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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第三章
31/75

7

また三日も持たなくてすみません。

アップしました!

 意志の表明・気持ちの爆発。


 ロードルフ子爵は初めて自分の「気持ち」と向き合った。


 何でロードルフ子爵は突然こうなってしまったんだろう?と思いながら、私は何も言わなかった。


 他人から見て、恐らくロードルフ子爵一人で暴れているだけだと思われるが……「私」がいるから、そうじゃないとわかっている。


 私たちはしばらく何も言わないまま、気まずい空気が漂っている。


 ロードルフ子爵は「気持ち」の整理をしなければいけない。私もさっきのことを振り返って、試しに「気持ち」が爆発した原因を見つけ出す。


 そして、私は自分のミスに気づいてしまった。


 そうか。私はやってしまった……これは私のせいだ。私に責任がある。


 (ロードルフ子爵、君は初めて自分の「気持ち」を無視してなかったね。)


「あん?それがどうした。こんなむちゃくちゃな感じ、気分が悪い!うんざりだよ!」感情が静まったが、気持ちの整理がまだできてないみたい。


(今までずっと無視してきたから、全部拾ったら、気分が悪くなるのは当然だと思う。)


「うるさい!しばらく黙ってろ!」


 私もそうしたかったが、この「気持ち」の爆発の原因が私だ。そんな無責任なことができない。


 (……「気持ち」の整理の仕方、教えようか?)


「いらん!こんな『もの』、無視したら……」


 これはやはり教えたほうがいい。「気持ち」のことに気付いてしまった以上、もう隠す必要がない。


(「気持ち」は「もの」じゃない。それは「君」自身の「意志」だ。)


「うるさいな!こうなってしまうなら、やはりずっと無視した方がいいんだよ!」


 ロードルフ子爵は少し静かになった。視線が泳いでいる。彼は混乱している。手が震えている。その震え方が怒りだけじゃなく、他の複雑な感情も含めている。


 彼は初めて手に入れた「気持ち」に、手が焼けるほどにどうすればいいかわからない。


 (そうね。もし、私に教えられたくないなら、私は君の「気持ち」を尊重するよ。)


「ぐ……」


 (でも、君は「気持ち」に対しての「対応」は適切ではない。少なくとも今ではね。)


「はぁ、はぁ……どうでもいいことだろう!それに、貴様はさっきから何なんだ!『あなた』ではなく、『君』呼ばわりして!」


 (それは、「君」が「人」になったから。)


「意味わかんねぇよ!『気持ち』はどうでもいいことだろう!」


 (違うよ。「気持ち」はどうでもいいことじゃない。さっきも言ったはず。それは「君」自身の「意志」だ。)


「『意志』なんて……」


 (君は「気持ち」・「意志」がないと思いたかった?でも、それはただ君の「クソ親父」に何も教えてもらえなかっただけ。君にはちゃんと「気持ち」があり、「意志」がある。)


 ロードルフ子爵は何も言わない。大きな息をしながら、何も反駁してこない。


 (君の「クソ親父」は何で君に教えなかったかはわからない。でも、「クソ親父」は君に「人」として一番大事なことを教えなかった。これだけは事実だ。

 そして、その「クソ親父」のやり方が「人」として通用できない。彼は宮廷闘争に入り、勝手に死んで、君まで巻き込んだ。はっきり言って、君の言う通り、アイツは「クソ親父」だ。

 だから、君はずっとアイツのやり方でやったら、君も同じく「人」でなくなる。そして、いずれ勝手に死ぬだろう。)


「ならばどうすればいいんだよ!」


 (そうね。正直、君は一体どういう「気持ち」なのか、私もわからない。でも、少しずつ整理していけば、わかるようになると思う。)


「俺には……できない。こんなの……わからん。」ロードルフ子爵は両手を頭に掴んで、苦しい感じがした。


 (「気持ち」は「考える」より、「感じた」ほうがいい――)


「だから俺には――」


(――でももし、本当に考えてやりたいなら、「ルール」を思い出そう。今の君には「感じる」より、「考えた」ほうがいいだろう。)


「『ルール』……」


 (ええ。例えば、そうだね。


 ルール2.少しずつでもいい。なるべくお互いの「気持ち」を無視しないこと。“わからない時、「教えてください」と言いましょう。”)


「はあ?俺に『教えてください』だと……」


 (君は「どうして言いたくない」の?)


