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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第四章
39/75

3

 こんなにあっさりと答えてくれた。知られてもいいのか……それとも、ロードルフ子爵だから?元々メリー伯爵が「不老不死」を求めていることが知っているから、隠すつもりもないかもしれない。


「メリー様。君は王国の法律を犯してしまう可能性があります。この可能性がある限り、私は聞かなければなりません。メリー様が清潔しなかったのはいつですか?」


「……本当に失礼ですわよ。ロードルフ子爵。わたくし、最低限のマナーを守っていますわ。衛生法の法律では、“三日に一度の清潔を保つ”こともちゃんと守っていますわよ。それとも、ロードルフ子爵は『匂い』だけで判断するつもりでしょうか。」


 本人がそう主張している以上、深く追求すると、ロードルフ子爵が勝手に決めつけることになる。体臭が強い可能性もあるし……


「……そうですね。法律のこと私もわかっております。しかし、メリー様。ちゃんと質問に答えていただきたいです。清潔しなかったのはいつでしょうか?」


 なぜかロードルフ子爵が彼女の匂いに対して強く当たっている……本当に彼女の匂いが嫌いかな。


(いいの?)ロードルフ子爵が指で返事するつもりはなかった。彼に任せるしかないかな。


 メリー伯爵は羽扇で顔を隠しながら、不快な目付きでロードルフ子爵に睨み付けている。


「……三日前ですわ。これでいいかしら?」


「ありがとうございます。これなら確かにちゃんと法律のことを守っています。申し訳ございません。私の早とちりでした。」


「ふん。気に入りませんわ。さっさとことをすまして――」


「しかし、どんなマナーがあるかは貴族によって違います。」


「はあ?」


「申し訳ございませんが、今後メリー様に毎日ちゃんと清潔をしてほしいです。これは私の家のマナーですので。」


「……ロードルフ子爵。わたくしに命令するつもりですか?」


「違います。これは『婚約者』としての請求です。『メリー様』。」


 ……あ、なるほど。どうしてロードルフ子爵は強く当たっていると思ったら、これかな。


 ロードルフ子爵の質問には、「法律の意識」→「問題」の進行だった。もし「誠実」に問題を答えるつもりだったら、直接「OO日前」でいいですし、「ちゃんとしているわ」という意味を込める反駁してれば良かったが……


「失礼」→「マナー」→「法律」→「匂い」という感じで答えると、一見それらしい答えをしたが、ただそういう方向に考えさせていただけだった。


 つまり、メリー伯爵は「不老不死」の進言により、嘘をついた。もし、次のメリー伯爵の答えが否定的な意味だったら――


「ならしませんわ。」メリー伯爵が否定した。


 ――嘘の可能性がとても高い。


「それはどうしてでしょうか?」


 メリー伯爵は一瞬何が言いたげな様子だが、すぐ笑顔で返して答えた。


「……あなたと関係ありませんわよ。」


「私の家のマナーと関わる以上、関係あります。」


「あなたの家のマナーなんて従う必要はないでしょう。」


「最低限のマナーを守っていますとおっしゃっていましたが?」


「その意味は『貴族』としてのマナーですわよ!」


「つまり、俺は貴族ではないと言いたいことでしょうか?」


「……ロードルフ子爵。今日はやけに熱心ですね。」メリー伯爵が羽扇で顔を隠した。その目には不快な感情が満ちている。


 羽扇で顔を隠すこと……もしかして、それは一種の動揺?ロードルフ子爵がよくそれを注目していた。


「熱心なのは当然でしょう。俺は貴族ですよ。『メリー伯爵』。」


「メリー様」と「メリー伯爵」……これでメリー伯爵が何かがわかっていたかもしれない。


 メリー伯爵は少し考えこんで、羽扇で口元の部分に遮った。


「ロードルフ子爵……いいや、ロードルフ様。君は一体どういう『身分』でわたくしに語りかけていますの?」


「先ほども申し上げておりました。『婚約者』としてです。」


「では、『婚約者』としての願いは、わたくしは従うつもりがないですよ。同じく『婚約者』として。」


「では、どうして『原因』を言ってくれないでしょか?」


「ロードルフ様と関係ありませんと申し上げましたわ。」


「メリー伯爵、あなたは私の問題に少し勘違いしてしまいましたようです。」


「何です?」


「私は『貴族』と同時に、『騎士』でもあります。『不老不死』の追求は違法ではありません。同じく、最低限のマナーを守らないのも、最低限のマナーを守らない理由を言うのも、違法ではないはずです。ではどうして、『原因』を言ってくれないですか?」


 これこそが……本命の問題。メリー伯爵の返答次第、後の対応も――


「いいでしょう。どうしてもわたくしのことを疑っていたいわけですね?」


「疑っておりません。私は『原因』が知りたいです。メリー様。」


 これを聞いて、メリー伯爵は羽扇をスッと収まり、不満な顔でこちらに見つめている。


「……原因を言わない理由が簡単です。わたくしは言いたくないからです。ロードルフ子爵。君は――」


「もうよろしい。先ほど申し訳ございませんでした。メリー様。」


「……はあ?」


 ふ……メリー伯爵は「人」だ。


 でも、ロードルフ子爵のやり方、強引すぎる。

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