私 ちゃんと自分のベッドで寝たんですけど
4月10日 午前05:50 場所不明
「んん・・・」
私の知らない、ふわふわふかふかに包まれながら、目を開けた。
そこには、星柄のカーテンがあった。
あれ?これって、天蓋っていうんだよね?
いやいや、問題は名前じゃない。
何故私のベッドに天蓋が付いてるかってことだ。
ええ!?しかもこれ私のベッドじゃない!?
わー しかもフリフリのネグリジェ着てるー
かーわいー
起き上がろうとベッドに手をつくと、何か固いものが手に当たった。
「え・・・これ私のケータイ?」
ケータイを見ると、やはり私のモノだった。
メアドもばっちりみんなの分ある。
私にはまだ希望が残っていると思った。
「圏外」の2文字を見るまでは
いかん。いかん。まず何がどうなってんのか調べないと。
行動なくては何も始まらない。
決心した私はぎゅっと目をとじ、カーテンを引いた。
そこは、自分の部屋よりずっと広く、綺麗だった。
欠点はただ一つ。漫画がない。
アレーココハドコデスカー?(白目)
え?私ちゃんと自分の部屋で寝たよね?
そうですよねぇ。読者の皆さん。
ほらぁ 1話の最後に
「2人に返信をして、ケータイを抱きしめながら今度こそ私は眠りに就いた」
ってかいてあるじゃないですかぁ
マジ何処だよここ
シンプルだが、かわいらしいドレッサーを覗くと、
目の前に自分にそっくりな知らない女がぽかんとした様子でこっちを見ていた。
ウソ。これ私っスか。
うーん。確かに似てるけどちょっと惜しい気がする。
「お目覚めの時間です。お嬢様」
ドアの向こうから、おじいさんのような少し大きく低い声がした。
げっ もう6時かよ。
ぐずぐずしていたら誰か来たじゃんかー
って。ん?お嬢様?まずいまずい。こいつ噂に聞く「執事」って奴か。
本で読んだことある。
ま―こんな立派なとこなら1人2人いそうだな。
「入ってもよろしいでしょうか」
やっば!?入ってくるっ
ギュルギュルギュルギュル!!
その時、私の脳は高速回転を始め、3つのプランが浮かび上がった。
A じいさん執事が知らない私を見てびっくりし、声を上げる。
→私も「キャー」とか言って被害者ぶる。
B じいさん執事が知らない私を見てびっくりし、入れ歯が取れ、心臓発作を起こす。
→ほっとく。
C じいさん執事が知らない私を見てびっくりしない。
→しらばっくれる。
よし!これでいこう。
「うーん。いいわよー?」
ちょっと寝ぼけたふり&女らしい言葉?を使ってみた。
「失礼いたします。 お早うございます。お嬢様」
私の姿を見たっ!!・・・けど何も反応がない。
じゃあ元から今の私は元の私にそっくりだったという訳か。
よし。プランCを決行しよう。
「わたしはだぁれ?」
「・・・星宮玲お嬢様でございますよね?」
ええ!?何言いだしちゃってんの私!!
確かにさっきから顔のこととか、じゃあ実際私は誰なんだとか考えてたけどさ!
バカなの!?アホなの!?死ぬの!?電波ちゃんなの!?
あ、電波ちゃんなのか。はは。
ほらーじいさんもキョトンって顔してんじゃん。
でも、「ほしみや」?聞き違いかな・・・
「いや。昨日記憶喪失になる本見てて、で、夢にも出てきてたのよっ」
「はあ・・・」
我ながらとても苦しい言い訳に、じいさんも少し怪訝そうな様子でこちらを窺っている。
「まあ、今日は聖宮学園高等部の入学式ですのでお早めに準備を」
「私の?」
「はあ、そうでございますが?」
待って待って待って待って!!元の私はまだ中二よ!?
もしかして顔に違和感があるのは高校生だから!?
これって未来の・・・わ ♥ た ♥ し?
なんて言ってる場合じゃねえー!!
私の知ってる現実にそんな名前の高校ねえー!!
つーか今の私ってある意味「体は大人、頭脳は子供!」じゃねーか!!
とりあえず、妙に豪華でウマい朝食食って、
「行ってきます。お父様。お母様」
と、媚び売り挨拶みたいなことして
ただひたすらに還る方法を探そうと、私を送る車に乗った。
ちょっと面白そうなんて思ってないんだからねっ(汗
とりあえず入学式へ向かおうではないか。
話はそれからだっ
咲川です。
怪しいイケメンより心の友!!
第2話 読んでいただき ありがとうございます
いや これ 未来に飛ぶとかじゃないんですよ
ばっちり乙女ゲームに飛びます。
次話も是非ご覧ください