28軒目:誰か正しい初対面としての反応を教えてくれ
どうも、お久しぶりです。ネタが薄い気がする28話です。
某年六月二十一日
眼前には百八十センチ超え筋肉モリモリのグラサン男。対する僕は身長百七十そこそこの痩せ型草食系男子。傍から見れば完全に売れないミュージシャンから借金の利息分を回収しに来たヤクザの図である。
まあ、勿論そんな事は無くこの人は――
「お、何ですか変態さん。遂に滞納しまくりで東京湾行きですか?」
ヒョコッと後ろから顔を出してワクワクした顔で僕にそう問うてくる。
「いや全然違うよ!? 失礼だから謝ってね!?」
いや確かに僕もちょっとだけヤバイ類の集金だと思っちゃったけどね!?
「…………大阪湾?」
「場所の問題じゃあないよっ!?」
「……富士?」
「海は海でも樹海だったわけでもないッ!!」
「わかりました変態さんの顔が気持ち悪いから埋めに来たんですねっ!?」
「シチュエーションの問題じゃあないよォッ!!」
全く、何故にこのロボはこうも僕を貶めたいのか。ヤレヤレと首を振りつつ前を見ると目を丸くした相楽さんが……って居るの忘れてたァ!!!??
「……零人君、まさかコレか?」
そう言いつつグラサン男は右手中指を立て、それを左手で隠しつつ見せてくる。
「……いや何で中指なんですかっ!? 立てるなら小指でしょ!?」
「否定しないって事はやっぱりそうなのか……いや、おめでとうっ!」
そう言ってパチパチと拍手を贈ってきた黒シャツ男。
「はぁー、私がこのクソカスと恋人関係ィ? 良い度胸ですね筋肉ダルマ。この私が直々に顔面に上腕二頭筋フェチってタトゥー彫ってやりましょうかア゛ァ゛ン?」
「おお、昔会った若が……知り合いの彼女より元気だなぁ。」
「今若頭って言いかけましたよねぇ!?」
「言ってない。言ってないよ零人君。」
だから何なんですかその殺気っ!? 怖い、普通に怖いですよ!!
「……で、変態さん。このクソ失礼な肉団子は何なんですか。役職によっては射殺も辞さない所存ですが。」
「うん、割と止めてね。田頃家さんは此処の大家さんだから。割と真面目に追い出されるから。」
「どうもお嬢ちゃん。田頃家 龍司、此処の大家だ。」
そう言って右腕を差し出す田頃家さん。
――瞬間、シロの動きが止まった。
「O−YA?」
と、おずおず口を開くシロ。
「OH YEAH!!」
謎にハイテンションな田頃家さん。
「「HEYッ!!」」
からの唐突なハイタッチ。
「いや何だこれッ!? 何これッ!? え、何!? 何を通じ合ったの二人はッ!?」
「「わ か ら ん ッ !!」」
「まさかのドントノウッ!! じゃあ何でそんな息が合ってるんだッ! そして田頃家さんは何でそんなに達成感溢れる顔をしてるんですかっ!?」
「俺、強面だからさ……堅気の女性と話すの久し振りで……」
「あ、なんかスイマセン……」
うん……事情は全く知らないけれどもなんだか凄く申し訳ない気分にな──
「田頃家さん……私は働いていないので堅気って言えるかは微妙ですッ!!」
「真っ当な生活してる人の事も堅気っていうから別に良いんじゃないかなシロ!?」
*
「改めまして初めまして。世界が認めた最終兵器系美少女、顔良し器量良し教養良し度胸良し拳良しで御馴染み九条 真城といいます。そこらの一般人からはシロと渾名で呼ばれていますね!!」
「初耳だよそんな自己紹介。」
あと君自分の名前さらっと渾名って事にしたね。別に僕は良いけどさ……偽名、いつ考えたんだろう……
「宜しくなシロちゃん」
ニヤッと笑いながら田頃家さんとシロは硬い握手を交わす。
……出会って三週間経つ僕よりも仲良さそうだね。
いや、別に嫉妬とかじゃないんだよ? たださ、会って数秒で罵倒を吐かれた僕と田頃家さんとの対応に差があり過ぎじゃないかって話で要するに嫉妬的なことなんだけど複雑な気持ちになるよね!
「どうしたんですか変態さん、ドブに落ちて哀れにも死んでしまったドブネズミ略してドブドブみたいな顔をして。」
ふと前を見ればジト目が僕を見つめていた。
「どんな顔だよ。」
「鏡見てくればわかりますよ。」
「多分見飽きた表情をしてると思う。」
「悲惨な人生ですね……」
「割と本気で同情する感じやめてくれる!?」
「零人君……君はいい表情をしているぞ……!」
「やめて下さいよ田頃家さんまでっ! 何か僕が凄い落ち込んでるみたいじゃないですかっ!!」
「いやでもこんなに可愛い女友達になじられるって相当ダメージこない……?」
「発言が凄いピュアッ!! 大丈夫ですよ彼女とは友人というより悪友……というか只のルームメイト的な感じですのでっ!!」
「同居……!?」
「はい……いつも意味のわからないものを食べさせられたり毎日汚い物を視界に入れられたり……」
「零人君……」
うわぁ!? こんなに田頃家さんに軽蔑するような目をむけられるのは初めてだぁッ!!
