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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第六章(最終章)
72/75

12(END)

さな子:       |ロード:さっきのあれ、

             一体何だろう。

さな子:わからない。 |ロード:

さな子:       |ロード:見た感じ、俺の記憶

             みたいだが……

             ちょっと気持ち悪いな。

さな子:そう?そんな |ロード:

ことはないと思うけど

……   

さな子:       |ロード:君と関係ないから、

               そう言える。

さな子:でも、こっち |ロード:

は私のこともあるよ?

全然気持ち悪くないよ。 

さな子:       |ロード:……やはり、

             不気味なところだな。

さな子:それはそう  |ロード:

だね。       

さな子:       |ロード:また変なのが……

            いや、今回はちょっと違う

             な。

さな子:うん。それに |ロード:

なんか壁みたいなもの

がある。

           |ロード:おい!


さな子:


           |ロード:待て!

             ここで待とう。     

さな子:わかった。 

           |ロード:まったく……


でも、あの壁は何なんだろう?


           さあ、知らないな。


あ、またぐちゃぐちゃな感じが……


          ここはずっとこんな感じなのか?

            なんでだ。


わからない。もしかして、疲れたの?


           いや、違うな……


もうさっきみたいにできないの?


↑……わからん。こうなるしかない。


そうか……ならあまり気にしなくていいよ。


        ↑いいだろう。とりあえず、

         待とうか。


うん。


        ↑あれか?三人っていう……


そう……かも!


そうかも!

****           

まえだ:さなちゃん!  

かるい:さな子!   

いばら:さな子さん!

****


本当だ!

良奈ちゃん!翔君!伊原先輩!

              ↑……


              ↑はっ……良かったな。

うん……


本当に、本当に良かった……


****             

まえだ:さなちゃん……私も、また会えて……うれしかった……  

いばら:さな子!私もずっと会いたかったよ……

かるい:僕も…… 

****


私も……また会えてうれしいよ……


みんな、ありがとう。


****

まえだ:うん。私も……

いばら:良かった……

かるい:でも、さっき前にいたはずなのに……どうして、すぐ後ろに…… 

****

             ↑ここは変なところだ。

              いちいち気にしたら、

              ぐちゃぐちゃになる。


**** 

まえだ:あ、さなちゃん、この人は……  

いばら:

かるい:

****


ロードルフと言うの。

ちょっと嫌な人だけど、

悪い人ではない。


             ↑おい。


****

まえだ:そうか……ありがとう。さなちゃんを送ってくれて。

いばら:ありがとう。

かるい:ありがとう。

****

             ↑ふん……

……自分で自己紹介しないの?

             ↑必要ない。

            俺はもうすぐ帰るから。             


そうか……でも、私もありがとう。

             ↑はっ!

              どういたしまして。


****

まえだ:仲がいいね。

いばら:そうね……

かるい:

****


             ↑それより、

            君たちは迎える人だろう?

            あとは君たちに頼んだぞ。


****

まえだ:はい!

いばら:はい!

かるい:うん。任せてください。

****


             ↑では、俺は帰るぞ。


あ、ロードルフ子爵。


             ↑なんだ。


本当に今まで、ずっと、ありがとうございました。


             ↑……今更だ。もう帰る。


さようなら。


             ↑……


             ↑さようなら。


             ↑……


             ↑

 

もう行ったね。


****

まえだ:うん……

いばら:いい人だね。

かるい:うん。

****


……では、どう帰るの?


****

まえだ:あ、これは翔さんに……

いばら:翔君。

かるい:ええと、たしかこう――

****


| |


あ、なんか……見たこと?感じたこと?ある!


****

まえだ:これちょっと、気分悪いよね。

いばら:うん。

かるい:

****


うん……


| |

| |



****

まえだ:

いばら:

かるい:あと少しだ……

****


| |

| |

| |


あの……みんなに言いたいことがある……


****

まえだ:うん?

いばら:どうしたの?

