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王族との対立、説明されなくても、決して良くないことだろう。
もしメリー伯爵が王族と対立だったら――
王族 → メリー伯爵 ×
関係性はこうなる……メリー伯爵は王族のことをどう思うか、関係が変わらない。対立は免れない。
そして、この婚約は「集中派」に押し付けられたもの。これを言っている意味は……
(ちょっと確認したいが、もしかして、「集中派」は今王族の中で一番勢力が高かったのか?これを聞いて――)
「メリー様、今『王族』の勢力を言ってください。確認したいので。」
「そうですね。これをちゃんと説明したほうがいいでしょう。」
そして、メリー伯爵は王族の派閥はどんな状態なのか、簡単に説明してくれた。
今「集中派」は王族の中で一番大きい勢力だ。「分配派」の派閥が吸収されたらしい。「権利派」も少しずつ吸収されているそうだ。
どうして「分配派」は吸収されるというと、ロードルフ子爵のクソ親父とメリー伯爵の流布する悪い噂……
つまり、「分配派」は「集中派」に隙に突かれて、壊滅……
「……お前なら、もっとうまく処理できるはずでしょう。メリー様。」
「ロードルフ様、わたくし一体何者だと思っていますの?」
「メリー伯爵でしょう!できることも俺より多いはずです!」
メリー伯爵は軽く息を吐いた。
「はあ、その意味ではありません。わたくし、完璧な人間ではありませんよ。ただの人間です。できることと、できないこともあります。それと、もう『お前』とかやめなさい。粗暴すぎます。」
「それは申し訳ございません。でも、王族と対立にならないだけだったら……」
「対立にならないには、わたくしたちはどうしても結婚しなければなりませんわよ。それは君が望むことですか。」
ロードルフ子爵は黙り込んだ。この沈黙の意味は恐らく、「メリー伯爵と結婚したくない」だろう。
「君とあの子を助けるために、これが最善策です。十年の時間をかけて、わたくしは色々な『貴族』と斡旋しました。他に噂の流布、君の必要な知識や内政など……どれも一瞬でできるようなことではありません。それに、君のケアーもしなければなりませんわ。」
ロードルフ子爵は一瞬何が言いたかったが、言わなかった。
この二人の過去に何があったのかわからないが、ロードルフ子爵がかなりメリー伯爵に世話になったってことだろう。それに、メリー伯爵が協力したという意味は、メリー伯爵も結婚したくないと思った方がいいだろう。
「もし、ただ王族と対立にならないなら、普通に君と結婚すればいい話ですわよ。その方が一番効率いいですしね。」
「だったら、今結婚すれば……」
「あら、ロードルフ様。今回、わたくしのことを気になっていますの?」
「そうじゃない。ただ何もしないより……」
メリー伯爵はスッと羽扇を収まった。
「もし本当に君と結婚したら、わたくしは王族との関係が変わらないですわ。むしろ、君とあの子まで巻き込まれますわよ。」
ロードルフ子爵は何も言わなかった。
(えっと、どうして巻き込まれるか、ちょっと説明してくれない?)
「つまり……私と結婚したら、『集中派』のやつらの矛先が私たちまで向かうと、そう言いたいですね。メリー様。」
なるほど……
「あら、賢いですわ。褒めてあげましょう。よしよし。」メリー伯爵は言いながら、羽扇の先でロードルフ子爵の頭を軽く触った。
「別に君に褒められたいと言ったわけじゃない!」ロードルフ子爵は羽扇を粗暴な感じで振り払った。
「じゃあ、何で言うのですか?」
「それは……チッ!君と関係ないことです!」
(なんか……ごめんね。)うるさい!と何となく、今ロードルフ子爵は言いたいことがわかっている気がする。
「じゃあ、随分わたくしのことを気にかけていらっしゃいますという意味ですかね。」
「……俺を助けた人だ。当然でしょうか!」
「あら、そういう意味ではないですが……まあ、つまり、わたくしに恩を感じたのでしょうか。」
「ああ、当然です。」
メリー伯爵は少し考えこんで、そして、羽扇で顔の部分を隠し、真剣な目付きでロードルフ子爵に見ている。まるで本性を出したみたいに。
「もし本当にわたくしに恩を感じたのなら、わたくしの要求に応じてくれますよね。」
「……それは要求によりますがな。『メリー伯爵』。」
メリー伯爵は少し目を細めていた。笑っていたかな。
「わたくしの部下になりませんか?」
「……それはどういう意味でしょう。」
「そのままの意味ですわよ。わたくし、死にたくありませんもの。もし抗えるなら、抗います。」
「そうですか。」
「ええ。ロードルフ子爵。君はわたくしの手によって、いい人材に育ちました。そして、他にも騎士と領主の身分があります。その複合の身分は、わたくしに色々役に立ちますわ。
もし、わたくしに恩を感じたのなら、これはいいチャンスではありませんか。」
↑うん、これ、断った方が……いや、でも……
↑あれ、もしかして、ロードルフ子爵……
ロードルフ子爵は少し考えて、返事した。
「……保証がないな。」
メリー伯爵は片方の眉が上げて、少し鋭い声で言った。
「保証ですか?なら、契約書とか好きな方式でもいいでしょう。わたくし、君とその子に悪い扱いするつもりはありませんわ。君たちは密会やデートなども許そう。もしくは、わたくしが『子守り』までしてあげましょう。
ただし、婚約はこのままにする必要がありますわ。一応王族がやったことですもの。一種の証拠です。」
ロードルフ子爵はこれを聞いて、考えこんでしまった。
メリー伯爵は少し耐えられないようで、返事を促した。
「何を迷っていますの?決して悪い提案ではないでしょう。『貴族』ならば、ちゃんと応じなさい!」
これこそ本性なのか……いや、それでもおかしい。たぶん違う。それに、一番メリー伯爵が知っているのはロードルフ子爵だ。私にはよくわからない。
問題なのはロードルフ子爵が迷っている。迷っているということは、相当な恩を感じたんだろう。
ロードルフ子爵は気付いたはず――それとも、私も……私も言わなければならないのか。
もしかしたら、助力が必要かもしれない。それに、もしロードルフ子爵が気づいてなかったら……
(断ろう!ロードルフ子爵。)
ロードルフ子爵は私の言葉を聞いて、笑ったような感じで言った。
「ふん、そうか。申し訳ございません。メリー伯爵。その提案、断らせていただきます。」
メリー伯爵ははぁと嘆いた。
「よろしい……まったく、一体何に迷っていますの?ロードルフ様。」
ロードルフ子爵は地面に向かって、目を閉じた。
「……お前のこと、言い出してもいいのか?正直、お前のことは、俺一人では解決できそうにないことだ。」
あ、これ、私のことだろう。
視線を閉じることによって、直接私と会話するという意味。
私は……
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