10軒目:誰か正しい新しい一日の始め方を教えてくれ。
記念すべき十話目だそうです。
プロローグと番外編合わせればホントは十二話です。
……始まります。
H29.8.5:本文を修正させて頂きました。
H29.10.14:本文を修正させて頂きました。
某年六月三日
「バカなんですか!? いやバカなんでしょ!? こちとら銭湯から帰った後で深夜零時まで内職とロボの相手してんですよ!! わかります!? 三十分間寝るだけでもだいぶ違うんですよ! それを何ですか、朝っぱらからモーニングコールとか言って叩き起こされた上にゴム弾を撃たれ、終いには? ただ呼び方を変えてほしいだけ? ふっざけんなマジふざけんな!! そんなどうでもいい理由で僕に電話してこないでくださいよっ! てかそもそも僕に連絡する必要ないですよね、シロのスマホに直接電話とかLI○Eとかすればよかったんじゃないですか!? あぁ、もう僕の睡眠時間を返せぇっ!!」
もう怒った。我慢ならないっ!
ちゃんとした理由で掛けてきたならまだ良かったよ? でもさぁ、これは許しちゃダメだと思うんだっ!?
「…………終わったぁ?」
くぁあ、と先輩は欠伸と共にそう言った。
「アンタ聞いてなかったな!?」
「煩いですよ変態さん、話が進まないじゃないですか。」
聞き分けのない子供を見るかの様な目でシロがそう言ってくる。
「僕が悪いの!?」
「ええ、そうです。一聞するとどうでもいい理由でも、よくよく聴けば重要な事柄なのかもしれないじゃありませんか。」
クッ、ロボに正論っぽい事を言われるとは……いや、落ち着けよ自分。昨日シロがどういうヤツかは嫌というほどわかっただろ!
「……本音は?」
「早く二度寝したいんですよ。」
「この駄ロボッ!! てか、ロボなんだから寝る必要ないだろ!?」
「ありますよ。PCだって連続稼働させると重くなるでしょう?」
なるほど……
「じゃないよ! 寝るのとだらけるのは違うだろ!?」
危なっ!? 一瞬納得しかけた!
そんな僕のツッコミに対して、シロは一呼吸置いて言った。
「だから何だというんですか!」
「開き直るなっ!!」
「ねぇ〜、もう喋っていい?」
「アンタは少しは反省しろぉーーっ!!」
*(閑話休題)
……うん、もう何か疲れた。
何だろうね。結論から言うとシロの先輩に対しての「マスター」呼びが「楓花」という呼び方に変わったという、文章にすれば凄い短く纏まる事柄だよね。
文章にすればね! お察しの通り、高々呼び方の為だけに数十分費やしましたが何か!?
「いっやー朝からごめんね、センくん?」
口調が軽いな、この人は……
「本当にそうですよ……また同じ事しないで下さいね?」
「うん、もうしない! シロちゃんとLI○E交換したしね〜」
「そういう問題じゃあないと思いますが……とにかく、朝早くからの電話も無駄な長話も控えて下さいね?」
「了解!」
張り切って先輩が了解する程、不安になるのは何故なのだろう……と、僕が考えているとシロが声をかけてくる。
「変態さん。」
僕が隣に居る彼女の方を向くと、何やら真剣な眼差しでこちらを見つめるロボの姿があった。
「……何?」
「朝から内蔵されているハンドガンを使用したり長話をした所為で、エネルギー残量が三十五パーセントを切りました。」
「……平たく言うと?」
「空腹です。」
「君本当にマイペースだね……良いよ、そろそろ朝食にしよう。」
「あ、じゃあそろそろ私も朝ごはんにしよっと!」
そう言って先輩がガタゴトと音を立てる。……てか、朝食の前に煮干し食べてたんですか? まあ、先輩が朝食を食べ切れなかった所で僕には関係無いか。
「それじゃあ切りますよ?」
「うんオッケー!」
先輩の元気な許可が取れたので僕は終話ボタンに手をかける。
「――でも良かった。」
「……何がです?」
普段なら恐らく聞き取れていないであろう小さな声。だけど、その時は何故かすんなり先輩の呟きが聞こえた。
だからだろうか、その言葉の真意を知りたくなった。
「ん? センくん昨日元気無かったみたいだから、その調子だと大丈夫みたいだね!」
「ッ!?」
――昨日、調子が良くなかった事がバレていた。いや、それに動揺した自分に驚いたのかもしれない。
……なんといったらいいのだろう。イタズラがバレた子供の様な気分だ。虚勢を張っていた事がバレて気まずい自分と、それを指摘してもらった事に喜んでいる自分が居る。
「……はい、もう大丈夫です。」
……この回答だと昨日は大丈夫じゃなかったみたいじゃないか! 言った後でその事に気が付くが、別に大した問題じゃ無いかと自己完結した。先輩はこういう事に関しては鋭いから、無理に誤魔化す事もないだろうし。
「そっかぁ……でもそういう時はちゃんと人に相談するんだよ?」
「わかってますよ。」
アンタは僕のオカンか。それぐらい人に言われなくたってやる。
「いーや、わかってないよ。センくんいっつも一人で背負い込んじゃうもん。」
……もしかしてこれを伝える為に電話を掛けてきたのだろうか……いや、無いな。うん、あの先輩に限ってそれは無い。
「まあ、善処しますよ。」
「善処〜?」
善処するという言葉の一体何が不服なんだ! 僕の悩み的にも絶対と言う事はは無理だぞ!?
