タイトルに誤字はありませんっ!


H31.1.1:本文を修正させて頂きました。

H31.1.3:本文を修正させて頂きました。

某年六月二十一日


 全力で自転車のペダルを回す。口には遅刻者に大人気のお馴染みの食パン……ではなくまさかの柴漬けである。


 嫌がらせの気持ち丸々百パーセントとはいえ折角シロが自身の少ないお小遣いから用意してくれたのだから食べるべきではないかと思ったのだが、これが中々にキツイ。柴漬けから食べた僕も悪いのだが口の中が塩分でてんやわんやである。


 赤信号でブレーキを踏み、待ち時間の間に口直しにプロテインを口に含む。思ったよりも控えめの甘さに驚くが、やはり漬物の塩味と合うものじゃあない。そもそも僕の知識ではプロテインは味噌汁的な飲料として用いるものではなかった気がする。


 ……さて、まだ手を付けていないのはマスカルポーネチーズだがこれをどう食せばいいのか。


 マスカルポーネチーズといえばイタリア原産のフレッシュタイプチーズ……熟成させないチーズのことだが、まあなんとこれがクリーム状なのである。そしてシロはタッパーに入れて渡してきたのに肝心のスプーン等は一切くれなかった。手で食えと? 今にでも信号が青になれば自転車運転するのに?


 全く本当になんで受け取ってしまったんだろう……


「本当になんでだろうなぁ……レイレイ。」


「何ででしょうねぇ……って、店長!?」


 声の方向には電柱にもたれ、タバコ……ではなくココアシガ○ットを噴かす店長が居た。


 何ですかそのバカップルがお互いを呼び合う時の渾名みたいなファンシーな呼び方はっ!


「んっんー、口の利き方に気をつけ給えよ。場合によっては遅刻者の首が飛ぶっ!」


「バイオレンスッ! ……いや冗談ですよね!?」


「ハッハッハ、私は『いつかまた○○しましょうね!』のいつかと某ウルなんとかタロウに出てくるドロ○ンと弱者と馬鹿とキュウリと下らない冗談だけは嫌いだといつも言ってるだろう?」


「いや聞いたことないですけど!? ていうかだけって言う割には結構嫌いなもの多いですね!?」


「泥棒怪獣はトラウマだろ常識的に考えて……」


「別にド○ボンについて深くツッコんだわけじゃないですよっ! 言うの遅くなりましたけど遅刻して本当に申し訳ありませんでしたッ!!」


「よい、不問に処す。と、いうわけで今日一日重さ五キロの重りを両手足に付けて仕事してくれ。」


「何が『というわけ』なのかさっぱり解りませんしそれを世間では不問とは言いませんッ!!」


「じゃあ大変重い刑罰を与える。喜べ。」


「うわぁーい藪蛇ッ!!」


 いいですよ重りでもなんでも付ければいいじゃないですかっ!!


 *(グランドウエイトタイムッ!)


「まさか本当に重りを付けるとは……店にも着いてないのに……」


 と、言っても付けているのは動きを阻害しない布製のカバーに包まれた一キロにも満たない様な物なのだが、それが両手足にそれぞれあることで意外に負荷が掛かる。


「遅刻した方が悪いのだから当たり前だろう?」


「まあそうなんですけどねぇ……」


 辛い、というよりかは……なんだろう、鍛えられてるなー……という感じだろうか。


 『適度な重さ』という絶妙な罰と遅刻したという罪悪感が僕に反論の言葉を失わせる。


「で、どうしてなんだ?」


「は?」


 いつの間にか棒付きキャンディをワイルドに咥えていた店長が、そんな突飛な疑問をぶつけてくる。


「そんな混沌とした朝食という名の毒物を受け取った理由だよ。まさか聡明な君が美少女である同居人にほだされたという訳でもあるまい?」


「んー、まあ理由が皆無な訳でも無いですけど……」


「ほう……?」


 バキッ、という乾いた音に驚き店長の方を見ると、棒付きキャンディは紙の棒と店長の口の中の飴玉に分裂していた。


 ……最初から飴玉買えば良いんじゃ? というかまさか顎の力と右手だけでそれを? この人やっぱり普通じゃないなぁ……


 更にそのまま中指でハンドスピナーの様に器用に棒を回す店長。


 いや凄いけど、なんだろう……地味っ!


