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夢の帰り道
舞台役者が威勢良く決めゼリフを決めた。
僕といえば、言いたいことも言えないで。
どこから来たか何様かなんて聞かないで、
手を取り合うそんな明日が欲しい。
疲れ切った心に新しい風を入れて。
誰もが通り過ぎる道の上で、人待ち顔で待っている。
愛を語るのはアホらしいかい、
想いを分かち合うのはマヌケかい。
覚めてしまった現代に、熱く夢を語るバカがいる。
素敵なドレスを着て現れたあの人は、
勝負下着をつけている。
今夜に賭けてみるかい、流行も侵入できない領域に。
既成概念ってやつをハンマーで叩き壊したら、
さあ出かけよう。
あの日おばあちゃんが日向で風を感じていた。
あの風が今も吹いている。
大切なものを探す旅であなたと出逢った、
心を掻きむしる何かと一緒に。
散々な目にあってやっと見つけたもの。
ときめきを感じるたび心を噛み締める、
なんでもない日常に嬉しくて泣きたくなる。
「生まれてきて良かった」