「……なるべく、としか言えませんよ。てか僕の心配なんて先輩がする必要ないでしょう?」
さっきまでのイライラが込み上げてきたのか、少しばかりぶっきらぼうな言い方になってしまう。……シロが来てからというもの、自分の感情が表に出過ぎている気がしてならないな。
「先輩は後輩の面倒を見る必要があるの! わかった?」
先輩はハキハキとした声でそう言った。
うん、『先輩』はね……でも、先輩はもう先輩じゃないじゃないですか……そんな言葉が出かけたが、胸にそっとしまった。今言うべき言葉はそんな屁理屈じゃなく――
「……はい。」
先輩を安心させる『YES』だ。
「ハイは二回っ!」
「ハイハイ……って、何で態々二つ返事させようとするんですか!?」
「にへへ、じゃねセンくん! またお風呂の時に会お!」
先輩はそう言うと通話を切ってしまった。
……まったく、勝手な人だ。ため息が出る。……それを楽しみにしてしまっている自分が居る事にも。
いや、僕はMじゃないけどね!?
「変態さん、さっさとエネルギー供給源を提供して下さい。格下げしますよ?」
先輩との会話が終わったのを皮切りに、シロが不満たっぷりの両目でこちらを睨んできた。
「……それ以上対応がどういう風に下がるのか気になる所だけども、ここは素直に朝食の用意をしておこうか。」
「昨日の夕食のような、炒飯が冷えた餡掛け炒飯になっているなどという愚行を犯さない様にして下さい。」
うん、あれは美味しくなかった。不味くはないんだけどね? そんな昨日の夕飯の味を思い出しながら、僕は台所の前に立つ。
そんなこんなで、僕達の新しい一日が始まる。内容も知らない未来に、期待を膨らませるとまではいかないまでも少しワクワクしながら、僕は冷蔵庫を開けた。
……この約一ヶ月後にシャレにならない通話料金が携帯会社から請求される事を、この時の僕はまだ知らない。
どうも残機1LIFE0です。
……え、UA1000達成記念SS? ……ナンノコトヲイッテルカワカンナイナー……
いや、ホントスイマセンでした。私事で書けなかったんですっ!
え、そもそも期待してない? ……じゃあいっか!
感想、愚痴、苦情、九条等は感想欄か作者のツイッターにぶん投げて下さい。泣きながらも冷静に対処します。感想を書いて下さった中から抽選で、零人の二つ折りケータイプレゼント!(嘘) 懐かしいって思う私はもう若くないの!?
以下、2000PV突破記念SSです。沢山の方に読んで頂いているようで有り難いような、申しわけないような……読まなくても勿論OK!
・本編で全カットされた口論(何故入れなかった尺が無かった……)
楓花「だから〜、マスターって呼び方だと家族っぽさが無いからさ。名前で読んでくれないかな?」
シロ「……それは許可出来ません。持ち主の事はマスターと呼ぶようにプログラムされていますので。」
楓花「む〜……」
シロ「……どうしても、というならば『命令』しては?」
楓花「家族になる為に命令するのはおかしいと思うな。」
シロ「……よくわかりません。」
楓花「これからわかっていけばいいの! ほら、リピートアフターミー『楓花』!」
シロ「……マスター。」
楓花「ふ・う・か!」
シロ「マスター。」
楓花「楓花!」
シロ「マスター。」
楓花「楓花!」
シロ「マスター。」
楓花「楓花!」
シロ「マスター。」
楓花「マスター!」
シロ「はい、マスター。」
楓花「何で引っかからないの!?」
零人「いや、それで引っかかるの先輩位ですからね?」
次回予告!
京也「俺だ! 京也だ! 今回も次回予告やってくぜ!」
有須川「次回は六月三日が平日設定だから、仙台
零人がバイトに行ったりする回かな?」
京也「セリフ取られた!? ……まあプロット上はそうなってるな。」
有須川「……惜しいねぇ、今のタイミングで『次回も見てくれよな!』って言っていたらまだキマっていたのに……じゃ、よかったら次回もよろしくね。読者の諸君?」
京也「クッソォッ!!」
内容は予告なく変更される場合があります。