「で、その理由とやらは?」


「へっ!?」


「何だ聞いていなかったのか?」


「いや目の前であんな隠し芸やられたら……」


「ワン、ツー、スリー!」


 瞬間、店長の指で回る紙の棒に火が付いた。


「うぉっ!?」


「高速に回すことで、空気との摩擦によって火が付く。当然だろう?」


「なるほど……って、いやいやいやっ! それ漫画だけの話ですから! ていうか店長僕の反応を楽しんでるだけでしょう!?」


「む、そんな事は……あるぞ?」


「やっぱり楽しんでるんじゃないですかっ!!」


「スマンスマン。」


 と、全く反省していない口調で店長は飴の棒を握り締め消火をって、それ……


「熱ゥイィッ!!?」


「馬鹿なんですか!?」


「クゥゥッ、私の格好いい店長像がぁっ!」


「そんな事しなくても僕らの中では遊び心満載でいつも暇そうな時には物騒過ぎる店長ですよッ!!」


「ガーン、これでも日夜世界を掌握しようと暗躍しているのに……」


「そういうとこォッ!!」


 *(ネガティブワールドコンクエストタイムッ!)


「で、理由を聞いても?」


 近くの公園の水道で手を冷やしてきた涙目の店長がそう尋ねてくる。


 理由……まあ、あるにはあるんだけどなぁ……


「……彼女、食べ物を残さないんですよ。」


「…………は?」


 *


 チクショウめっ! なんでフレンチトーストッ!!


 そういえば昨日変態さんが赤ペン持ちながら読んでいた『wkwk☆主夫料理三〇〇〇』っていう雑誌がありましたけど……いや、まさか。


 恐る恐る雑誌を手に取りペラペラとページを捲る。


 えーと、赤ペンで印付いてるのは……


「『美味しさ満点家庭的フレンチトースト』って料理成功してるやないかーーーーーいッ!!!!」


 ナンデ!? ナンデ成功シチャッテルノ!? 馬鹿なの死ぬの!? ここは私が『あー飯が不味い……いや、不味くはないんだけど美味しくもない……つまり中途半端っ! まるで変態さんの人生みたいですねっ!』みたいな可愛ーい食レポする場面でしょうがっ!!


 そもそもなんで成功したんですか? アレですか。作りかけだと作りたかったものが作れるみたいな……いやそれ只の便利能力じゃないですかっ! 謎は謎のままでいろよっ! こういうのはアニメのワンクール終わるぐらいの頃にやっとのこさ判明するみたいなやつでしょっ!? やめてくださいよそういう後半全く忘れ去られる能力みたいなの!! もうちょっとこのネタで引っ張れるでしょ!? もっとボケろよッ!!



「ハァ……アレですよ、問題は味ですよ……」


 フレンチトーストを机に運び、正座をしながら合掌をする。


「この世の、全ての食材に感謝を込めて……いただきます。」


 合掌を解き、両方の手の平をフレンチトーストに向ける。


「コード『武器作成(クリエイト・ウェポン)』名列番号EFK(イーエフケー)十九(ナインティーン)に設定。」


 さぁて、いでよ私の新能力っ!


「コード『EFK−十九』ッ!!」


 瞬間、私の手首からフォークとナイフが射出。素早くそれらを受け止めるという安定したドヤ顔モノの技を繰り広げる。


 ……普通ならここで他人の拍手が飛んでくるか、変態さんが空気も読まずに『食事中に遊ばないでね……?』とか気持ち悪い口調で言ってくる場面ですが、まあいいでしょう。


「ハム、ングング……美味しくないんかいっ!!」


 いやなんで美味しくないんですか!? 驚きすぎてさっき作りたてのフォークちょっと曲がっちゃったじゃないですかっ!! そこは味も完璧で『変態さんは料理を中途半端に投げ出せッ!』とかいう意味わからない言葉を言わせる所じゃないんですか!? 違うんですか!?


