番外 3-10(IFストーリー)
これは3-10話最初の形でーす。
「あ?なぜ謝った?」
(実は、私は自分の「気持ち」を君に押しつけてしまった。)
「お前の『気持ち』?」
(そう。君の「気持ち」が無茶苦茶になるのは、あの犯罪者たちを殺す前に、私が「気持ち」を押しつけてしまったから。)
ロードルフ子爵はしばらく考えてから、言葉を紡いだ。
「この『気持ち』の意味は……『価値観』、いや、『意志』の方か。」
(ええ。それがやりたくないという意志。)
「やりたくない……そうか。だからわからなかったんだ、ずっと考えてもわからない部分が。お前が『気持ち』を押しつけてきたんだから。お前の『意志』が俺の『気持ち』と混ざったから。」
(そうだ。私は「価値観」を押しつけてない。押しつけたのは「意志」のほうだ。)
「なるほど。」
(あの状況は「仕方ない」ことだった。だから、ごめんなさい。)
私の言葉を聞いて、ロードルフ子爵は少し変な感情が芽生えたようだ。息が少し荒くなった。
「ああ。わかった。だが、それがどうした。俺も殺したくない気持ちがあったんだ。『仕方ない』ことだ。何で謝る?」
(私がそうしたかったから。)
「理由を言え、もっと具体的な理由を。」
(やりたくない気持ちがあるなら、私は謝らなければならない。)
「これだとあいまいすぎる!」
(悪いことをしたと思うから謝るんだ!)
でも、まるで私の言葉が届かなかったように、ロードルフ子爵はすぐ怒っていた。
「だからそれがどうした!」
(どうしたって……)まさかまだわからないのか?
「お前にはやりたくない理由があるだろう!お前にはお前の価値観があるだろう!」
(それはそうだが――)
「だがでも、けどでも、しかしでもクソでもねえ!お前は確かに押しつけた!俺も確かに爆発した!でもそれがどうした!」
あいまいな言葉。一瞬頭が回らなかった。
「お前は何のために謝った!」
私は何のために……
「あああ――これもたぶん『気持ち』というやつだろう。
お前は臆病な奴だ。
臆病で軟弱で、話がわからなくない奴だが間抜けで警戒心が緩すぎる。何もかもが無闇にペラペラと話す。加えてずっと気持ちが先走って、コロコロと変わって、予測不能なことを言っている!
だが、『ディベート』という変な知識が役に立ったし、俺に『気持ち』ということの大切さも知らせてもらった。仕事の時もあまり邪魔して来ないし、変に面白がる部分があった。お前は帰りたがっているのもわかっている!
けれど、ここまで臆病すぎると反吐が出る!お前は一体何に怯えている!お前は一体何のために謝っている!
まさか、俺に『気持ち』を与えたことに謝っているのか!
ふざけるな!俺にも『気持ち』があったと言ったんだ!『謝りたい』からっていう理由で、俺から『気持ち』を奪うな!」
ごめんなさい――と言いかけた。でも、ごめんなさいじゃない……そうか。私はただの罪悪感で……「自己満足」のために、謝りたかった。
(そう……ね。私は、自分の「罪悪感」で君に「謝りたかった」。)
「しかし、それは押し付けになるだろう。」
(ええ。そうね。)
「お前はその時俺に気持ちを押し付けた。そうだろう。」
(……そうだ。)
「お前の『気持ち』が俺の仕事に邪魔したのか?」
(いいえ、なかった。私はその後も何もしたくなかった。)
「ふん。確かにお前の言う通り、あれは『仕方ない』ことだった!俺も『共有感覚』によって、お前に『殺人』の『感覚』を押し付けた。あれは『仕方ない』ことだから。お互いに譲らないことがあったから!」
(そうだね。)
「ならばお前は自分の『価値観』に自信を持って!何の『罪悪感』も感じる必要がない!」
(でも……)
「でもでもとかうるさい!それとも何か。お前はもう一度自分の気持ちを俺に押し付けたいのか!」
(そんなつもりはない。)
「ならば、このままでいい!罪悪感を感じるのがお前の勝手だ。だが、俺に押し付けるんじゃない!」
(……そうだね。君の言う通りだ。)
「ふん。」
(でも、罪悪感を感じることも大事だと思うよ。)
「ほう?では、その『罪悪感』は何のことだろう?俺にはわからんな。」
はあ?あ、いや……なるほど。
(ロードルフ子爵様。)
「何だ?」
(あなたは「人」を怒らせるのがとても上手のようだね。)
「はっ!お褒めにあずかりありがとうよ。『罪悪感』の達人さん。」
まったく……やはり彼はすでに知っていた。ここでびっくりさせて。
これはつまり、気持ちの余裕ができたということ。いいことだ。
“だが、それがどうした?”
やめて。
“この人と仲良くなって、それがどうした?”
“仲良くなって、これで帰れるの?”
これは後ろめたさと現実逃避だ!
私は臆病な人だ。
ずっと人とうまく付き合えるために、“ありがとう”・“ごめんなさい”・“お願いします”と言ったんだ。でも、それは本心ではない。
証拠は、高校まで一人の親友もいなかった。表だけの友達ならいた。しかし、それだけだ。
悪口が言われた。悪い噂も流された。何もしなくても、世渡りができても、人は噂が立つものだ。だから私にとって、人の評価が重要だ。
“ねえ、さな子は父さんと感情がとてもいいんだよ。気持ち悪いぐらいにね。”
“ええ?まさか彼女は父さんとずっと家でアレコレやった?”
“うぇ、家族と?気持ち悪い。”
“それに、彼女はずっと「パパ」と呼んでいたよ。”
“何それ、子供か。”
後の話はどう考えてもあまり良くならない感じだから、今の3-10の形になりました。
どうでしょうか?これはこれでありですかね?




