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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第六章(最終章)
71/75

11

 五十鈴部長と会った当日の夜。


 ロードルフ子爵の部屋の中で、彼は話しかけてきた。今は寝る前、少し心配しているだろう。


「どうだ?今日友人との交流。」


 (嬉しかったけど、悲しい気持ちだ。)


「そうか。」


 しばらくの間、沈黙のままだった。


 (ねえ、頼みたいことがあるんだけど……)


「言ってみろ。」


 (説得のこと、手伝ってくれない?)


「説得?どうだろう……」


 (……どうしてそんなことを言うの?)


「勘違いするな。しないとは言っていない。ただ今回のこと、メリー様の状況とわけが違う。」


 (わかっている。しかし、五十鈴部長に……貫太郎君に一緒じゃなくても、帰ってほしい。)


「なるほど。そういう意味か。なら、『彼に手伝ってほしい』、そう言ったほうがいいだろう。」


 (どうして……彼は必ず説得されるような言い方?)


「ふん。なぜなら、君の気持ちと言葉が簡単に伝わるさ。」


 (答えになってない。)


「ああ。君はまだ余計なことを考えていたんだな。説得は俺が手伝わなくてもできる。そういうことだ。」


 (本当に……?)


「信じないなら賭けようか?1分……いいえ、30秒も必要なく、あいつは君に説得される。」


 (そんなに自信が……)私自身はそんなに自信がないのに、なんで……


「明日やってみたらわかる。言ったはずだ。メリー様の状況とわけが違う。」


 (わかった……じゃあ、説得できたら、彼に手伝ってね。) 


「ああ。他のやつらも話を通そう。」


 (ありがとう。)


「ふん。できることをするまでだ。」


 (君は変わったね。)


「ああ?皮肉か?」


 (ううん。いい意味のほう。初めの頃より見違えるほどにね。)


「はっ!君も変わったな。当然、いい意味のほう。」


 (私が?)私はずっと変わっていないと思ったが……


「ああ。強くなった。君は実感できないが、俺は感じられる。」


 (そうか……ありがとう。)


「ふん。そろそろ寝ようか。」


 (うん。)


 ロードルフ子爵は目を閉じて、意識が暗闇に沈んだ。


 眠った後、さっそく翌日となった。


 五十鈴部長と会う時間は昼頃。その前に、使用人たちとメリー伯爵に五十鈴部長に協力してほしいと求めた。


 “私がここにいなくても、五十鈴部長に協力して帰らせて“と。


 そして、あっさりと了承された。


「帰らせることができるかわかりませんが、クロイ様の要求なら、わたくしはできる限り協力しますわ。」


(ありがとう。)


 ロードルフ子爵の代弁を聞いて、メリー伯爵は優しい微笑みをかけてくれた。


 昼頃。アリエスと町中で一緒に散策している。関係性の示しと町の紹介、また五十鈴部長と私のために、一緒に市場、音楽、演劇などのところに寄ってみた。リラックスとは言えないが、少し心が楽になった。


 メリー伯爵とウィリアム侯爵も護衛付きで後ろについてくる。その二人は外交の話をしている。私は代弁の形でここに五十鈴部長に説得を試みた。


 その結果――


「いいよって、五十鈴様が言いました。」とアリエスが言った。


(え……そんな簡単に。)本当にロードルフ子爵の言う通り、30秒も経っていない。


「元々帰る気があるよ。君と会話する時言っただろう、と言いました。」


(確かにあったけど……)


 ずっと代弁で言ったら面倒くさかったらしい。アリエスはここで五十鈴部長に変わった。


「ああ。『帰れない事実』にショックし過ぎて考えていなかったかな?私は帰りたくないじゃないよ。」


 (それは……そうだね。)


「どうだ?言っただろう。メリー様の状況とわけが違う。」とロードルフ子爵が言った。


 (君はわかっていたの?)


「確実ではないが、そう思った。彼の嘘はただ君を傷つけたくなかっただろう。思い入れがあるやつの言葉、普通なら聞き入るだろう。」


 五十鈴部長は少し照れくさい顔をしている。


 (私たちの関係……わかっているんだ?)


