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バースデーケーキ
ひとりっきりじゃ戦えないよ。
孤独が武器なら触るもの全部傷つけて。
運命にあっかんべーをするのは、虚しくて儚くて。
何ひとつ手に入れられない、ショーケースを眺めているだけじゃ。
バースデーケーキにローソクを立てていつか分かれてゆく道に、
あなたが欲しいと泣き叫んだ。
天の罰を受け入れて、心に焼き付ける烙印。
受け入れるものと受け入れられないものにどんな違いがあるの。
覆面の観客が石を投げる、おひねりをぶつけるように。
世界線が違っても必ず出会える、見慣れた景色の中で。
喫茶店のコーヒーに浮かぶクリームは渦を描いて、世界を呑み込んでゆく。
ラストオーダーはあなたの心、焼きもちを焼いて食べるのはにがい恋の味。
お祭り騒ぎが始まる。
みんなが一斉に卒倒する劇的な流行に、屁理屈は要らない。
いつか終わってしまう恋に保険はかけれないから。
街に明かりがつかない夜には、秘密の歌が聴こえてくる。
傷つけ合うのは似た者同士だね、井戸の中で泳ぐアメンボだから。
女学生跳ねる2