12(END)
さな子: |ロード:さっきのあれ、
一体何だろう。
さな子:わからない。 |ロード:
さな子: |ロード:見た感じ、俺の記憶
みたいだが……
ちょっと気持ち悪いな。
さな子:そう?そんな |ロード:
ことはないと思うけど
……
さな子: |ロード:君と関係ないから、
そう言える。
さな子:でも、こっち |ロード:
は私のこともあるよ?
全然気持ち悪くないよ。
さな子: |ロード:……やはり、
不気味なところだな。
さな子:それはそう |ロード:
だね。
さな子: |ロード:また変なのが……
いや、今回はちょっと違う
な。
さな子:うん。それに |ロード:
なんか壁みたいなもの
がある。
|ロード:おい!
さな子:
|ロード:待て!
ここで待とう。
さな子:わかった。
|ロード:まったく……
でも、あの壁は何なんだろう?
さあ、知らないな。
あ、またぐちゃぐちゃな感じが……
ここはずっとこんな感じなのか?
なんでだ。
わからない。もしかして、疲れたの?
いや、違うな……
もうさっきみたいにできないの?
↑……わからん。こうなるしかない。
そうか……ならあまり気にしなくていいよ。
↑いいだろう。とりあえず、
待とうか。
うん。
↑あれか?三人っていう……
そう……かも!
そうかも!
****
まえだ:さなちゃん!
かるい:さな子!
いばら:さな子さん!
****
本当だ!
良奈ちゃん!翔君!伊原先輩!
↑……
↑はっ……良かったな。
うん……
本当に、本当に良かった……
****
まえだ:さなちゃん……私も、また会えて……うれしかった……
いばら:さな子!私もずっと会いたかったよ……
かるい:僕も……
****
私も……また会えてうれしいよ……
みんな、ありがとう。
****
まえだ:うん。私も……
いばら:良かった……
かるい:でも、さっき前にいたはずなのに……どうして、すぐ後ろに……
****
↑ここは変なところだ。
いちいち気にしたら、
ぐちゃぐちゃになる。
****
まえだ:あ、さなちゃん、この人は……
いばら:
かるい:
****
ロードルフと言うの。
ちょっと嫌な人だけど、
悪い人ではない。
↑おい。
****
まえだ:そうか……ありがとう。さなちゃんを送ってくれて。
いばら:ありがとう。
かるい:ありがとう。
****
↑ふん……
……自分で自己紹介しないの?
↑必要ない。
俺はもうすぐ帰るから。
そうか……でも、私もありがとう。
↑はっ!
どういたしまして。
****
まえだ:仲がいいね。
いばら:そうね……
かるい:
****
↑それより、
君たちは迎える人だろう?
あとは君たちに頼んだぞ。
****
まえだ:はい!
いばら:はい!
かるい:うん。任せてください。
****
↑では、俺は帰るぞ。
あ、ロードルフ子爵。
↑なんだ。
本当に今まで、ずっと、ありがとうございました。
↑……今更だ。もう帰る。
さようなら。
↑……
↑さようなら。
↑……
↑
もう行ったね。
****
まえだ:うん……
いばら:いい人だね。
かるい:うん。
****
……では、どう帰るの?
****
まえだ:あ、これは翔さんに……
いばら:翔君。
かるい:ええと、たしかこう――
****
| |
あ、なんか……見たこと?感じたこと?ある!
****
まえだ:これちょっと、気分悪いよね。
いばら:うん。
かるい:
****
うん……
| |
| |
****
まえだ:
いばら:
かるい:あと少しだ……
****
| |
| |
| |
あの……みんなに言いたいことがある……
****
まえだ:うん?
いばら:どうしたの?
かるい:
****
その、貫太郎君……五十鈴部長が……
****
まえだ:……
いばら:……
かるい:わかっているよ。
****
え……
****
まえだ:……
いばら:……
かるい:部長が教えてくれたから。
****
……そうか。
****
まえだ:……
いばら:……
かるい:大丈夫だよ。部長なら、きっと……
****
……そうだね。貫太郎君なら、きっと……できる。
****
まえだ:……
いばら:……
かるい:とりあえず、先に帰ろう。
****
うん。
****
まえだ:帰ろう。
いばら:帰ろう。
かるい:少し長い道になるかもしれない。知りたくないこともあるかもしれない。でも、私たちはずっと待っていた。そして、さな子のおじさんも……
****
あ、そうだ!パパは?大丈夫?
