持つべきものは、やっぱ友だわー
これは、私が怪しいイケメン共を相手に奮闘するより、少し前のお話。
キーンコーンカ
「帰ろ帰ろ帰ろーーーーーう!!」
2-Bの扉を勢いよくガラッと開け、チャイムすら遮るハツラツとした声が教室中に響いた。
私、橋宮玲は自分の再テストのために待たせていた友人2人のため、職員室から階段を駆け上がり、走るなと注意する風紀委員と教師をカンッペキにスルーし、ここまで全速力でやってきたというのに・・・
「遅い。そしてうるさい」
やはり怒っていらっしゃる。
見るからに高飛車そうな私の友人、御川優梨は頬につえをついたまま不機嫌そうにこちらを睨んでいる。
おおっコワい。まぁ怒られることは分かっていました、分かっていましたとも。
「はいはい。ごめんね。今度ショッピングにつきあってあげるから」
ふっふっふ・・・ 不機嫌とはいえ、所詮は御川優梨。
君のご機嫌取りを一体何年してきてると思っているんだ?
私と優梨は幼馴染なのだ。
元は犬猿の仲であった私たちは今ではすっかり親友だ。
「お疲れ様。大丈夫だった? ちゃんと合格できた?」
「おかげ様でなんとかね」
さっきの優梨と違い、なんとお優しいお言葉。この方は天風奈津。
親しみを込めてなっちゃんと呼ばせてもらっている。
天使だ。天使でいらっしゃるー
と、尻尾振ったようにでれでれしていると優梨がまた睨みつけてくる。
あっやべ
「とにかく帰ろ-!」
細かいことは気にしなーい。
私は2人の腕を引き、教室を後にした。
午後10:30
やっと宿題を済ませた私は、ベッドにダイビーング!
と、その前にケータイのメールをチェックする。
やはり、優梨となっちゃんの2人からだ。
まずは優梨。
「ったく。あんた頭悪いわけじゃないんだから、
小テストとかちゃんと面倒くさがらずに予習しときなさいよねー
来年は高校受験なんだから気ぃ引き締めなさいよ
あ、あとこの前おいしいケーキ屋見つけたから今度3人で行きましょう?
それじゃあ、おやすみ」
優梨は愚痴が多く気も強いが本当は名前の通り優しくて、誰よりも義理がたい。
しっかりしているのでクラスでも人気者。
そして髪が長く、巨乳なため、かなりモテる。
くそうっ!
お次はなっちゃん。
「玲、今日のことはあまり気にしない方がいいよ
優梨は全然怒ってないし、
むしろショッピングを楽しみにしてるみたいだから。また明日」
そんなの気にしてませんよ。
なっちゃんは元々優梨並に気が強いのだが、本人はそれを隠している。
しかし、その気の強さがなければ、こんな努力する人にはならなかっただろう。
そんな家族と並べられるくらい誇れる友人たちに、
一体何が勝るというのだろう。
おっといけない。もう11時だ。
2人に返信をして、ケータイを抱きしめながら今度こそ私は眠りに就いた。
初投稿です。読んでいただいている方が
少しでも楽しんでもらえると光栄です。
次話もがんばります。