かるい:

****


その、貫太郎君……五十鈴部長が……


****

まえだ:……

いばら:……

かるい:わかっているよ。

****


え……


****

まえだ:……

いばら:……

かるい:部長が教えてくれたから。

****


……そうか。


****

まえだ:……

いばら:……

かるい:大丈夫だよ。部長なら、きっと……

****


……そうだね。貫太郎君なら、きっと……できる。


****

まえだ:……

いばら:……

かるい:とりあえず、先に帰ろう。

****


うん。


****

まえだ:帰ろう。

いばら:帰ろう。

かるい:少し長い道になるかもしれない。知りたくないこともあるかもしれない。でも、私たちはずっと待っていた。そして、さな子のおじさんも……

****


あ、そうだ!パパは?大丈夫?


****

まえだ:大丈夫よ!少し憔悴したけど……いいや、かなり憔悴したけど、なんとか……

いばら:うん。来栖という方がいたから、何とかなった。

かるい:大丈夫。さな子が起きたら、きっとすぐ立ち直るんだ!

****


来栖……たしかパパの後輩……そうか……良かった。


****

まえだ:うん。

いばら:

かるい:もう聞きたいことがないよね?ずっとここで会話するのも脳がパンクしそうだから。

****


うん。早く帰ろうか。


****

まえだ:うん!

いばら:うん。

かるい:では……途中まで一緒に行けると思う。

****


では、行こう!


黒井さな子

前田良奈

伊原千美

軽井翔

 ↓

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |


……………………


****


 三人が決意した後、約一時間半。


「どう?」と前田良奈が言った。


 「まだだ。もうすぐ対面する。今部長の方が待機している。」と軽井翔が言った。


 「なんか、緊張するね。二人はどう会話するだろう?」と伊原千美が言った。


 「はは、そうだね……どう会話するか知らないけど、まず泣くじゃない?安心して泣くとか。」


 「そうね。さなちゃんなら泣きそう。」


 「部長は案外適応力がすごいから、たぶん泣かないけど、嬉しくなるだろう。」


 「とりあえず、どうか何の事故も起こらないように。」


 そして、時間が普通に進んでいる。事故が起こらなかった。


「さな子が無事に到着した!」


「本当だ。」三人がキャラクターの会話のモーションを見ている。


しばらく会話のモーションを見た後、キャラクターは一室のところに入った。ここで三人が交互に見て、安心しているように息を吐いた。


「「「良かった。」」」


 「これで大丈夫だよね?」


 「うん。途中で強盗や山賊が出ることもあるから。その時時間が遅れる、メッセージも出てくる。何のメッセージが出ないという意味は安全に着いたということだ。」


 「良かった。でも、部長は何で自分が向かないだろう?騎士隊長なら、軍隊を連れて、一緒に行った方が安全じゃない?」


 「どうだろう……詳しい事情がわからないから、判断しつらいな。一番思い当たる状況はたぶん勝手に連れてはいけないことだろう。あと、勢力の問題と身分かな。」


 「たしかロードルフ……爵位は子爵だよね。侯爵より上なの?」と伊原千美が言った。


 「いや、侯爵より低いよ。しかし、低いと言っても、このメリーとロードルフ二人とも、領主という身分がある。息子や跡継ぎもいないし、勝手にいなくなったら、問題になるだろう。