「は?君たちは隠すつもり?二人で何を言ったがわからないが、その会話を聞いて恋人じゃないと思っているやつがいないだろう。」


(そう……なんだ。でも別に、隠すつもりはないけど……)ちょっと恥ずかしいだけ。


「あはは……何を言っているかわからないが、想像できるな。さな子はほんの少ーし、抜けている部分があるからな。」全然少ーしじゃない言い方。


「まあ、いいだろう……言っておくが、何がしたくてもしないでくれ。いろんな問題が起こる。」


「わかっているよ。アリエスさんの身体だし。」


 私は一歩遅れて、二人が何を言っているか理解した。


 (……しないよ。気持ち悪いし。)本当に男って……はあ……


「……コホン。話題が逸れてしまいそうですので、まだ私になりました。」とアリエスが気まずい顔で言った。


「ああ。すみません。」


「いいえ。お構いなく。それで、もう少し時間があるでしょう?他にいいところはありませんか?」


「ああ、それなら、メリー様が作り上げた場所があります。私自身があまり気にしていませんが、結構人気があるらしい。」


「なるほど。では、二人のために、ご案内を。」


「ああ。」


 メリー伯爵が作り上げた場所……十年の間で作り上げたのだろうか。ロードルフ子爵はあまり政策の部分を言ってないから、町の発展がわからない。


 正直、町の発展は中世紀より、やはり近代のほうが一番適切な表現だと思う。


 メリー伯爵が作り上げた場所は……


「すごいな、ボードゲーム場だと五十鈴様が言いました。」


 (うん。本当だ。)「――と言った。」


 ボードゲーム場。


 考えなくても、きっと五十鈴部長が残ったものだ。つまり、五十鈴部長が残ったものはメリー伯爵のところに伝承されて、この場所が作られただろう。簡単に想像できる。


 それに、五十鈴部長の家はボードゲームの経営場だから。家族も優しい人たちだった。両親と爺さんばあさん……三人兄姉もいて、とても幸せそうな家族だった……


 ああ、やはり私なんかより……


「入りましょう。」


「ええ。そうしましょう。」


「余計なことを考えるじゃないぞ。」ロードルフ子爵は私に言っている。


(……読んだの?)


「違う。感じただけ。」


(そう。)


「……辛かったら、隠れろ。」


(ううん。大丈夫。それに隠れても逆に考えてしまう。このままの方がいい。)


「そう。なら、楽しもうか。」


(うん。)


 そして、私たちはしばらくボードゲーム場に遊んでいた。どれも見たことがあるようなゲームで、楽しかった。


 メリー伯爵とウィリアム侯爵は心理戦が好きのようで、外交のこともあるため、会話重視のゲームを遊んでいた。


「Who’ spy」、「ワードウルフ」、「ワンナイト人狼」、語り部の「ディクシット」、価値観を交わす「ito」……


 他に「お邪魔もの」、「アヴァロン」、「ニムト」など……やはり、どれも五十鈴部長の家に遊んだことがある。


「……なるほど。奥深いな。特に『人狼ゲーム』でしたっけ。どうりで平民でも貴族の立場が理解できるようになる。嘘情報の分別と分析……これは面白い。」


「ゲームでも教育に使えると五十鈴様が言いました。私も同意です。」


「大したもんだ。基礎的な知識は簡単に学べる。そういえば、メリー様は義務教育のこととか言ったな。これを付けようか。」と独り言みたいに言っているロードルフ子爵。


(人狼ゲームは義務教育……シュールだな。)


「あ?」


「……うん?人狼ゲームは義務教育ってシュールだなと五十鈴様が言いました。」とアリエスが言った。


 同じ考え方だ。


「二人が意見一致したな。なんだ。ダメか?」


(ダメじゃないけど……)「面白いなって。」


「はは。そうか。面白いなら、やる価値があるな。」ふふ。何となく、笑いたくなってきた。


 こうして、私たちは楽しい時間を過ごした。


 あと一日……


 この日の夜、ロードルフ子爵は眠る前に、レイヤーのところに行った。


「レイヤー。」


「はい。何でしょうか。ロードルフ様。」


「少し、頼みたいことがある。お前、隠れろ。俺がいいと言うまで、隠れ続けろ!」顔が少し熱い。


 まさか……


(わかった。)私は心の空間に隠れた。


 しかし、隠れたと言っても、薄々わかる。ずっと言ってないから、わからなくてもしょうがない。


 “「この身体は明日、こいつにゆだねる時があると思う。だから……」”