****
まえだ:大丈夫よ!少し憔悴したけど……いいや、かなり憔悴したけど、なんとか……
いばら:うん。来栖という方がいたから、何とかなった。
かるい:大丈夫。さな子が起きたら、きっとすぐ立ち直るんだ!
****
来栖……たしかパパの後輩……そうか……良かった。
****
まえだ:うん。
いばら:
かるい:もう聞きたいことがないよね?ずっとここで会話するのも脳がパンクしそうだから。
****
うん。早く帰ろうか。
****
まえだ:うん!
いばら:うん。
かるい:では……途中まで一緒に行けると思う。
****
では、行こう!
黒井さな子
前田良奈
伊原千美
軽井翔
↓
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
……………………
****
三人が決意した後、約一時間半。
「どう?」と前田良奈が言った。
「まだだ。もうすぐ対面する。今部長の方が待機している。」と軽井翔が言った。
「なんか、緊張するね。二人はどう会話するだろう?」と伊原千美が言った。
「はは、そうだね……どう会話するか知らないけど、まず泣くじゃない?安心して泣くとか。」
「そうね。さなちゃんなら泣きそう。」
「部長は案外適応力がすごいから、たぶん泣かないけど、嬉しくなるだろう。」
「とりあえず、どうか何の事故も起こらないように。」
そして、時間が普通に進んでいる。事故が起こらなかった。
「さな子が無事に到着した!」
「本当だ。」三人がキャラクターの会話のモーションを見ている。
しばらく会話のモーションを見た後、キャラクターは一室のところに入った。ここで三人が交互に見て、安心しているように息を吐いた。
「「「良かった。」」」
「これで大丈夫だよね?」
「うん。途中で強盗や山賊が出ることもあるから。その時時間が遅れる、メッセージも出てくる。何のメッセージが出ないという意味は安全に着いたということだ。」
「良かった。でも、部長は何で自分が向かないだろう?騎士隊長なら、軍隊を連れて、一緒に行った方が安全じゃない?」
「どうだろう……詳しい事情がわからないから、判断しつらいな。一番思い当たる状況はたぶん勝手に連れてはいけないことだろう。あと、勢力の問題と身分かな。」
「たしかロードルフ……爵位は子爵だよね。侯爵より上なの?」と伊原千美が言った。
「いや、侯爵より低いよ。しかし、低いと言っても、このメリーとロードルフ二人とも、領主という身分がある。息子や跡継ぎもいないし、勝手にいなくなったら、問題になるだろう。
対して、さな子のほうは国の体制も変わったし、家族の順位も一位ではない。侯爵が直々外交するのも珍しくないことだと思う。少なくともこのゲームではね。」
「なるほど。」
「でも、少しさなちゃんらしくないな……その、家族を大事にしないのは。」
「まあ、あくまで推測だからね。間違っているのも全然あると思う。そもそもこの二人は――」
「――さなちゃんと部長の証拠がない。そうだね?」
「そう。」
まるで気持ちが通じ合ってるように、前田良奈と軽井翔がふふと笑っていた。
「あ!翔君。これは何?」と伊原千美が指で一箇所を指した。
軽井翔が驚異な目で指した箇所を見た後、「これは……」と呟いた。
「どうしたの?悪いことなの?」と前田良奈が慌てて言った。
「いいや、わからない。ただ、オブジェクトが……影響できる?」
「どういうこと?」
「ほら、こうして――」軽井翔はマウスで何個の建物とキャラクターのところに示した。
「――マウスで移動すると、建物とキャラクターは緑色の縁が出てくるじゃない?」ゲームの画面に、軽井翔の言う通り、緑色の縁が出てきた。
「うん。」
「普通のゲームの場合、これをクリックすると、何らかの情報が出てきて、そして影響や操縦などのことができるようになる。
でも、さっき見せただろう?今クリックしても、ただ情報や行動の方針などが見れるだけ。影響や操縦などのことができない。」
「じゃあ、オブジェクトというのは何?」
「本当に説明したら、きりがないので、簡単に説明するね。オブジェクトは普通の場合では影響できないものだ。ただの景色の一環。ゲームではそういうもの。」
