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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第二章
20/75

8

「ふん。ほとんどくだらないルールだな。」


(くだらないかどうか人によって違うよ。ルールを決めた以上、あまりくだらないとか言わないでね。)


「なら、俺にとって重要じゃない。」


(なら、ルール守れるよね。)


「……ふん。簡単なことだ。」


(では期待しております。)


 感想→感想言わないで→重要性がない→なら守れるか→簡単なことだ。理解が間違えてなかったら、こういうことだろう。やはり一言多い。


「お前はこういう時だけ敬語使うのか。」


(あなたにだけこう使うの。)


「不快だな。」


(ありがとうございます。)


「褒めてねえ。」


(知ってる。)


「もういい。そんなことより、ルールが決め終わっただろう。」


(ええ、もし他に何が思い付いた時、その時また修正する必要があるね。)


「違う。これで、お前が『気になる』ことは何なのかが言えるだろう。」


(ああ、そうだね。言えるよ。)


「ならさっさとい……言うんだ。」


 “言え”と言いかけたのかな。でも「お互いに命令しないこと」を気付き、言い方を変えたのかな。


 良かった。ルールを守るつもりだ。


 (そうね。気になることは「衛生観念」のことだ。)


「つまり?」


 (私とあなたは「衛生観念」があまり大差はないようだ。)


「はあ、あまり相違ないのか?」


 (ええ。傷口の処置と食事する前に手を洗うこと、「衛生」に対してのこだわりが見える。もちろん、それらだけじゃないが……他のことだと、ちょっと言いたくない。)


「ふん。で、つまり、俺らはある程度の『価値観』が一致していると言いたいのか?」


「うん。そうだね。」


 しばらく沈黙。


「たしかお前は“にほん”とやらの国と言ったな。」


 (ええ、そうだよ。)


「わりと大事な情報だろう。何で今まで気付かなかった?」


 国の文化が違うと、価値観も違うになる。だが、共通の認識があったら、話がまた変わる。つまり、話の深掘り甲斐があるってこと。


 (最初そんな余裕がなかったから。それに、裸を見る趣味もない。)


「く……チッ。気になることはこれだけ?」くだらないと言いたかったのかな。


 (ええ、まあ、これだけ。)


「いいや、全てを言ったわけじゃないな。これだけなら、『気になる』ほどにならない。」


(……そうだね。全てを言うつもりじゃない。)すぐ気付く。


 この状況、昨日もあった。ちょっと似たような状況――「ディベート」について説明する時、その後、「多重人格」のことに。


「その理由は?」


  お?よくよく考えたら、ロードルフ子爵は「知りたがり」の一面があったな。これなら……


 (気になるの?)


「当然だ。」


 (どうして気になるの?)


「お前が何考えているのかわからないからだ。」


 (つまり、「知りたい」の?)


「しつこいな!当たり前だろう!」


 (ね、ロードルフ子爵、気付いてない?それ、一つの「気持ち」だよ。)


「あん?」


 (「知りたい」という「気持ち」、感じた?)


 ロードルフ子爵の視線が少し揺らいで、机の表面に凝視した。何とも言えない感じ。ちょっと動揺した。


「……ふん。それがどうした。今はどうでもいい。話を逸らすじゃねえ。」


 少しわかりにくいけど、「認めた」かな。


 (ええと、ルールの第2条、「なるべくお互いの「気持ち」を無視しないこと」、あなたが知りたかったら、無視するつもりはないよ。)


「ああ、そうか。知・り・た・い。これでいいのか?」


 (そんな強調しなくてもいいけど。まあ、簡単なことだ。ちょっと「歴史」のことを考えているだけ。)


「『歴史』?何のことだ?」


 (あの、具体的なことなら、一つの「情報」になるかもしれない。少々言いたくない「気持ち」がある。)


「なるほど。なら、俺が代わりに何か教えてあげたら、言う『気持ち』はあるか?」


 (そうね。何か教えてくれる?)


「国の外交状況だ。昨日教えるつもりだったがな。」


 (昨日は私の「気持ち」を無視して利用するつもりだったじゃない?あなたはそこまでアホではないはずだ。)


「不愉快だ。」


 (私も同じだったよ。だから気持ちは大事。)


「もういい。わかった。それで、言う気はあったか?」


 (そうね。じゃあ――)


 そして、私はしばらく自分の考えたことと歴史のことについて述べていた。


挿絵(By みてみん)

二階の平面図です。


一階の平面図は2-2で見えます!

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