 “「……そうですか。でも、クロイ様は……しないですよね?」”


 “「こいつ、自称女だが、信用できるかわからん。」”


 私、信用されていない。


 “「……そうですか。じゃあ――」”


 チュウ。


 ……


 何秒だろう。


 ……


 うん。


 ……


 長い。


 “「んは……できることはここまでですよ。クロイ様に伝えて。」”


 “「わ、わかった。」”


 そして、レイヤーは耳元で囁く。薄々わかっているから、身体がくすぐったい感じがした。


 “「それと、私はロードルフ様との時間は他人に見られたくないから……ロードルフ様としたくないじゃないです。」”


 ……積極的だな。


 “「……わかった。」”


 部屋に戻った後。


  “もういい。”


 心の空間から出た瞬間、私はすぐに言った。


(二人とも。エッチだね。)


「はあ?お前、隠れても見れるのか?」


(うん。薄々だけど。)


「……なら、もうわかるだろう。」


(いや、しないよ。それに、相手の意志も重要だから。あと、やはり気持ち悪い。)ここまでやると、余計すぎる。気持ち悪いくらいに。


「……俺がやりたいだけだ!」


(そうか。)


「く……」


(まあ、気持ちだけ受け取るよ。でも、君が考えることは発生しない。絶対に。)


「は!どうだろう。別れる時、キスくらいしたくなるさ。半年前に、計画を執行する時、俺はその気持ちがあったんだ。いろんな人に見られていたから、しなかっただけだ。」


(そうなの?)言われてみれば、そんな雰囲気があるような、ないような……


「とりあえず、きっと抑えられない感情がある。自分のことを過信するな。」


 (それも……そうだね。)


「あと、ダンスも教えてやろう。運動したら、感情は少しでも抑えられるだろう。」


 (わかった。)


「では、ステップを――」


 こうして、ロードルフ子爵にダンスを教えられて、夜を過ごした。


 二日目。


 この日、ウィリアム侯爵とメリー伯爵はいない。五十鈴部長と使用人だけ。


 朝ごはんの後、五十鈴部長がロードルフ子爵の屋敷に来て、昼ご飯までずっと五十鈴部長と談話する。


 帰る方法のことについて話していた。時々雑談混じって、他愛のない話をした。また、花壇とか、運動とか……少し遠くない所で散策していた。


 ロードルフ子爵とアリエス、本当にいい思い出を作るように、あまり重い話をしていなかった。


 私は本当にいい人たちに恵まれている。ここを離れるのは寂しいけれど、いい友達ができた。


 しかし、気持ちは嬉しいが、悲しい気持ちもある。まるで一生のお別れみたいだから。みんなと、五十鈴部長とも。


「昼ご飯を食べる前に、一つ提案があります。」


「ほう?ちょうどいいです。私も一つ提案があります。」


「では、ロードルフ様から先に。」


「二人のために、ダンス、してみませんか?」


「なるほど。保留と言いました。私の提案も聞いていただければいいですが……」


 (聞きたいです。)


「どうぞ。」


「演劇、してみませんか?昨日、五十鈴様と相談しましたので。」


(あ、悪くないと思います。これにしない?)