「違いますよ!? 普……通のご飯作ったりしてますからね!?」
「今普通って言うの戸惑わなかった?」
「汚いっていうのも僕の隠喩ですしっ!! いやそれもどうなんだって思いますけど!!」
「ホントにどうなのって感じだねっ!? 何で同居してるの!?」
はい、自分で言ってて悲しくなります……本当に何で同居してるんだろ……
ふと前を見れば右手でつくったピースサインを片目にかざし満面の笑みの同居人の姿があった……割と本気で殴りたくなった。
*
「で、今日はどんな御用ですか?」
「んー? まあ顔見せってのが主だけどなぁ……」
田頃家さんは僕が出したお茶に口を付けると、ゴツゴツとした左手で自身の顎を軽く揉んだ。そして数秒程天井を見つめた後、思い出したとばかりに手をポンと打った。
「ああ、そうだ! 此処に新しい入居者が来るかもしれんぞ。」
「嘘でしょうこの犬小屋より酷いオンボロボロアパートにィ!?」
「シロ、そのアパートの大家さんこの人。」
そしてそのアパートに住んでるのは君だ。
というか、見てくれは悪いけど内装は中々綺麗なものなのでそこまで言う必要はないと思う……多分。
「いやいや、事実だし気にしないよ。俺もこのアパートに思い入れがある訳でもないし。」
「そ、そうなんですか?」
「チッ、キレさせてバトル展開に持ち込む計画が……」
「オイコラそこの精神ド腐れ少女。」
「何ですか臆病貧弱童貞野郎。」
いやしれっとした顔をするんじゃないよ。僕へはいいけれども……いやホントは駄目だけれどもっ! 人に迷惑をかけようとするんじゃないよこのド外道ロボっ!! しかもよりにもよって大家にッ!!
「いや、気にしてないよ零人君。」
「本当ですか……?」
「唐突に喧嘩吹っかけてくる輩は何処にでもいるからね!!」
いや多分田頃家さんが想像してるよりかは居ないと思いますッ!!
「オウオウじゃあ私もその一人に……!」
「はいストーーップ!」
立ち上がろうとしたシロの服と肩を掴みゆっくりと座らせ……抵抗するなっ!
「たとえ服が破かれようとも……私の意思が揺らぐことはないッ!」
「何が君をそんなに駆り立てるんだよっ!!」
「唐突に出てきた中ボス的な強キャラと闘う……そのロマンがですッ!」
「田頃家さんを中ボスって言うの止めろっ!!」
そのやり取りを見た田頃家さんが一言、
「いいよ、腕相撲ぐらいなら。」
輝くシロの目、そして死んだ魚の様になる僕の目。
「っしゃー、やったりますよーーッ!!」
たかが腕相撲だというのに、何故こんなにも爛々とした表情が出来るのだろうかこのロボは。
片腕をブンブンと回すシロを冷めた目で見ていると、田頃家さんが僕に小声で話しかけてきた。
「零人君。」
「何ですか?」
「本気でやってもいいやつ?」
「まぁ、良いんじゃないですか……?」
どうせマトモにやっても勝てる相手じゃないしな……と、特に期待もせず見た田頃家さんの顔は……
「へぇ……」
「ッ……!!」
『狩る』側の目をしていた。
どうも、毎回キャラの名前に悩む残機1LIFE0ですっ! 今回はシロさんの偽名も考えなきゃで大変でしたっ!! 前々から考えとけばいいのにねっ!
気を取り直して感想返しですっ! 勿論嘘です。感想ホイホイ返せるほど貰ってません。(息を吸うように自虐)
気を取り直してSSですっ!! 田頃家さんの交友関係を書きました(´・ω・`)
・予言
田頃家「どうしたんだこんな所に呼び出して。」
氏神「私の店をこんな所とは何だ。」
田頃家「一般人にはわからんだろうが……妙に鉄臭い、とか?」
氏神「それは私の趣味だ。」
田頃家「ロクでもないな。」
氏神「悪魔の数字じゃないなら安心だな。」
田頃家「六でもないとは言ってねぇ。」
氏神「……今日呼び出したのは、君のアパートの事だ。」
田頃家「ほう?」
氏神「新規入居者獲得おめでとうっ!!」
田頃家「いや待て、何の話だ!?」
氏神「と、いう夢を見た。」
田頃家「夢かよっ!!」
氏神「だが、信じるんだろう?」
田頃家「…………」
氏神「新規入居者は一人から十人、」
田頃家「幅ありすぎだろっ!!」
氏神「男か女かオスかメスか人造人間かロボットか火星人か超能力者かゴキブリか掛け布団のいずれかだ」
田頃家「ゴキブリが範囲に入ってる時点で大した期待は出来ねぇなっ!?」
氏神「因みにゴキブリの場合は生後三年のメスだ。」
田頃家「何でそこだけ細かく特定出来てんだよっ!!」
氏神「卵付きだぞ!?」
田頃家「俺が何を求めてるか全くわかってないなっ!!?」
次回も宜しくお願いします。けーぐ。
次回予告
有須川「腕相撲対決、僕も見たかったねぇ……」
京也「今からマッハで行けば次話までに間に合うんじゃねぇ?」
有須川「無理だよ、このメタ空間と向こうは次元が違うしねぇ……」
京也「え、マジで? そんなファンタジーな世界だったのココ。」
有須川「そんなわけないじゃないか。嘘に決まってるだろう?」
京也「ぐうッ!」
有須川「そんなわけで次回、『29軒目:腕相撲頂上決戦、龍と虎』。次回もノンビリ読んでくれたまえ。」
京也「熱き闘志に、チャァーージ○ンッ!!」
内容は予告なく変更される恐れがあります。