「でも、そのオブジェクトは今影響できるようになった。」と前田良奈が言った。
「つまり、異常な状況だね。」と伊原千美が結論を出した。
「ああ。二人とも――」もう少し話し合うじゃないかと思った軽井翔、質問も言ってなかったが、すぐ返事を得た。
「「やろう!」」
「伊原先輩も……」
「これは試す価値があることだよ。勇気が必要なら、私たちがあげよう。」
「うん!」
「……そうだね。じゃあ。」
軽井翔は「窓」をクリックした。クリックしたら、文字化けの情報が出てきた。
****
%^&*室の窓:
せOめい:
ただのMD。今、不KC議の力によって干4Oされる。$n17を超えた何かが。
****
「影響?」「しない?」
二つの選択肢が現れて、一瞬動きが留まったが、軽井翔は「影響」の方を選んだ。
うぅーーーん
窓がじわりと開いた。効果音がないため、どうなったのか三人もわからない。
「何か……変わった?」
「ないね。モーションが一瞬止まっただけ。」
「ほ、他に何かあるか探そう!きっと窓だけじゃ――」
「あ!これは?」マウスがスライドする時、一瞬だけ緑色の縁が見えた前田良奈、すぐ指で指した。
「本棚ね。」
軽井翔はすぐ「本棚」をクリックした。「窓」の時と同じ、意味不明な情報が出てきた。
****
%^&*室の本棚:
せOめい:
ただのHDN。今、不KC議の力によって干4Oされる。$n17を超えた何かが。
****
「影響?」「しない?」
当然、軽井翔はもう一度「影響」の方を選んだ。
パタみたいに、本棚から一冊の本が落ちただけ。
うぅーーーーーーーーーーーん
「……何の、意味があるだろうか?」
「わからない……それに、なんかさっきから、なんか変な音が聞こえない?」
「いや、これ……パソコンの音だ。CPUが負荷になったみたいな音……」
「え、え?悪いの?」
「……よくないと思う。もしかして、干渉したから?とりあえず、電源が落ちられないように、しばらく何もしないほうがいいだろう……」
「わ、わかった。」
「あ、何か物を机に置いたらしい……ねえ、情報だけなら見れる?どんなものか見れるかな?」
「……『影響』しないなら、大丈夫かな。」軽井翔はゆっくりとマウスカーソルを合わせた。緑色の縁が出てきた。
「よし。大丈夫っぽい。」
「じゃあ……」カチッと、軽井翔はクリックした。
アイテムの情報が出てきた。そのほとんどの情報が文字化けになっていて、読める情報が少ない。
それでも、三人がとある情報に目を離せなかった。
****
%^&書:
OO:『XX』――XX、『++』――++・++、『$G』――ZR、『オカルト』――WHOU
入_方_:XXーXリアル、R報酬、X密__製造
せOめい:黒井さな子・五十鈴貫太郎
……
Xせ、%^&書は_人……生……ない。
もし相応しくない____方法___、……、一つの___滅亡___であろう。
……
あらゆる_Iの__せい。
****
「二人の名前が……」と前田良奈が言った。
「その括弧は……二人がなりきったキャラクターの名前なのか?」と伊原千美が言った。
「そ、そんなのもういい。この情報……どういうことだ?」と軽井翔が言った。
「か、翔君もわからないなら、私たちは――」
「違う!この説明を見たら、嫌な感じがしないの?」
「どういうこと?」
「ほら、こことここで繋げたら、説明が嫌な感じに……」軽井翔が指で指した。
「人生、ない。もし相応しくない方法……一つの、滅亡……」
「どういうことだよ!説明文は変わらないじゃないの?」物騒な単語を聞いて、前田良奈は不安になった。
「わからないよ!でも今変わったじゃん!」
「まさか、一人がし……」
「ないんだよね!そんなことないんだよね!伊原さん!」と前田良奈が泣きそうな顔で言った。
「そ、そうだね。それに、『もし相応しくない方法』って書いてあったじゃん!つまり、確定……じゃない!」と伊原千美が震えている手で指して言った。
「そ、そうだな。確定じゃない!もっと他の物を……」軽井翔がマウスカーソルを移動し、すぐ緑色の縁が発見した。
それは「机」。
「こ、これは……やったほうがいいのか?」軽井翔が二人を見た。