「なるほど。アリエス様の提案にしたいらしいです。」


「では、ダンスのことは後で考えて、まず演劇の準備をしましょう。」


「ああ。そうしましょう。」


 演劇と言っても、台本はアリエスが五十鈴部長の口述で記したもので、私には読めない文字だ。だから、演じる時、やはりアリエスとロードルフ子爵が演じる。


 自分が演じているのに、自分も観衆だった。この演劇、一応使用人たちも見ている。特に召使いは二人の演技に惚れているようで、ずっと情熱な目で見ている。


 なんか演劇は色々変な感じで、面白かった。


 軽くお互いを褒めた後、昼ご飯の時間だ。


「ロードルフ様の演技。素晴らしいですね。」


「そちらこそ、見事な演技でした。途中、イスズ様も変わりましたでしょう。」


「ええ。私たちはかなり自由に変えられますので。」


「……アリエス様は身体の『主導権』がないですか?」


「もちろんありますよ。ただし、強制できません。強引に五十鈴様に変えることができません。」


「なるほど。ちなみに、イスズ様に聞きたいですが、馴染む『条件』は何でしょうか?」


 アリエスはしばらく会話を聞いているようで、何秒間喋ってなかった。


「……『ルール』ということらしい。」


 少し意外な答えだった。まさかの「ルール」。


「『ルール』?もしかして『ルール』を決めることで?それとも、他に何か条件があるでしょうか?」


「ええと……少し複雑な感じですので、彼自身に説明させますね。」


 そして五十鈴部長に変わって、説明した。


 彼の説明は要するに、この世界にはわからない「ルール」がある。もし「ルール」の存在自体がわからないまま、曖昧のままで誰かの身体にいると、世界に馴染む速度が早まるらしい。


 その馴染む速度を遅くするために、「本人たち」――私の場合は「ロードルフ子爵」と「私」、専属の「ルール」を決めなければならない。


 しかし、ルールを決めるだけでは足りない。「罰」も必要だ。「罰」は世界に馴染む指標、ルールと罰の定義が曖昧なればなるほど、馴染む速度が速くなる。


 つまり、世界に馴染みたくないなら、もっと具体的なルールと罰を決めるのだ。


「そして、ルールを破った罰として、世界に馴染む具合が進むって感じ。身体に変わる時間の換算にしたら、90秒くらいだろう。こんな感じかな。」


(つまり、偶然とはいえ、私たちはこうしたほうが正しかっただよね?)


「ああ。そうだな。」


 (で、でも、どうして五十鈴部長はわかるの?その、確定の方法とか……)「――だって。」


「当然。自分の経験と、確定できる仕様が知っているからだ。」


 (確定できる仕様、それは何だ?)


「それはね。信じないかもしれないけど、回数が重ねたうち、私は時計みたいなものが見えるようになったのだ。二つの時間がある。

 一つは『帰れる時間』、もう一つは『世界に馴染む時間』。私は時間をかけてやっとこの二つのことがわかった。」


「帰れる時間」、「世界に馴染む時間」……


「『帰れる時間』の部分はすでにバツになっている。『世界に馴染む時間』は無限大の符号だ。たぶん馴染みすぎたこともあるだろう。私には少々特殊能力があるのだ。それは『名前の確認』と『影響力の確認』。」


 (じゃあ、時間の名前は……)


「そう。この能力で見たのだ。」


 本当にどうしようもないのか……


「ちなみに、『影響力の確認』は名前の通り、人の関係性、権力の大きさ、言葉の重みがわかるようなものだ。でも、心が読めるわけではない。ただ簡単に人間関係のことがわかるようになるだけ。」 


「ふん。貴族なら、誰にもほしいものだろうな。」


「そうだね。あ!そうだった。あなたとさな子の関係性もこの能力でわかったよ。二人は『友好』だね。」


「は?『友好』なわけないだろう!」(私もそう思う!)


