1軒目:誰か正しい料理の作り方を教えてくれ。
どうも残機1LIFE0と申すものでしありあ。
10分で書きました。嘘です。一話です。
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某年六月二日
「ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピ――「カチッ……!」……」
午前五時。聞き慣れたアラーム音で目が覚めた僕は、何故かいつもより重い体に鞭を打って、顔を洗うためキッチンに向かう。
昔、下宿屋だったものを改装して造られたこのアパートは、洗面所は共同であり部屋は六畳一間であとは押入れとキッチンしか空間がない。
つまり、朝起きて直ぐに顔を洗うのは必然的にキッチンシンクになる訳だ。それでも、僕はそれをあまり不便とは感じない。
寝ている場所と玄関近くのキッチンまでは数歩しか距離はないが、寝ぼけている脳を起こすには充分な距離だ。
顔を洗い完全に覚醒した僕は幾つかの違和感を感じた。
まず、疲労感が異常だ。疲れているのは何時もの事なんだけど今日のはその倍ぐらい怠い。
次に、寝ぼけていたから気付かなかったけど、僕はさっきまで毛布を被って寝ていた気がする。
普段は布団の中で寝ているのになんで昨日は毛布で寝たんだ? そんな事を考えながら僕は部屋の方に戻ろうとする。
部屋の中には、僕の布団でぐっすり眠って(?)いる美少女が居た。
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
「煩いです何ですかこんな朝っぱらからッ!!」
しこたま殴られました。
*(ワンダフルパンチングタイムッ!)
「朝から大声出さないで下さい。殴りましたよ?」
「出来れば行動に移す前に言ってほしいな……」
殴られた腹部の辺りに湿布等の応急処置をしつつ、僕は溜め息を吐いた。
うん、すっかり彼女が居る事を忘れていたよね。
某密林サイトに売り出されていたヒューマノイド、シロ。
僕の高校時代の先輩であり近所の銭湯の番頭をしている九条 楓花が買ったものであるが、親に説明し辛いとかいう謎の理由で偶々風呂に入りに来ていた僕の家に(無理矢理)預けられた。
いやぁ、その関係で昨日は大変だった。彼女をそのまま歩かせて僕のアパートに連れてく訳には行かないから、某密林から送られてきた時に彼女が梱包されていたダンボールに入れてリアカーで運ぶっていうね。
もう目立つ目立つ。でも先輩の姿を見ると通行人の方々は、「ああ、なんだあの子か。」みたいな納得した様な表情を浮かべて通り過ぎて行くんだ。
…………一体、あの人は普段何を仕出かしてるんだろう。
その他にもダンボールに積めようとしたらシロが「変態に誘拐されますー!」とか叫び出したりしたけど、無事(?)五体満足で帰ってくる事が出来た。
……ていうか今更だけど、何で僕は美少女と同居する事になったんだろうか。いや、許可したのは僕なんだけどね?
さて、長々と回想に浸っていたら銀髪(顔だけ)美少女が此方を睨んでいるので、急いで朝食を用意するとしよう。朝から二発も彼女の鉄拳(物理)を食らったら死ぬからね。いや、ホントに。
でもさ、昨日から思ってるけど何でロボットが食事をするのかが理解できない。昨日は疲れていたのか流れ作業の様に彼女にオムライスを差し出していたけど、よくよく考えると食事によるエネルギー供給が出来るって凄いハイスペックだよね? もしかしたら世界中の色んな問題が解決するかもしれないよね?
