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悪領主、自分の意志と戦う  作者: ヨガ
第二章
16/75

4

 デメリット:


 ルールの変動はいつでも可能だ。――「評価の問題。」


 ルールの修正は私たち二人で「討論」しなければならない。――「時間の無駄。」


「評価の問題?他人の評価なんてどうでもいいだろう!」


 (あなたは本気でそう思う?領民の評価、貴族の評価、王族の評価……これらの評価は、一貴族のあなたにとって、本当にどうでもいいことなの?)


「チッ……一人一人の評価のことだ。」


 (しかし、一人でも噂が立つものだ。噂も広がる。やがて「評価」が影響される。さっきも言った通り、あなたの「評価」は大事なことだ。評価が影響される限り、「デメリット」しかない。)


「ならば、お前は『いい影響』な存在になったらいいだろう?お前は利益になる人間、あるいは国にとって大事な存在とか、それなら他人も文句言えないだろう。」


 (ロードルフ子爵、「いい影響」は「メリット」じゃないよ。むしろ、「いい影響」があればあるほど、「デメリット」しかないんだ。当然、「悪い影響」は言われなくても「デメリット」しかない。)


 しばらくの沈黙、彼は考えている。


「はあ……ならば、具体的に言え。もちろん、『私たち』にとっての『デメリット』だろうな。」


 (ええ、では、まず私がバレて、評価が悪い影響の話をしよう。

 簡単な話だ。民心が離れる。治安の維持ができなくなる。貴族の間にも悪評になる。誰もあなたに不信感を抱く。最後、死に至る。)


「お前、悪事を働くつもりか?」


 (はあ……全然するつもりはない。)


「ならば――」


(人間は悪事をしなくても、評価が変わるものだ。領主だったらなおさらだろう。あなたはずっと領主の仕事をこなし、民の評価が維持できた。違うか?)


「……確かに。」ちょっと不服な感じがするが、認めた。


(では、ここで領主の仕事ができない私が出てきたら、民にとって不安しかない。そうだろう?)


「ええ、だから俺はお前に手伝わせてやることがあるんだ。『身体を貸してやる』のことだ。」


 なるほど、昨日私の「気持ち」を無視して、すでに「民心」のことを思っていた。


 ってか、「民心」のこと考えられるのに、人の「気持ち」をわからないのはありえないだろう……功利主義?


 (ありがたい話だが、これも良くない方法だよ。)


「続け。」


 (ここで「いい影響」の話も繋がる。

 まず、私は「いい影響」な存在で、あなたによって、しっかり育てて、有能な人材になった。

 しっかり功績を上げて、「いい影響」な存在だ。しかし、身体は一つだけ、

 私とあなた……どちらがコントロールしなければならない。

 あなたの「立場」が危うくなるよ。)


「あん?お前、俺より優れていると言いたいのか?」


 (能力の問題ではない。性格の問題よ。)


「意味が分かった。だが、本当に俺とお前という『二人』の人物がいるかどうか、あいつらに確認のしようがないだろう。」


 (ええ、確かに、それは信じるか信じないかの話だが……そこまで重要じゃないよ。事例のことを思い出して、一人は王様、もう一人は侯爵の次女。

 どれも突然の変化に、「評価」が変わったのだろう?

「突然、賢明な君主になった。」

「突然、淑やか淑女ではなくなった。」と。)


「ぐぅ……」ロードルフ子爵は一声を上げてから、悶絶した。不服そうに、悔しそうに、机を凝視している。


 感情が共有しているから、わかっている。彼は悔しいと思っている。


 でも、「ディスカッション」だよ。適切な方法を探すためのものと言ったはずだ。何で悔しく感じるだろう。


 (あの……)


「……確かに、この前提条件はちょっと浅はかだった。俺は間違った。これでいいだろう!」


 (ええと、間違ってないよ。少し言葉を修正すればいいので。「いつでも」じゃなく、もっと適切な言葉を変えればいい。)


「……俺に情けをかけるつもりか?」


 (情けね……そう思っているの?)


「あ?」


 (そう思っているなら、そう思っている方がいい。これこそ、「他人の評価なんてどうでもいい」ってこと。)


 彼は反芻……そして、何かへの喜び。


「はっ!お前は本当に人を怒らせることが上手だったな!」


 (言ったけど、あなたの方こそ上手だったよ。私はただ言葉を言い返しただけ。)


「お褒めに預かりありがとう。」


 (褒めてないよ。)


 ロードルフ子爵はふっと鼻で笑った。


「で、どう修正すればいいんだ?前提条件だろう。具体的すぎると、話にならん。」


 (うん……後にしてもいいと思うよ。私の「デメリット」がまだだよね。もしかしたら、全部話し終わったら、何か見当がつくかもしれない。)


「そうか。」


 そして、「時間の無駄」について議論し始めた。

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