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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第四章
45/75

9

 はっきり言って、私は迷っている。しかし、ロードルフ子爵は他人の前に私に話しかけた以上、必ず怪しまれるだろう。変人扱いされるかもしれない。


「……返事は?」


「どういうことですか?それと、『お前』とか――」


「違います。メリー様。君と会話しているわけではありません。」


「……どういう意味です?」


「とりあえず、お待ちください。メリー様。重要な話です。」


 そして、メリー伯爵は静かになった。ロードルフ子爵の言う通りにしただろう。視野が暗いままだから、何も見えない。


(……一つ聞いてもいい?)


「何だ?」


 (どうして私が「断ろう」と言った後、すぐこんなことをしたの?)


「お前とメリーとの立場がわかったからだ。」


 私はさっきまでの流れを思い出した。


 そうか。そういえば、私は最初ロードルフ子爵に「メリーの手下」だと思われていた。つまり、ロードルフ子爵はさっきまで、まだ私のことを疑っていただろう。


 それと、今思えば、“「ええ、これは全てメリー伯爵のおかげでしょうね。」”……私もなにかの嫌味だと思ったが、もしかしたら、それも――


 ただの考えすぎかもしれないが、直接聞いたほうが早いだろう。


 (つまり、私は疑われていた、のか?)


「ええ、少しな。はっきり言って、もしお前はメリー伯爵と繋がりがあるなら、さっきの『提案』を『受ける』可能性もあった。もし……お前は拒否しないなら、俺は受けるかもしれない……つまり、それなりの恩だ。」


「あら、何の話でしょう?」メリー伯爵の声が耳に届いた。確実に疑問の声色。


 実は全部メリー伯爵が仕組んだこと……ロードルフ子爵からすれば、なくはない可能性だろう。そして、さっき私の否定したい気持ちによって、確信したと。


 はあ……


(いいよ。話してもいい。でも、メリー伯爵は本当に信用できる人なのか?私には――)


「俺は信用するつもりだ。この屋敷の人間たちもな。」


 ……そうだね。そもそも私はあまり選択肢がなかった。ここは、彼を信じるしかないか。


 でも、疑うのは理解できるけど、ちょっと嫌な感じだな。それに……


 (わかった。君に任せるよ。話してもいい。でもその代わり、君とメリーさんに過去に何があったのか、話してくれない?私、何も知らなかったから。)これを言ったら、わかってくれるだろう。


「……ああ、そうか。そういえば、お前に言ってなかったな。どうりで。」


 (もういいよ。早く説明してあげて。もし私が必要だったら……三分の間なら、私は耐えられる、かな。)


「わかっている。できるだけお前に変わらないようにする。」そう言って、ロードルフ子爵は目を開けた。


 メリー伯爵は少し疑惑の目で見ながら、説明を待っているようだ。


 ロードルフ子爵が説明する時間、私は自分の考えに浸っている。


 三分、これが私の限界。


 三十分の罰を受けたことによって、身体に変わることが少しできるようになった。


 どうしても一回に三十分に変わることができなかったから、妥協として、何日間合計三十分で何とかなったが……もうこの罰が受けられたくない。


 だから、今回の交流少し控えていた。しかし、あまり良くないかもしれない。情報は大事だ。ディベートも情報のゲームだし……ロードルフ子爵も過去の話を隠していた……


 はぁ……これでは、私まるで道化みたい……


 そして、ロードルフ子爵が説明し終わった。メリー伯爵は最初眉をしかめながら聞いていたが、説明し終わった時、ふふっと笑い出した。


「ロードルフ様。君はバカですね。」


「あ?」


「その、『もう一人』、『心の声』って言いましたわね?」


「ああ。そうですが、何が?」


「まあ、にわかに信じがたいですが、今は信じましょう。そして、君の言動から考えて、君は、それはわたくしがやったって疑っていましたよね?」


「ええ、そうですが、だから何が?合理的だろう。」ロードルフ子爵は少し荒っぽい口調になった。


「合理的……ね。まあ、君の『気持ち』から考えれば、確かに『合理的』かもしれません。」


「……どういう意味だ。」


 そして、メリー伯爵は純粋で元気な笑顔で言った。


「もしわたくしは本当にそのようなことができるなら、わたくしはとっくに『メリー伯爵』ではありませんよ。

『王族』のことなんかも気にしなくていいでしょう。だって、それはまるで人の改造みたいではありませんか。」


 この話を聞いて、ロードルフ子爵がとても動揺している。もっと正しく言えば、恥ずかしがっている。


 そうか。なるほど、第三者視点から見れば、これも確かに一つの見解。この意味はつまり、メリー伯爵は信じている。


「君は、随分自分のことを思い上がっていますね。ロードルフ様。」メリー伯爵はからかっているように、羽扇でロードルフ子爵のおでこを突いた。


「うるさい!そんなことより、君は信じているのか?」


「……言い方。」


「……私の話、信じていますか?メリー様。」


「君の言動と行動から考えて、信じるつもりですわ。しかし……そうですね。」


 何となくメリー伯爵は何が言いたいか、予想がついている。


「わたくし、君のその『もう一人』と会ってみたいですわ。」

メリー伯爵の絵ですわ。

挿絵(By みてみん)

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