何でそんな物が通販で売ってるんだ…… いや、深く考えたら何かのフラグが立ちそうだから止めておこう。
そんな事を考えつつ僕はフライパンを火にかけ少し温める。その間に卵を塩胡椒、牛乳と共にボウルの中に落としかき混ぜた後、温まったフライパンにバターを入れて完全に溶けだしたら先程溶いた卵を流し入れる。少し混ぜながら充分に火を通したら、フライパンの端で形を整え食器に盛り付ければプレーンオムレツの完成だ。
インスタントのスープと炊いておいた白米をお椀に盛り、サラダをオムレツの乗っているプレートに添える。(オムレツの下に敷き忘れた訳では断じて無い)二人で食事を摂るには少しばかり不十分な大きさのローテーブルのそれらを二食分運ぶ。
やはり幅が足りず少し食器がはみ出すしてしまっているが仕方ない。そもそもこのローテーブルは食事の為の設計はされてないから当たり前だ。
料理が落ちないか確認した後、僕の口からするりと言葉が流れ落ちた。
「……今日は美味しく出来たはずだ。」
「今日はとは一体どういう事か教えて頂きましょうか。」
そして聞かれた。まあ、別に隠すような事じゃないから良いんだけど。
「あー。実は僕、一度も美味しい料理を作れた事が無いんだ。」
「? 昨日のオムライスは不味くはなかったと記憶していますが。」
「うん、不味くはないんだ。たださ、オムライスにデミグラスソース(?)みたいなヤツかかってたでしょ?」
「ああ、かかってましたね。味気ないんじゃなく味が無くてアレのせいで色々台無しでした。」
そう言って彼女は苦々しい顔をしてそれがなにか? と、問うてきた。
「うん、あれケチャップなんだ。市販の。」
「……は?」
うん、まあ普通はそういう反応になるよね。
「だから、ケチャップなんだ。」
「いや、訳がわかりません。どうやったらケチャップが味無しデミグラス(仮)になるんですか!」
「いや、そう声を荒げられても判らないんだよねぇ…… 目を離したら何時の間にかケチャップがデミグラス(?)になってたりコンソメが鶏ガラになってたりするんだもの。作り方は他の人が見ても間違いは無いのにね。」
僕がそういうと目の前の少女は理解不能とでも言いたそうに頭を抱えた。
「改善はしようと努力しているんだけどね…… まあ、そのうち慣れるよ。」
「こんな不可解な現象に慣れたくないです。見た目は良いなんて生殺しですか? 橋の下生活の方がいい気がしてきました……」
「そこまで言う!?」
「ですがマスターの『命令』は絶対なので今更あれこれ言っても仕方ありません。……頂くとしましょう。」
「そうだね。無理に仲良くしていこうとは言わないけど、『悪くない関係』でいこう。……それじゃあ。」
「「頂きます。」」
手を合わせ合掌した僕達は料理に手を――
つけなかった。
「どうして食べないのかな? 怖いの?」
「そちらこそ箸を動かしていないじゃありませんか。慣れたのでしたらお先に召しあがればいいじゃありませんか。」
いや、慣れたからといって怖いものは怖いんだ。予期しない味で毎回不意を突いてくるんだもの。
そんなこんなで数秒の譲り合いの末、結局は僕が先に食べる事になった。
先ずはスープに口をつける。うん、インスタントなだけあって普通のオニオンスープだ。美味しくはないし作ろうとしたのコーンスープだけどね!
なんなの? ホラーなの?
まあ、このトラップは前に経験してるし目に見える変化だから良しとしよう。
次に白米だ。うん、普通。
そして問題のオムレツだ。一切れの大きさを箸で摘み口に運ぶ。この時少し小さめに切るのがポイント。
「……うん。」
「どうなんですか?」
そういってシロが家来に毒味をさせるかの様に此方を見つめてくる。
「いや、うん。不味くはないよ。ただ……」
「ただ?」
「やっぱり今日のメニューに変更があったみたいだ。」
「は?」
今日メニューは白御飯、オニオンスープ、サラダにそれから……特に美味しくもないチーズオムレツだ。
チーズ、切らしてた筈なんだけどなぁ……
どうも。ファンタジー書こうとすればコメディ書きたくなり、コメディ書こうとしたらコメディ要素が著しく欠けている物が出来、それでも書こうとすれば軽いホラーになる残機1LIFE0です。
読んで頂き有難う御座います。いや、もうスクロールして頂いただけで感謝です。
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感想を書いて頂いた人の中から抽選で零人の特製弁当プレゼント!(嘘)
え、要らない? そうですか…私も要らないです!
次回予告(すっ飛ばし推奨)
どうも、仙台 零人です。名前覚えててくれてる人いるのかな?
さて、今回は真面目に次回予告をしたいのだけれども……幾ら本編の外だからといって僕は未来を見ることは出来ないんだ。低スペック主人公でごめんね。もう僕が主人公じゃなくて良いんじゃないのかな……
ん? ああ、次の話は朝御飯を食べ終わった話って作者が言ってるね。でもまあどうせ『内容は予告無く変更する場合があります』っていうテロップ出すから意味ないよね。このコーナー。
内容は予告無くは変更しません。……多分。