「わ、わからない……」
「私は……」
もしかして、一人が死ぬ……この念頭が浮かびあがった途端、前田良奈でも行動できなくなってきた。
「……どうする?」軽井翔は決められなかった。
「私は……」前田良奈も決められなかった。
「わからない。」伊原千美も、決められなかった。
何秒の間、三人が喋らなかった。
うぅーーーん……パソコンの負荷が少し軽くなったらしい。音がさっきより小さくなった。しかし、三人は考えこんでいた。
どうすればいいの?と全員目を閉じて考えている。
目を閉じて――パチと、三人が自分はどこかに繋がっていたと感じた。
****
あれは、密書の内容を考えている時のことだった。
“「翔君、これはやめたほうがいいじゃない?たぶん部長しかわからないことだと思う。」と伊原千美が言った。”
“「そうか?でも、さな子さんはあの時も見ていたし、気にしていると思うけど……」と軽井翔が言った。”
“「いや、さなちゃん意外と抜けている部分があるから、興味がないものは少し忘れっぽいところがある!」と前田良奈が言った。”
……
このことを見ている三人、不思議と誰かに見られている感じがした。誰もいないのに、見られていた感じだった。
“「ここは……どこ?さっき部屋の中にいたはず……」”
“「翔君?」”
“「伊原先輩?」”
“「その、二人も?」”
“「良奈さんも?ここは一体どこ――」”
____________
ごめんね。わけがわからないよね?私もわけがわからない。
____________
“「これは……声?それにこの感じ……!」”
____________
あまり時間がないから、簡潔に言うね。
____________
“「待て!君は部長だよね!」”
____________
うん。そうだよ。
____________
“「部長……私……」”
____________
ああ……ええと、今「壁」があるから、君たちはこっちに引き込まれなくて済むが、それでも長く話せない。要点を伝えるね。
____________
“「壁、要点……」”
____________
うん。とにかく、君たちはまずさな子をそっちに連れ戻して。私は後でいいから。
____________
“「後でいいって……何か方法があるのか?」”
____________
あるよ。時間がないから、説明できないけど。とりあえず、思いっきりさな子を連れ行ってね!
____________
“「……わかった。でも、具体的な方法は?」”
____________
「繋がり」を作るんだ!君たちのほうがどう作るかわからないけど、できることがあるなら、思いっきりやって!きっと繋がることができる!
____________
“「『繋がり』……」”
____________
では、頼んだよ。
____________
スーと、視線の感じがなくなった。
****
まるで夢みたい、三人が目を開けた。
さっきのは現実か?それとも、緊張しすぎて、白昼夢でも見ていただろうか。あるいは集団幻覚?
三人は知らなかった。
でも時計を見て、一分も経ってなかった。
三人は交互に顔を見て、驚きと戸惑う表情は同じ状況を見たと確信した。
「さっきのは……部長だったよね?君たちも聞こえた?」
「「うん。」」
「どうする?『繋がり』を作るって……きっとこれのことだろう。」軽井翔はゲームの画面を見ている。
「私は……やる。部長を信じる!」と前田良奈が言った。
「みんなの意見に従う。」と伊原千美が言った。
「わかった。私も……部長を信じる。ずっともたもたしたら、せっかくのチャンスもなくなるかもしれん。」
「影響?」「しない?」
軽井翔が「机」に「影響」のほうをクリックした。
うぅーーーーーーんと、またパソコンから騒音が大きくなった。
「あ!」
「条件……解放?」
ゲーム画面に一つのメッセージとウィンドウとともに現れ、三人が何も動かなかった。
決してすぐにわかるようなメッセージではない。だが、メッセージの文字を合わせてみれば、簡単に解読できる。
****
メッセージ:
___く__さな__、この__せいの__条件が__解放__した。
か……、え__らせる?