「これだからツンデレ君は……」


「そのツンデレ君とかやめろ!」


「はーい、はーい。」


 こうして、昼ご飯が食べ終わった。


 午後は……私は五十鈴部長と二人でダンスしてみた。30分だけだから、難しいステップがない。


 最初は一応距離を取って踊ってみたが、結局踊りにくいから、近づいた。


 社交ダンス。激しくない。ただただ相手の体温と感触を感じて、踊っている。全然五十鈴部長の身体じゃないのに、私はそのぬくもりに泣き出しそうになった。


「今は踊っているよ。もっと楽しい顔をして。」アリエスの声だが、五十鈴部長の口調。服と花の匂いが混ざって、鼻の中に伝わる。


「……うん。」どうしてだろう……どうしてだろう。


 泣きたい……もう我慢できない。本当にロードルフ子爵の言う通り、抑えられない感情だ。


「ああ、もう……泣き虫だな。」


「ごめん……ごめん……」


 五十鈴部長は長い息を吸って、吐いた。


「……彼女、頬っぺたとおでこならいいって。」


「どういう――」


 チュウ。頬のところに生暖かい感じがした。


 チュウ。おでこに生暖かい感じがした。


 そして、微笑み。


「まだ彼に聞いてないんだけど。」


「別にいいだろう。女性にキスされてんだぜ。中身は俺だけど。」五十鈴部長はニッと笑った。


「はは……本当にいいの?アリエスさん。」


「いいって。口はさすがに無理らしい。」


「じゃあ……」私は軽く、頬っぺたとおでこのところにチュッとした。


「ありがとう。」と五十鈴部長が言った。


「ありがとうなんか――」


 ギュー。五十鈴部長に抱きしめられた。元々ダンスしているだから、簡単に抱きしめられる。


「あの……」


「ハグもいいんだって。」


 それを聞いて、私も同じく五十鈴部長に抱きしめた。お互いのぬくもりに浸っていて、何も考えたくなるような感じだった。


「さな子は頑張ったよ。だから、帰ってもいい。」


「しかし、君はもっと……」


「言っただろう。ただ君より遅くなるだけだ。」


「やだ……」


「ねえ、さな子。」


「……何。」


「好きだ。」


「……私も。」だから、一緒に……


「さようなら。」


 涙が、止まらない。


 そして時間は早くも三日目に、帰りの日。


 全員、見送っている。


「では、さな子。」


「……何。」


「色々、頼むよ。」


「……やだ。自分で、やって。」


「わかった。そして、ロードルフ子爵様。」


(なんだ。)


「途中まで君の役割がまだあると思う。ちゃんとさな子を守ってね。」


(何で俺が?)


「やったらわかるよ。そして、途中で三人と出会ったら、その時戻っていい。」


(……わかった。)


「「「「クロイ様、さようなら!」」」」


「さようなら……貫太郎君は、どうか皆様に頼みました。」


「「「「はい!任せてください!」」」」


「では、密書を触って、密書の情景と好きな人たちの顔を浮かべて、最後は……自分の名前を密書に。」


 私は五十鈴部長の言った通りにした。


 密書を触って、密書の情景と好きな人たちの顔を浮かべて――


 密書に自分の名前を――「黒井さな子」書いた。


 そして、光……いいえ、おかしな吸引力が私の意志を引っ張って、まるで密書の世界に引き込まれた感じだった。


 反吐が出そうな感覚と激痛が走り、一瞬視野暗闇に――いいや、私は暗闇のところに陥った。


 密書


 黒井さな子

 ロードルフ

  ↓

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 |私|

 | | 

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 |私|

 | |

 …………


 ここは、どこだろう?

              お前……大丈夫か?

 え?

              俺だ。

 ロードルフ……子爵?

              そうだ。


 どういうこと?これ……


              知らん。だが、アイツの言う通りだろう。もしかしたら、もうすぐ誰かがくるじゃね?



 ええと……なんかぐちゃぐちゃだな。


                      そうだな。


 ロード:こうしたら、良くなるだろうか?

 さな子:あ。若干、良くなる感じ。


 ロード:その先、もっと暗いな。

 さな子:ここで待ったほうがいい?


 ロード:いいや、どうだろう。もっと先に進んだ方がいい気がする。

 さな子:少し、怖いな。


 ロード:なら、俺の後につけ。

 さな子:わかった。


 ロード:前に行くなと言っている!

 さな子:え、でも……


 さな子:      |ロード:こうだ!

 さな子:わかった。 |ロード:

 さな子:      |ロード:しかし、不気味なところだな。

 さな子:そうだね。 |ロード:

 さな子:      |ロード:分散するなよ。

 さな子:うん。   |ロード:

 さな子:      |ロード:……あれは何だ?

 さな子:光……には |ロード:

 見えないね。











 ……………………

使用人たちのヒミツ3(召使い):

実は、密かに身体を鍛錬している。


ロードルフ子爵は使用人たちの健康のために、必ず全員に運動させたい。(休憩時間)


「全員!体の柔軟性はまず無理をしないことだ!覚えろ!」

「はーい!」

「休憩だ!全員水分補給!」

「はーい!」


そして、ロードルフ子爵は召使いが頑張っている姿を見た。


「お前!無理をするなと言っただろ!」

「で、でも、ぼ、僕は柔軟性ではなく、体力と筋肉のほうが増強したいです!」

「……いいだろう!だが今はまず休憩するんだ!無駄な体力の消費は意味がない!」

「わ、わかりました!」

「それと、筋肉を見せたいならもっと食べろ!」

「はーい!」


これで、使用人のヒミツも終わりました!


次回!最終回!

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