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だって生きてるんだよ
流星の空の下、大地に産まれるすべての命。
心の奥に刻まれたトラウマに苦しみ、
金切り声をあげて泣き叫ぶ。
かけがえのない命が奪われてゆく、無駄な人間などひとりもいないのに。
あんなに恐れた終末を忘れて浮かれ狂っている。
忘れることが生きる道なら、
生きている人間の責任は償い。
寒い世界、残酷な運命、心は癒しを望んでいる。
だって生きてるんだよ。
なんにも出来ないとしても、今この瞬間を。
まなざしと吐息の果てに抱きしめる、僕の名を呼んで欲しいから。
血塗られた星に笑顔の微笑みを、
奪い去れ後悔なんてなくなるほどに。
幾千万の夜が教えてくれた、諦めなければ光は裏切らないと。
いつかめぐり合う魂に想いを馳せる。
世界線の果てで泣いている、夢から覚めてしまわぬように。
降りしきる雨の中で、
そっと指先で触れた優しさ。
激しく憎んだ昨日を信頼の祈りに変えて。
すべて忘れてしまったとしても、
愛だけは忘れないから。