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君と一緒に見たいんだよ
夜が流れてゆく。
自分が世の中から取り残されたみたいで、
風に溶けてゆく想いを数えている。
未来には希望しかないと信じていた、それが当たり前のことだと。
訳知り顔でアイツがやってくる、羊の皮を被ったお人好しが。
光が欲しかったんだよ。
どんな夢も宇宙の夢に組み込まれている。
君はどんな顔で過ごしているのかな、
楽しいことばかりでもないよね。
自分を傷つけたと泣いている、
世界にひとりぼっちのような気がして。
君と一緒に見たいんだよ、文明が再編される明日を。
戦いに明け暮れる毎日でも、言葉を伝える繰り返しでも。
死んだような世界が色を魅せるなら、
他に何もいらないと思った。
波打ち際に打ち上げられた魂。
忘れ去られた道化師の夢。
覚めた人たちは気がつかない、
賭けてみたいんだよ。
言葉で傷つけることができるなら、
言葉で救うこともできる。
くっさい台詞だと笑って欲しい。
泣いても笑っても、
人生は深く刻まれてゆくから。