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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第五章
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7

 「……と、私が知っている話はこの感じです。私と話す時、いつも嬉しく微笑んで、大事そうに話してくれましたから。恐らくとても大事な人でしょう。メリー伯爵様の母上は。」


 レイヤーから聞いた話、詳しい事情までわからないが、雰囲気から感じ取れる。嘘には聞こえない。


「そうだな。」ロードルフ子爵は軽く返事した。たぶん予想が当たったから、あまり反応しなかった。


 自分の予想を言ってくれない原因は、恐らく先入観を持たせたくないだろう。少しわかりにくいけど。


 (レイヤーさんとメリーさん、二人仲が良いね。きっかけは君たちのことかな?)


「ふん。あの女はここに来た時、二人よく話し合っていたんだ。俺も時々見かけたのさ。」


 なるほど。二人の仲がロードルフ子爵もわかっている。


「あ、クロイ様が何か言いましたか?」


「君とあの女と仲が良くなるきっかけの話だ。」


「なるほど。そうですね。確かに私たちはよく話し合って、親睦が深まったかもしれません……」


「その言い方だと、何があるのか?」


 レイヤーは心配な顔をした。


「その計画は……何でしょう。うまく話せませんが、少し悲しいです。私もメリー伯爵様に死んでほしくない。しかし、メリー伯爵様の気持ちも無駄にしたくありません。だから、どうすればいいか……私にはわかりません。」


 葛藤……恐らく、他の使用人たちもレイヤーと同じ心情だろう。阻止したいが、尊重したい……何かしてあげたかったが、本人の意思に背いたくなかった。


 私も理解できる。今も迷っている。実はこの方が勝手だと、しかし……


「……人は勝手な生き物だ。時には何がしたいかわからないだろう。」ロードルフ子爵が言った。レイヤーの目線がこちらに向けた。彼女は真剣な眼差しで次の言葉を待っている。


「しかし、俺はこいつから学んだのさ。それは『するか』と『できるか』の違いだ。」


「クロイ様が……」


「ああ。そして、君なら俺よりわかっているだろう。やりたくない気持ち……」


「やりたくない気持ち……」


「俺は、あの女に死んでほしくないから、阻止する。彼女の気持ちを尊重しつつ、阻止するんだ。やりたくない気持ちって……重要なんだよ。」


 まるでショックを受けたかのように、レイヤーは目を見開いてから、微笑んでいた。


「それはクロイ様が、教えてあげたこと……ですね。」その声が真摯であり、感慨である。


「……ふん。」ロードルフ子爵は返事してなかったが、レイヤーはただ嬉しそうに笑った。


「本当にありがとうございます。クロイ様。ご主人様も……ロードルフ様も素晴らしい人間になりました。」


 (そんな大層なことをしてないと思いますが……)


「もういい。今はあの女のことが最優先だ。とりあえず、迷うんじゃないと言いたいだけだ。何をするか君次第。」


「かしこまりました。ではロードルフ様、早速ですが、私にも協力させてほしいです。私もメリー伯爵様に死んでほしくないです。お願いします。」レイヤーは言いながら、深くお辞儀をした。


「……そうか。確かに少し行き詰まっている。何かいい方法があるか?」


「いい方法とは言えませんが……その、気になるところがあります。」


「なんだ。」


「私に『大事な人』を聞く前に、ロードルフ様はすでに執事さんに聞きました?」


 執事……そういえば、メリー伯爵とロードルフ子爵の過去の話に少し出てた。それに、執事はメリー伯爵がロードルフ子爵に貸してあげた人だ。メリー伯爵の話なら、もっと知っていてもおかしくないはず……


 でも、この三日間、彼も一番話が少なかった人だ。確認できたのは、彼もメリー伯爵に死んでほしくないということ。


「少しなら話はしたが、あの人は騎士だった。あまり話さなかった。今も何も言わない可能性がある。」


「しかし、聞いてみなければ……いいえ、本当の気持ちを伝えたら、執事さんもきっと協力すると思います。なぜなら、執事さんも支持していますから……その、私たちのことを……」レイヤーは少し紅潮な顔をして言った。


「……ふん。そうか。元々もう少し聞いて回るつもりだ。他のやつにももう一度確かめたい。」


「はい。私も自分は何ができるかと考えておきます。もしまた私の意見が必要でしたら、ぜひお越しください。」


「ああ。そうする。お前……他に聞きたいことは?」


 (ええと……今はない。)


「そうか。ならレイヤー、頼みたいことがある。今掃除はいい。」


「はい。それは何でしょうか?」


「君ならできると思う。町中の『噂』、そして、メリー様の『評価』を聞いてこい。あの女なら、俺の領地もやっているだろう。それに前日、町中に散策する時、少しだけ聞いた。今『事実』が欲しい。」


「『事実』……かしこまりました。」レイヤーはお辞儀をした後、すぐ出かけた。


 確かに前日町中に散策する時、メリー伯爵の評価が少し耳に入った。計画も嘘には聞こえない。でも……


 (もしかして……何が疑っているの?)


「違う。さっき『事実』が欲しいと言ったはずだ。」


 (どういうこと?)


「チッ……あとで説明する。まず執事だ。」


 (……わかった。)


 そして、執事を探して、話し終わった。沈黙のままだった。


 やはり、話すつもりがなかったのか……そう思った途端、執事は話しかけてきた。


「子爵様、あなたは本当にメリー様を助けたいでしょうか?」

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