「はい」「いいえ」
****
三人がこのメッセージを見た後、迷っていた。
「どうする……」
「時間制限は……ないけど、どうしたほうがいいかわからない。」
「でも、部長が思いっきりって言った。すぐ返答したほうが……」
「でも、部長も自分が後でいいって言った。その“後でいい”っておかしくない?時間が短いとはいえ、かなり催促したよ。」
「わからないよ……どうすればいいか、もうわからなくなってきた。二人一緒じゃなくてもいいの?それとも一人だけ選ぶの?」
5分が経った。
「どうす――あ。」
「何?」
「次女は……確かに部長だろう。部長が置いた手紙だ。きっとメッセージが……」
「ど、どんな内容を?」
三人が一緒に手紙の内容を見た。
****
手紙のメッセージ:
みんな、口で伝えなくてごめん。しかし、こうして伝えなければいけないことがあるんだ。
いろんな事情があって、私はさな子と“一緒に”帰れない。だから、君たちに先にさな子を連れて行ってと言った。
心配しないで!私は帰ることを諦めるつもりじゃない!たださな子より帰るのが遅いだけ!
だから、その間、しばらく私のことを忘れて。ずっと私のことに引きずられたら良くないから。
そして、繋がりを作る方法は――さな子の名前を記すもの。書くなら、ちゃんと気持ちと思いを込めて書いてね。親しみの人に書かせたら一番いいと思う。
また、そのものを本人のところに置いたほうがいいだろう。こちらは私がやっておく。
せっかくのチャンスだ。これを見逃したらあかん。
だから、頼むぞ!
****
「僕は……はいにするよ。」と軽井翔が言った。
「え、でも……」
「もう悩んでもしょうがない……部長を信じるなら、最後まで信じる。僕たちは、こうするしかない。」
「……」
「そうね。」
「では……」
軽井翔は「はい」の選択をした。
そして、何の反応も起きなかった。
「は、ははは、はっははははは!決心した結果、こんなことだったとは……何の反応もなかった。」選択を押したのに、何も起きなかった。こんな状況に軽井翔が笑い出した。
「結局、すべてはただの僕の妄想だ……何か二人がゲームに転移された。バカげた話だ!結局ただのバグだ!僕の脳がおかしくなっただけだ!」
「か、翔さん。やめてください!」
「翔君!やめて!違うの!」
「何か違うんだ!何の反応もなかった!証拠はほら!今何も起こらなかった!」
「き、きっと時間が必要だと思う!」
「そ、そうだ!それに、手紙も書いたじゃん。さな子の名前を記すもの、“ちゃんと気持ちと思いを込めて書く”。きっとさな子の名前を記すものを探す時間だ!そういうことだと思う!」
「……」
「私、写真を持っている。どう?裏のところにさなちゃんの名前を書いてみる?」
「うん!そうしよう!翔君。諦めるにはまだ早いよ。」
「そう……だね。ごめん。取り乱してしまった。」
「ううん、半年でやっと一つ決心したのに、何も起こらなかった。当然おかしくなるよ。それに、さっきいろんなことが起きたし、無理もない。」
「ごめん。」
「気にしないで。でも、さなちゃんのパパにも書いたほうがいい?今病院に行ったら、たぶんいると思う。」
「……そうね。あのおじさんなら、きっと僕たちより、気持ちと思いを込めるだろう。」
「そうだね。」
「でも、全員行く?ゲームの監視は……」
「遠隔の操作システムがあるよ。僕一人で家に見れない時、携帯で遠隔操作したことがある……見るだけなら、これでいい。」
「うん。では、出発しよう!」
そして、三人が病院へ。
****
……………………
これは……夢?いいや、夢じゃない。流れてきた記憶だ。全てが真実だ。私のために動いた友達。
大好きな人達……
良奈ちゃん、伊原先輩、翔君……全員、大人っぽい顔になった。綺麗で、かっこいい。