「それは……」


 (それは、「領主」としてのプライドだから?それとも、「君」自身の「気持ち」が言いたくないから?)


 これを聞いて、ロードルフ子爵はしばらく無言のまま、机を凝視していた。


「『領主』としての『意志』……俺自身の『気持ち』……」


 この独り言に私は何も言わなかった。気持ちの整理は彼自身しかできないから。


 少しの間、私たちまた何も言わなかった。


 そして、


「……おい。」


 (何?)


「他に、まだあるのか?やはり……難しい。」


 (そうね。では、何で私が「やりたくない気持ちが大事だ」と思う?)


「……知らん。」 


 (少し逆転で考えたらわかると思う。何で「やりたい」ではなく、「やりたくない」のほうが大事だと。)


「やりたい……やりたくない……前に言った『自由意志』か?」


 (ええ、結構近い。)


「だが、これを知ってて、やはりわからん。他にはないのか?」


 (そうね……)


 正直、“気持ちの整理の仕方は人それぞれ。”これはパパが言ってくれた言葉。


「気持ち」は考えるより、感じたほうがいい。これは私にとっての場合。私には時間があるから、じっくりと感じられる。


 だが、ロードルフ子爵にとって、一番適切な方法は何だろう?彼は今早く知りたがっている。


 彼は、知りたがる一面がある。

 彼は、感情的な一面がある。

 彼は、理解が早い……


 もしかしたら、ロードルフ子爵の場合、「気持ち」は感じるより、考えたほうがいいかもしれない。


 (……わかった。じゃあ、ルールに沿って、こういう時、何を言った方いいの?)


「ふざ――スゥ……」“ふざけるなよ”と言いたいかな。ロードルフ子爵が言い出す途中で深呼吸した。


 そういえば、この深呼吸の仕方もあの五日間で私が教えたことだった。感情的になる時、こうした方がいいよと。


「……教えてください。」


 (お、素晴らしいです!)拍手してあげたかった。


「おい!」


 (これは皮肉じゃないよ。君はちゃんと自分の「気持ち」が言えたから。)


「……ふん。」


 (では、そうね。ロードルフ子爵なら、「ディベート」で気持ちを整理することができると思う。)


「あん?『ディベート』は『説得』のために使えるものじゃないのか。」


 (それは「競技」の場合だね。前もやったように、「ディスカッション」も「ディベート」の応用だから、他にもいろいろなやり方がある。今は「気持ち」の整理のために使うの。)


「あっそう。」


 (あと、これは説得じゃないので、もっと自分の「気持ち」を言った方がいいと思う。整理するためだから、「メリット」と「デメリット」のことはあまり考えなくてもいい。)


「……これは『ディベート』になるのか?」


(ただ形式上の応用だから、厳密に言えば「ディベート」にならないかな。「ディベート」の使い方も色々あるから、ここでこだわらなくてもいいよ。)


「ふん。」


(それと、「気持ち」の意味は結構曖昧なので、この「気持ち」の定義は「感情」の意味じゃない。「価値観」・「意志」の意味に近いものだと思ってください。)


「あっそう。」


 (では、この原因の発端――「犯罪者」は「人」として見るべきか、是か否か。これについて、語り合おうか。)

 

価値観のぶつかり合い、心の戦いが、始まる!

↑連載漫画なら、こう書きたかったかもしれません。

でもこの小説……漫画化するの難しいと思う。

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