対して、さな子のほうは国の体制も変わったし、家族の順位も一位ではない。侯爵が直々外交するのも珍しくないことだと思う。少なくともこのゲームではね。」


 「なるほど。」


 「でも、少しさなちゃんらしくないな……その、家族を大事にしないのは。」


 「まあ、あくまで推測だからね。間違っているのも全然あると思う。そもそもこの二人は――」


 「――さなちゃんと部長の証拠がない。そうだね?」


 「そう。」


 まるで気持ちが通じ合ってるように、前田良奈と軽井翔がふふと笑っていた。


 「あ!翔君。これは何?」と伊原千美が指で一箇所を指した。


 軽井翔が驚異な目で指した箇所を見た後、「これは……」と呟いた。


 「どうしたの?悪いことなの?」と前田良奈が慌てて言った。


 「いいや、わからない。ただ、オブジェクトが……影響できる?」


 「どういうこと?」


 「ほら、こうして――」軽井翔はマウスで何個の建物とキャラクターのところに示した。


「――マウスで移動すると、建物とキャラクターは緑色のふちが出てくるじゃない?」ゲームの画面に、軽井翔の言う通り、緑色の縁が出てきた。


「うん。」


 「普通のゲームの場合、これをクリックすると、何らかの情報が出てきて、そして影響や操縦などのことができるようになる。

でも、さっき見せただろう?今クリックしても、ただ情報や行動の方針などが見れるだけ。影響や操縦などのことができない。」


 「じゃあ、オブジェクトというのは何?」 


 「本当に説明したら、きりがないので、簡単に説明するね。オブジェクトは普通の場合では影響できないものだ。ただの景色の一環。ゲームではそういうもの。」


 「でも、そのオブジェクトは今影響できるようになった。」と前田良奈が言った。


 「つまり、異常な状況だね。」と伊原千美が結論を出した。


 「ああ。二人とも――」もう少し話し合うじゃないかと思った軽井翔、質問も言ってなかったが、すぐ返事を得た。


 「「やろう!」」


 「伊原先輩も……」


 「これは試す価値があることだよ。勇気が必要なら、私たちがあげよう。」


 「うん!」


 「……そうだね。じゃあ。」


軽井翔は「窓」をクリックした。クリックしたら、文字化けの情報が出てきた。


****

 %^&*室の窓:

 せOめい:

 ただのMD。今、不KC議の力によって干4Oされる。$n17を超えた何かが。

****


 「影響?」「しない?」


 二つの選択肢が現れて、一瞬動きが留まったが、軽井翔は「影響」の方を選んだ。


 うぅーーーん


 窓がじわりと開いた。効果音がないため、どうなったのか三人もわからない。


 「何か……変わった?」


 「ないね。モーションが一瞬止まっただけ。」


 「ほ、他に何かあるか探そう!きっと窓だけじゃ――」


 「あ!これは?」マウスがスライドする時、一瞬だけ緑色の縁が見えた前田良奈、すぐ指で指した。


 「本棚ね。」


 軽井翔はすぐ「本棚」をクリックした。「窓」の時と同じ、意味不明な情報が出てきた。


****

 %^&*室の本棚:

 せOめい:

 ただのHDN。今、不KC議の力によって干4Oされる。$n17を超えた何かが。

****


 「影響?」「しない?」


 当然、軽井翔はもう一度「影響」の方を選んだ。


 パタみたいに、本棚から一冊の本が落ちただけ。


 うぅーーーーーーーーーーーん


 「……何の、意味があるだろうか?」


 「わからない……それに、なんかさっきから、なんか変な音が聞こえない?」


 「いや、これ……パソコンの音だ。CPUが負荷になったみたいな音……」


 「え、え?悪いの?」


 「……よくないと思う。もしかして、干渉したから?とりあえず、電源が落ちられないように、しばらく何もしないほうがいいだろう……」


 「わ、わかった。」


 「あ、何か物を机に置いたらしい……ねえ、情報だけなら見れる?どんなものか見れるかな?」


 「……『影響』しないなら、大丈夫かな。」軽井翔はゆっくりとマウスカーソルを合わせた。緑色の縁が出てきた。


 「よし。大丈夫っぽい。」


 「じゃあ……」カチッと、軽井翔はクリックした。


 アイテムの情報が出てきた。そのほとんどの情報が文字化けになっていて、読める情報が少ない。


 それでも、三人がとある情報に目を離せなかった。


****

 %^&書:

OO:『XX』――XX、『++』――++・++、『$G』――ZR、『オカルト』――WHOU

 入_方_:XXーXリアル、R報酬、X密__製造


せOめい:黒井さなロードルフ五十鈴貫太郎アリエス


……


Xせ、%^&書は_人……生……ない。


もし相応しくない____方法___、……、一つの___滅亡___であろう。


……


あらゆる_Iの__せい。


****


 「二人の名前が……」と前田良奈が言った。


 「その括弧は……二人がなりきったキャラクターの名前なのか?」と伊原千美が言った。


 「そ、そんなのもういい。この情報……どういうことだ?」と軽井翔が言った。


 「か、翔君もわからないなら、私たちは――」


 「違う!この説明を見たら、嫌な感じがしないの?」


 「どういうこと?」


「ほら、こことここで繋げたら、説明が嫌な感じに……」軽井翔が指で指した。


 「人生、ない。もし相応しくない方法……一つの、滅亡……」


 「どういうことだよ!説明文は変わらないじゃないの?」物騒な単語を聞いて、前田良奈は不安になった。


 「わからないよ!でも今変わったじゃん!」


 「まさか、一人がし……」


 「ないんだよね!そんなことないんだよね!伊原さん!」と前田良奈が泣きそうな顔で言った。


 「そ、そうだね。それに、『もし相応しくない方法』って書いてあったじゃん!つまり、確定……じゃない!」と伊原千美が震えている手で指して言った。


 「そ、そうだな。確定じゃない!もっと他の物を……」軽井翔がマウスカーソルを移動し、すぐ緑色の縁が発見した。


それは「机」。


 「こ、これは……やったほうがいいのか?」軽井翔が二人を見た。


 「わ、わからない……」


 「私は……」


 もしかして、一人が死ぬ……この念頭が浮かびあがった途端、前田良奈でも行動できなくなってきた。


 「……どうする?」軽井翔は決められなかった。


 「私は……」前田良奈も決められなかった。


 「わからない。」伊原千美も、決められなかった。


 何秒の間、三人が喋らなかった。


 うぅーーーん……パソコンの負荷が少し軽くなったらしい。音がさっきより小さくなった。しかし、三人は考えこんでいた。


どうすればいいの?と全員目を閉じて考えている。


目を閉じて――パチと、三人が自分はどこかに繋がっていたと感じた。


****


 あれは、密書の内容を考えている時のことだった。


“「翔君、これはやめたほうがいいじゃない?たぶん部長しかわからないことだと思う。」と伊原千美が言った。”


 “「そうか?でも、さな子さんはあの時も見ていたし、気にしていると思うけど……」と軽井翔が言った。”


 “「いや、さなちゃん意外と抜けている部分があるから、興味がないものは少し忘れっぽいところがある!」と前田良奈が言った。”


 ……


 このことを見ている三人、不思議と誰かに見られている感じがした。誰もいないのに、見られていた感じだった。


 “「ここは……どこ?さっき部屋の中にいたはず……」”


 “「翔君?」”


 “「伊原先輩?」”


 “「その、二人も?」”


 “「良奈さんも?ここは一体どこ――」”

 ____________

 ごめんね。わけがわからないよね?私もわけがわからない。

 ____________


 “「これは……声?それにこの感じ……!」”

 ____________

 あまり時間がないから、簡潔に言うね。

 ____________


 “「待て!君は部長だよね!」”

 ____________

 うん。そうだよ。

 ____________


 “「部長……私……」”

 ____________

 ああ……ええと、今「壁」があるから、君たちはこっちに引き込まれなくて済むが、それでも長く話せない。要点を伝えるね。

 ____________


“「壁、要点……」”

 ____________

うん。とにかく、君たちはまずさな子をそっちに連れ戻して。私は後でいいから。

 ____________


 “「後でいいって……何か方法があるのか?」”

 ____________

 あるよ。時間がないから、説明できないけど。とりあえず、思いっきりさな子を連れ行ってね!

 ____________


 “「……わかった。でも、具体的な方法は?」”

 ____________


「繋がり」を作るんだ!君たちのほうがどう作るかわからないけど、できることがあるなら、思いっきりやって!きっと繋がることができる!

 ____________


 “「『繋がり』……」”

 ____________


 では、頼んだよ。

 ____________

 

スーと、視線の感じがなくなった。


****


 まるで夢みたい、三人が目を開けた。


さっきのは現実か?それとも、緊張しすぎて、白昼夢でも見ていただろうか。あるいは集団幻覚?


三人は知らなかった。


でも時計を見て、一分も経ってなかった。


 三人は交互に顔を見て、驚きと戸惑う表情は同じ状況を見たと確信した。


 「さっきのは……部長だったよね?君たちも聞こえた?」


 「「うん。」」


 「どうする?『繋がり』を作るって……きっとこれのことだろう。」軽井翔はゲームの画面を見ている。


 「私は……やる。部長を信じる!」と前田良奈が言った。


 「みんなの意見に従う。」と伊原千美が言った。


 「わかった。私も……部長を信じる。ずっともたもたしたら、せっかくのチャンスもなくなるかもしれん。」


 「影響?」「しない?」


 軽井翔が「机」に「影響」のほうをクリックした。


 うぅーーーーーーんと、またパソコンから騒音が大きくなった。


 「あ!」


 「条件……解放?」


 ゲーム画面に一つのメッセージとウィンドウとともに現れ、三人が何も動かなかった。


 決してすぐにわかるようなメッセージではない。だが、メッセージの文字を合わせてみれば、簡単に解読できる。


****

 メッセージ:


 ___く__さな__、この__せいの__条件が__解放__した。


 か……、え__らせる?