「いや、もしかしたら変態さんの料理が美味しいわけがないという私の思い込みかもしれない……もう一口だけ……ハム。」


 うーん、何でしょう。砂糖が控えめ過ぎて一昔前の『健康食が美味しいわけがない』みたいなよくわからない理論が常識だった時代の身体に優しいフレンチトーストみたいな感じになってますねぇー。不味くはないんですけど、なんでしょう。美味しくもないという絶妙にリアクションが取りづらい、つまり……


「『味はいつも通りっ!!』」


 *


「彼女、いつも僕の料理に正しい評価……ていうか罵倒を言う為にちゃんと最後まで食べるんですよね。ご飯粒一つ残さず。」


「ほう……それは感心だな。というか君の料理をそんなに真面目に食べるヤツが居たのか……」


 うん、自分が言うのは何だけれど本当に凄いと思っている。あの微妙な料理を毎日食べるというのは大分精神を擦り減らすものだ。


 それをあのロボは味をしっかりと噛み締めながら文句を言って食べるのだ。



 ――正直言って、馬鹿だと思う。



「自分で作っておいて!?」


「いやいやいや、だって僕の料理ですよ!?」


「そりゃ君の料理は病院食より味気なく溜め息の出る味だがな?」


「でしょう!?」


 何度でも言うが僕の料理は美味しくもなければ不味くもない、非常に微妙な料理なのである。


「それを彼女は文句言いながらもきちんと食べる訳ですよ。『僕が無駄にした食材の生産者さんに申し訳ないから』とか言って。」


「……その礼か? 君も随分とつまらない――「違いますよ。」……?」


 そういうんじゃない。只――


「僕が受け取らなかったら舌打ちしながら顔をしかめてこのラインナップを食べるんだろうなぁ……と、思いまして。」


 僕への嫌がらせは僕自身が受けるべきではないのかと、ふとそう思ってしまったのだ。


「……奇妙な関係だな。」


「僕もそう思いますよ。」


 奇妙な関係……本当にそうだ。


 店長が言ったその言葉を心の中で反芻しながら、僕はいつもの苦笑いをした。



 *



「然し……賞味期限が今日とは限らないのだから、別に今受け取る必要は無かったのではないか?」


「ですよねぇーーーっ!!」


 はい、薄々は気づいてましたっ!!

 ご飯残さない人って魅力的ですよね!? 好き嫌いは沢山あります残機1LIFE0ですっ! ご飯はあんまり残しません頑張って食べますっ!


 シロさんのマイナスイメージをどうやったらゼロに出来るか(プラスにする予定は無い)……それを考えた末の今回のお話でしたっ!


 そういえば今回の話で(閑話休題)の場面で登場した(ネガティブワールドコンクエストタイムッ!)なんですが直訳したら『消極的世界征服の時間ッ!』っていう安っぽいラノベのタイトルっぽくなったので読者の皆さんはこれで一本書いてみては如何でしょうかっ!


 それにしても……店長が使いやす過ぎますね! 有須川さんと店長がいれば取り敢えずストーリー進むみたいな……仮面ライダーでいうV○みたいな! 相談役としてもフラグ立てとしても便利過ぎて困りますっ!


 逆に先輩とかは使いづらいんですよね……彼女は主人公にもしにくいですし、脇役にしても話を進めず遊びますし……番外編なら凄い輝くんですけどね……ここぞという時にしか使えないというか……普段は遊んでらっしゃって……


 ではでは、皆様良いお年をっ!


次回予告

シロ「ハァ!? 何で私脇役なんですか今回っ!!」

京也「まあまあ、こんな時もあるって。」

有須川「次回は本当にシロくんのパートらしいからねぇ……」

シロ「そうです! 次回こそ、次回こそはっ!!」

京也「自分からフラグを立てていく……」

有須川「流石の芸人魂、これは僕も脱帽だねぇ……」


内容は予告なく変更される恐れがありますっ!!

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青い鳥(ツッタカター)
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ええっ!? 新連載だって!?
【連載版】「旦那様、僭越ながら申し上げますが私めに欲情していただけないでしょうか」
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