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ときめきは拘束できない
うわ~ん!
大好きなタコ焼き一個落としちゃったあ!
諦めるか拾って洗って喰うか?
究極の選択は食い気には勝てない。
私はピザまんをほおばり呟いた、
「疫病って誰かの陰謀じゃね?」
誰もが感じているのに口に出来ないこと、絶対テレビで言ってくれないこと。
美しさの仮面はぶっさいくな仮面の裏の心、
誰かの後悔がこの悪夢世界に血の契約を許すから。
夕方の渋滞で怒鳴るドライバーのように、痛みを知らない赤ん坊。
ラーメン屋の開店に並ぶゾンビ、夕飯を買いに行くパレード。
今でも約束を覚えているよ、絶対腕を伸ばしてつかみ取る。
街角で不審者を尋問する公務員。
拘束できないものはあるよ、それでもときめきはこうして息をしている。
まともじゃなくてもいい、愛した記憶は残るから。
想い出をカタチに刻まないでね、心に自由にラクガキをして。
思いのたけをぶつけて玉砕した青春、分からないもの全部にはてなマークを付ける。
なんでもっと優しく出来ないんだろう、もう子供じゃないのに。
嫌いになるくらいならなんで好きになったんだろう、
想い想われて世界が運営されるなら。