そして、知らない記憶が――
“「あの……さなちゃんのパパ。」”良奈ちゃんがパパのことを呼んでいる。
パパの顔がとても、とても憔悴して、虚ろな目をしている。
“「そうそう……あれだね、良奈ちゃん、だっけ?」”空虚な笑顔……まるで屍のように……
“「……何の用事?」”
“「あ、ええと、これが渡したいから……」”良奈ちゃん一つの写真をパパに見せた。
しかし、何の動揺も見せなかった。
パパ……やめて、ずっとそんな――
“「これは、来栖が……なのか?」”
“「い、いいえ、私が、渡したいだけ……」”
“「そっか……」パパが一度動いた手が無力な感じで垂れた。
パパ……
恐らく一番直近の出来ことだろう。今回、良奈ちゃんが一枚の写真をパパに渡した。場所は病院。全員いた。来栖さんも……
“「さなちゃんは、起きる!」”良奈ちゃん。
“「だから、一つお願いがあります。」”伊原先輩。
“「ここに、ちゃんとさな子の名前を書いて。そしたら……」”翔君。
“「そしたら、起きるのか?」”来栖さん……
“「ふざけないで――と言いたいんだが……そうは見えないね。先輩……」”
パパはこの時でも、屍のように……
“「書いたら、何に――」”
“「さなちゃんは起きる!絶対に!ちゃんと気持ちと思いを込めて書いたら……」”
“「気持ちと思い……」”パパが震えている手で、写真を受け取った。ゆっくりと、ゆっくりと、私の名前を――
軽井翔:「では、ここでお別れだね。」
黒井さな子:「お別れ?まさか……」
伊原千美:「君が自分の身体に帰るということなの。もう、翔君ったら、誤解させるような言い方をしやがって。」
軽井翔:「はは。ごめん。嬉しすぎてつい。」
黒井さな子:「……びっくりしたよ。」
前田良奈:「ふふ。翔さん少しイジワルね。」
黒井さな子:「そうね。」
軽井翔:「まあ、とりあえず、またあとでね。待っているよ。」
伊原千美:「うん。みんな、待っている。」
前田良奈:「また、一緒に遊ぼうね。」
黒井さな子:「……うん。みんな――」
大好き。
――黒井さな子と書いた。
黒井さな子
↓
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
| |
| 私 |
↓
黒井さな子
黒井尚葉 来栖
前田良奈 伊原千美 軽井翔
****
瞼が重い。
身体が動けない。
だが、私は感じられる。周りに大好きな人たちがいることを。
ああ、今は少しでも喋りたかった。だが、衰えていた身体がそれを許さない。目を開けることがやっとだった。
それでも、私のことを気付いてくれた人たちがいた。
涙、驚喜……この二つの感情が混ざって、どの人も何とも言えない顔になった。
パパの手が震えていて、びくびくとした動きが少し私を触ろうとしたら、うっかり壊しちゃうと思っている感じで、すぐ手を引いてしまった。
私は、帰っていた。
ぜひ、私が言いたいことを気付いてほしい。本当はいろんなことが言いたい、いろんな話がしたい……
でも、今はこの一言がいいだろう。
“ただいま。”
終わり!
黒井さな子の友人たちのヒミツ1(前田良奈):
実は、運動派女子。
黒井さな子の友人たちのヒミツ2(伊原千美):
実は、ネーミングセンスがかなり独特。
黒井さな子の友人たちのヒミツ3(軽井翔):
実は、他人の口水が苦手で、間接キス無理派。
本編終わりました!小話も終わりました!
後記はまだいつか書きますね~
そして、どうでしょうか?
もし良かったら、ぜひ感想、いいね、☆の評価をしてほしいです!励みになります!
では、次の作品を書きますね!
時々番外編とか、IFストーリーみたいな部分をアップします!
その時、またお楽しみに!
では、次の作品に会いましょう!




