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「……ロードルフ様、あなたは一体どういう風変わりですの?わたくしにはよくわかりませんわ。」
「申し訳ありません。実は最近、少々考え事をしておりました。」
「ふん……その考え事とは、どんなことですの?」メリー伯爵は少し興味深い目付きで、口元の部分に羽扇で隠して言った。
「『不老不死』とは一体どんなものでしょうか。ということについてです。」
この話が出た瞬間、メリー伯爵が確実に笑った。それは陰謀めいた表情ではなく、まるで「仲間」を見つけたみたいな、とても純粋で元気な笑顔。
この笑顔の感じ……部活の友達と良奈ちゃんに見たことがある。
「コホン……失礼しました。」恐らく自分の表情に気付いたかもしれない。メリー伯爵は今度顔の部分全て隠していた。
「実に興味深い話ですわ。どうしてロードルフ様そのようなことを?」
「それは……」ロードルフ子爵はここでしばらく黙り込んだ。
ロードルフ子爵が考えていなかった?いいや、たぶん言うかどうか迷っている……
(言いたいことがあれば、言ってもいいと思うよ。)
返事しなかった……違った。親指で一回返事した。親指一回はたしか「わかっている」という意味。
「……メリー様、私は『誰か』を愛しているということがわかっていますよね。」ロードルフ子爵の視線が一瞬レイヤーのほうに映った。
レイヤーは今食堂の近くにいる。昼ご飯の準備をしている。
ロードルフ子爵はあのメイド――レイヤーという子が好きだ。婚約者がいるのに、決して褒められるようなことではなかった。
しかし、メリー伯爵にとって、それはどうだった?
メリー伯爵は少し意味がわからないようで、目を細めて言った。
「……ええ、何となく察していますわよ。気に入りませんが、そのままにしておきましたわ。『誰か』好きになるのはあなたの自由ですので。元々、私たちは強制に結ばれようとしたものです。」メリー伯爵は阻止しなかった。
それは尊重なのか、あるいは他の原因なのか、ロードルフ子爵から「気持ち」を奪うつもりがなかった。
「そして、私たちの関係が成立させられた際、『メリー様』が助けてくれなかったら、この領地もここまで発展できませんでした。」
また、この領地では、市長、町長、村長、自治団体もあるが、最終判断は領主にある――このような体制が設置できるのは、ロードルフ子爵一人で到底できることではなかった。
メリー伯爵も助けたのだ。
「ええ、そうでしたわ……あなたは何が言いたいです?」メリー伯爵は沈みのある声で言った。その声は少し悲しい感じがした。
「お礼を申し上げたいです。メリー様。ありがとうございます。」
さて、ロードルフ子爵はメリー伯爵に「逮捕することができる人間」だから、嫌われていたと考えていたらしいが、これでは二つの問題が発生する。
問題:どうして二人は今となって、未だに「婚約者」のままだろう?
この二人の関係は「夫婦」ではない。長い年月が経っても、未だに「婚約者」のままだった。
二人は婚約が押し付けられる時、協力体制になっていた。その時、二人の年齢が13と14歳だった。今は23と24歳。
メリー伯爵は約束を守った。ロードルフ子爵も干渉しなかった。十年も維持していた。これは決して無視できない時間だった。
問題2:では、この押し付けられた関係に、どうしてメリー伯爵は協力したのだろう?
爵位は子爵より一個上、また「評価」のことが気にしているなら、十年の時間なら、子爵一人の評価を下げるより、他の不特定多数の貴族たちと「王族」の好印象を持たせた方がよっぽど「貴族」らしいし、一番良い方法だと思う。
ましてわざわざ「王族」と対立するようなことをしてまで、子爵から得られる「メリット」が、本当にあるかどうかの「不老不死」だけ……あまりにも想像しにくい。
本当に「不老不死」のことが信じているのか、あるいは「不老不死」の理由付けで巨大な陰謀論、もしくはもっと単純なこと――私はこの一ヶ月間のことを思い出して、二人の成り行きを見守った。
メリー伯爵は驚いたように目を見開いて、呆れたように「はあ」と嘆いた。
メリー伯爵は羽扇を手に収まって、真剣な目でロードルフ子爵に睨んでいた。
「今更そんなことを言って、遅すぎるとは思いませんか?ロードルフ様。」
「ええ。だから、このままでも構いません。そのための『不老不死』です。メリー様。」
「……つまり、わたくしは何で『不老不死』を求めているのか、わたくしの『気持ち』、確かめたかったですわね?」
「そうです。ここまで知っていれば、是非答えていただきたいです。」
「……本当に、一体どういう風変わりですか。そのきっかけは……あの子でしょうか?」メリー伯爵はレイヤーの方向に見ていた。
「……きっかけはあの子かもしれません。しかし、もっと大事なのは、私の『自由意志』です。」
メリー伯爵は一瞬留まって、ふふっと笑い出した。
「ふふふ、なるほど、『自由意志』……いい響きですわ。わたくし、この言葉、気に入りました。」
「お気に入りで何よりです。」
「ふん。相変わらずつまらない男ですわ。でもいいでしょう。わたくしの『気持ち』、語ってあげましょう。」
ロードルフ子爵は貴族の礼をして、メリー伯爵はパッと羽扇を開けて、軽く揺らしていた。
「ちゃんと覚えておきなさい。わたくし、『不老不死』なんて信じておりませんわ。」
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