 「はい」「いいえ」

****


 三人がこのメッセージを見た後、迷っていた。


「どうする……」


「時間制限は……ないけど、どうしたほうがいいかわからない。」


「でも、部長が思いっきりって言った。すぐ返答したほうが……」


 「でも、部長も自分が後でいいって言った。その“後でいい”っておかしくない?時間が短いとはいえ、かなり催促したよ。」


 「わからないよ……どうすればいいか、もうわからなくなってきた。二人一緒じゃなくてもいいの?それとも一人だけ選ぶの?」


 5分が経った。


 「どうす――あ。」


 「何?」


 「次女は……確かに部長だろう。部長が置いた手紙だ。きっとメッセージが……」


 「ど、どんな内容を?」


 三人が一緒に手紙の内容を見た。


 ****

 手紙のメッセージ:

 みんな、口で伝えなくてごめん。しかし、こうして伝えなければいけないことがあるんだ。

 いろんな事情があって、私はさな子と“一緒に”帰れない。だから、君たちに先にさな子を連れて行ってと言った。

 心配しないで!私は帰ることを諦めるつもりじゃない!たださな子より帰るのが遅いだけ!

 だから、その間、しばらく私のことを忘れて。ずっと私のことに引きずられたら良くないから。

 そして、繋がりを作る方法は――さな子の名前を記すもの。書くなら、ちゃんと気持ちと思いを込めて書いてね。親しみの人に書かせたら一番いいと思う。

また、そのものを本人のところに置いたほうがいいだろう。こちらは私がやっておく。

せっかくのチャンスだ。これを見逃したらあかん。

 だから、頼むぞ!

 ****

 

 「僕は……はいにするよ。」と軽井翔が言った。


 「え、でも……」


 「もう悩んでもしょうがない……部長を信じるなら、最後まで信じる。僕たちは、こうするしかない。」


 「……」


 「そうね。」


 「では……」


 軽井翔は「はい」の選択をした。


 そして、何の反応も起きなかった。


 「は、ははは、はっははははは!決心した結果、こんなことだったとは……何の反応もなかった。」選択を押したのに、何も起きなかった。こんな状況に軽井翔が笑い出した。


 「結局、すべてはただの僕の妄想だ……何か二人がゲームに転移された。バカげた話だ!結局ただのバグだ!僕の脳がおかしくなっただけだ!」


 「か、翔さん。やめてください!」


 「翔君!やめて!違うの!」


 「何か違うんだ!何の反応もなかった!証拠はほら!今何も起こらなかった!」


 「き、きっと時間が必要だと思う!」


 「そ、そうだ!それに、手紙も書いたじゃん。さな子の名前を記すもの、“ちゃんと気持ちと思いを込めて書く”。きっとさな子の名前を記すものを探す時間だ!そういうことだと思う!」


 「……」


 「私、写真を持っている。どう?裏のところにさなちゃんの名前を書いてみる?」


 「うん!そうしよう!翔君。諦めるにはまだ早いよ。」


 「そう……だね。ごめん。取り乱してしまった。」


 「ううん、半年でやっと一つ決心したのに、何も起こらなかった。当然おかしくなるよ。それに、さっきいろんなことが起きたし、無理もない。」


 「ごめん。」


 「気にしないで。でも、さなちゃんのパパにも書いたほうがいい?今病院に行ったら、たぶんいると思う。」


 「……そうね。あのおじさんなら、きっと僕たちより、気持ちと思いを込めるだろう。」


 「そうだね。」


 「でも、全員行く?ゲームの監視は……」


 「遠隔の操作システムがあるよ。僕一人で家に見れない時、携帯で遠隔操作したことがある……見るだけなら、これでいい。」


 「うん。では、出発しよう!」


 そして、三人が病院へ。


****


……………………



これは……夢?いいや、夢じゃない。流れてきた記憶だ。全てが真実だ。私のために動いた友達。


大好きな人達……


良奈ちゃん、伊原先輩、翔君……全員、大人っぽい顔になった。綺麗で、かっこいい。


そして、知らない記憶が――


“「あの……さなちゃんのパパ。」”良奈ちゃんがパパのことを呼んでいる。


パパの顔がとても、とても憔悴して、虚ろな目をしている。


“「そうそう……あれだね、良奈ちゃん、だっけ?」”空虚な笑顔……まるで屍のように……

 “「……何の用事?」”


“「あ、ええと、これが渡したいから……」”良奈ちゃん一つの写真をパパに見せた。


しかし、何の動揺も見せなかった。


パパ……やめて、ずっとそんな――


“「これは、来栖が……なのか?」”


“「い、いいえ、私が、渡したいだけ……」”


“「そっか……」パパが一度動いた手が無力な感じで垂れた。


パパ……


恐らく一番直近の出来ことだろう。今回、良奈ちゃんが一枚の写真をパパに渡した。場所は病院。全員いた。来栖さんも……


“「さなちゃんは、起きる!」”良奈ちゃん。


“「だから、一つお願いがあります。」”伊原先輩。

 

“「ここに、ちゃんとさな子の名前を書いて。そしたら……」”翔君。


“「そしたら、起きるのか?」”来栖さん……


“「ふざけないで――と言いたいんだが……そうは見えないね。先輩……」”


パパはこの時でも、屍のように……


“「書いたら、何に――」”


“「さなちゃんは起きる!絶対に!ちゃんと気持ちと思いを込めて書いたら……」”


“「気持ちと思い……」”パパが震えている手で、写真を受け取った。ゆっくりと、ゆっくりと、私の名前を――


軽井翔:「では、ここでお別れだね。」

 黒井さな子:「お別れ?まさか……」

 伊原千美:「君が自分の身体に帰るということなの。もう、翔君ったら、誤解させるような言い方をしやがって。」

軽井翔:「はは。ごめん。嬉しすぎてつい。」

黒井さな子:「……びっくりしたよ。」

前田良奈:「ふふ。翔さん少しイジワルね。」

 黒井さな子:「そうね。」

軽井翔:「まあ、とりあえず、またあとでね。待っているよ。」

伊原千美:「うん。みんな、待っている。」

 前田良奈:「また、一緒に遊ぼうね。」

 黒井さな子:「……うん。みんな――」


 大好き。


 ――黒井さな子と書いた。


黒井さな子

 ↓

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

|   |

| 私 |

  ↓

黒井さな子

 黒井尚葉 来栖

前田良奈 伊原千美 軽井翔

****


 瞼が重い。


 身体が動けない。


 だが、私は感じられる。周りに大好きな人たちがいることを。


 ああ、今は少しでも喋りたかった。だが、衰えていた身体がそれを許さない。目を開けることがやっとだった。


それでも、私のことを気付いてくれた人たちがいた。


 涙、驚喜……この二つの感情が混ざって、どの人も何とも言えない顔になった。


 パパの手が震えていて、びくびくとした動きが少し私を触ろうとしたら、うっかり壊しちゃうと思っている感じで、すぐ手を引いてしまった。


 私は、帰っていた。


 ぜひ、私が言いたいことを気付いてほしい。本当はいろんなことが言いたい、いろんな話がしたい……


でも、今はこの一言がいいだろう。


 “ただいま。”



終わり!

黒井さな子の友人たちのヒミツ1(前田良奈):

実は、運動派女子。


黒井さな子の友人たちのヒミツ2(伊原千美):

実は、ネーミングセンスがかなり独特。


黒井さな子の友人たちのヒミツ3(軽井翔):

実は、他人の口水が苦手で、間接キス無理派。



本編終わりました!小話も終わりました!

後記はまだいつか書きますね~

そして、どうでしょうか?

もし良かったら、ぜひ感想、いいね、☆の評価をしてほしいです!励みになります!


では、次の作品を書きますね!

時々番外編とか、IFストーリーみたいな部分をアップします!

その時、またお楽しみに!

では、次の作品に会いましょう!

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